白夜 15話 救援の手


 クロの重装備のオメガデウス・ヴァルヤと、ロゼストのメガデウスがぶつかる。


 オメガデウス・ヴァルヤは、メガデウスにロックオンして突進する。


 それにメガデウスは光速の攻撃を放って潰そうとする。


 だが、オメガデウス・ヴァルヤの重装備の装甲は、光速に達する攻撃を弾いて、気付けばメガデウスの目の前にオメガデウス・ヴァルヤがいた。


 ロゼストは急速回避させる。

 メガデウスが空中回転するような動きでオメガデウス・ヴァルヤを避けようとするが、それを許すほどクロは甘くない。

 オメガデウス・ヴァルヤの両手に装備する砲身がメガデウスを追って、攻撃を放つ。


 ロゼストは、最初の一撃は避けたが…ずらして放たれた二撃目を受けて吹き飛ぶ。

 体勢が崩れたロゼストのメガデウスで、クロはオメガデウス・ヴァルヤを再突貫させる。


 メガデウスの全身で、オメガデウス・ヴァルヤの突貫を受けて衝撃が内部まで伝わる。


 押し潰されそうな衝撃をロゼストは受けるも、意識を奮い立たせて再び攻撃をする。

 光速の攻撃。

 それにクロは、突貫で答えるとお互いに相殺された。


 オメガデウスは、高次元の存在を入れて、その高次元の存在が持つ法則やエネルギーを司る事象力を使う高次元兵器だ。

 近接戦の機能はない。

 周辺を事象力で操作して戦う。

 オメガデウス・ヴァルヤに強大な近接戦の機能を与えるのは…クロだった。

 クロがオメガデウス・ヴァルヤのコア、エネルギー源の高次元の存在なのだ。


 ロゼストは仮面の下に苦い顔を浮かべる。


 その戸惑う時間でさえもクロは見抜き、ロゼストへ襲いかかる。


 ロゼストもエヴァルダーだ。

 クロの思考を読むも、ナイツの六人と同様に膨大な数の意識が雪崩れ込む。

「クソ!」

 クロの思考は読めない。


 クロは攻撃の手を止めない。

 ロゼストのメガデウスへ突貫と両手に装備する巨砲で攻撃する。


 ロゼストは最後の手段を使う。

 クロのオメガデウス・ヴァルヤが突貫した、それを掴み止める。


 ロゼストが

「悪いね。すこしつき合ってもらう」

と、メガデウスのエネルギーを重力エネルギーに変換して、クロのオメガデウス・ヴァルヤを超重力の檻に、ブラックホールへ閉じ込めようとする。


 クロは操縦席からレナがいる惑星を見る。

 次元圧縮結界に包まれて、消えそうになる惑星。

「クソ…出し惜しみなしだ」

 クロは、自身の超越存在の力を発動させる。


 あの惑星サイズの超越存在の力、ドラグゼオンを発動させようとする。


 それにロゼストは笑む

 計画通りだ…


 だが、クロのオメガデウス・ヴァルヤの右脇へ蹴りを放つ機体があった。

 白い装甲を纏うアースガイヤ製の人型超兵器ゼウスリオンだ。


 クロのオメガデウス・ヴァルヤは、それに持って行かれてメガデウスから離れる。


「なあああああ!」

と、クロが叫び。

 それでもオメガデウス・ヴァルヤの右脇の蹴りを止めないゼウスリオン。


 ロゼストのメガデウスから引き剥がされて、クロを乗せたオメガデウス・ヴァルヤが蹴りを放つゼウスリオンと共に遙か遠くへ消える。


 それにロゼストが黙って見つめていると、ロゼストのメガデウスの前に二つの機神が現れる。

 光輪を背負う紫の機神

 漆黒に包まれて腕が巨大な機神


 光輪を背負う紫の機神から

「まだ、応戦したいかね?」

と、聖帝ディオスの声が放たれる。

 

 漆黒に包まれる腕が巨大な機神が構える。


 ロゼストのメガデウスは、目の前の機神の二柱を前にしたまま後退して

「いや、ここまでだ…」


 ロゼストが去り際に

「やれやれ、クロードから超越存在の力を…奪えるはずだったのだがなぁ…」

と、メガデウスは光速で去った。


 聖帝ディオスが乗る光輪を背負う紫の機神は、クロが消えた方向を向き

「行こうか…充人」


「ああ…」

と、漆黒に包まれる腕が巨大な機神の操縦者である充人が頷いた。


 ◇◇◇◇◇


 遠くまでクロは離されて

「テメェ! 邪魔をするな!!!!!!!!」

と、オメガデウス・ヴァルヤを蹴り続けるゼウスリオンを払う。


 ゼウスリオンはオメガデウス・ヴァルヤの前に止まり

「キサマ…どういうつもりだ!」

と、ティリオの声が放たれる。


 クロが

「うるせぇ! オレの勝手だろうが!」

と、オメガデウス・ヴァルヤで再び向かおうとする。


 その前にディオスと充人の機神が来て塞ぎ

「少し、話を聞かせて貰おうか…」

と、ディオスが通信を放つ。


 クロが渋い顔をしていると、オメガデウス・ヴァルヤの背後にティリオのゼウスリオンが来る。

 三機に囲まれたクロは黙って静かにしていると…巨大な数キロサイズの宇宙戦艦が近づく。

 クロは状況を見て、向かおうと思っていたが…


「アナタがレナの…マスター飼い主ですか?」

と、巨大な宇宙戦艦からクロに通信が入る。


 クロが苛立った顔で

「レナの飼い主じゃあねぇ! 相棒だ」


 クロの通信に出たのは、レナと同じ黒髪の女性だ。

 女性が自分を示して

「初めまして、レナ1112の世話役をしていた。アル1110です」


 それを聞いてクロは立ち止まる事にした。


 

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