第3話 使役の原因の半分

今更思いついたのでレベッカの手の紋章を首輪に変更。

それに伴い前の話の表現も少し変えています。

ストーリーの進行に大きな変化はありませんが急な変更をここに謝罪します。

今後とも今作をよろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「それじゃあ冷めないうちに頂いちゃいましょうか」


「今日は本当に豪華ね〜」


テーブルの上には豪華な料理が大量に並んでいた。

もはや宴でもするんじゃないかってレベル。

まあ父さんとおじさんは酒を飲んで馬鹿騒ぎするんだろうけど。

というかもう酒を飲み始めている

俺達は呆れた目で二人を見ていたが諦めて手を合わせる。


「「「いただきます」」」


俺は早速スプーンでシチューをすくい口に運ぶ。

野菜がゴロゴロと入っていて食べごたえがあるし肉の旨味も感じられてとても美味しい。

俺はパンを一口サイズに千切って付けて食べるともう最高だった。


「ね、ねぇライアン」


「ん?どうしたのレベッカ?」


俺が食べているとレベッカが横から話しかけてくる。

いつもは対面の席とかに座るんだけどおばさんたちが面白がって隣の席にしたのだ。

別にいいんだけどね。


「あ、あのさ……」


そう言ってレベッカはもじもじと太ももをこすり合わせる。

その頬は少し赤らんでいた。

目をうるませて上目遣いをしてくる。


「そのシチュー私が作ったんだけど……どう?」


「え!?これレベッカが作ったの!?めちゃくちゃ美味しいからおばさんが作ったもんだと思ってたよ……腕を上げたんだな、レベッカ」


「……!ふ、ふん!当然でしょ?私だって料理くらいできるのよ」


レベッカは一瞬、顔を輝かせてすぐにぷいっとそっぽを向く。

心の声が聞こえてくるまで気づかなかったけど結構表情にも出てたんだな。

俺がそんなことを思っているとまたしても頭に声が流れ込んでくる。


『やった……!褒められた……!毎日練習してよかったぁ……』


毎日練習してたのか……

本当にレベッカは頑張り屋だからなぁ。

昔無理やり食べさせられた紫色の謎の物体とは見違えたよ……


「本当に美味しいよ。すごいと思う」


「ほ、褒めたっておかわりくらいしか出てこないんだから!」


「そうなの?じゃあおかわりちょうだい」


俺はからになった皿をレベッカに渡す。

お腹が空いていたのと美味しすぎてペロッと平らげてしまった。


「はやっ!?し、仕方ないわね……」


『本当に美味しいって思ってくれてたんだ……!えへへ……嬉しいなぁ……』


レベッカは仕方ない、といった表情をしながら近くにあった鍋からシチューをすくって皿に盛る。

まあ心の声が漏れちゃってるんですけどね。


「は、はい。ありがたく食べなさいよね」


「ありがとう。そうすることにするよ」


俺はおかわりしたシチューを食べ始める。

しして隣のレベッカは俺の感想が聞けて安心したのかあまり手をつけていなかった自分のご飯を食べ始めた。

今は美味しそうに目を細めながら魚をむしゃむしゃと食べている。


「レベッカって本当に魚好きだよな」


「きゅ、急になによ……悪い?」


「いや、美味しそうに食べていて見てるこっちも幸せになるなって思って」


「〜〜っ!!……もっと食べる」


そう言ってレベッカは魚をどんどん食べ始める。

俺も魚は好きだけど肉のほうが好きだからなぁ……

やっぱりがっつりと食べたいし。


俺達は家族との時間を楽しみながら食事の時間が過ぎていった──


◇◆◇


「ウィ〜……ヒック……」


「ギャハハ!どうしたんだよ!まだ飲めるらろう?もっともっといこうぜぇ」


「おっしゃ!やってやってやろうらないか!」


食事も終わりかけてきた頃。

予想通りろれつが全然回っていない二人の酔っぱらいが誕生した。

毎度毎度の光景に呆れるのもめんどくさくなってきている。


「はぁ……いつものことね。ほっときましょ」


「あ、ああ。そうだな」


レベッカもこんな調子である。

母さんたちもいつものことなので談笑しているだけで父さんたちを視界にすら入れない。

……このタイミングでいいかな。


「母さん、おばさん。ちょっとレベッカと外を散歩してきてもいいかな?」


「ら、ライアン!?」


「あら〜!良いわよ!なんなら今日帰ってこなくても文句言わないから」


「もう外も暗いんだしちゃんとあなたがレベッカちゃんを守るのよ?」


レベッカは顔を赤くするけどここは我慢して欲しい。

俺が散歩に行きたいと言うと母さんとおばさんは快く許可してくれた。

もちろん今日中に帰るつもりだけど。

俺達は上着を羽織って外に出る。


「もう……なんなの急に?」


『これってお散歩デート……だよね?買い出しとかじゃなくてライアンから誘ってくれたんだもん。もっと可愛い上着買っておけばよかったかな……』


レベッカの内心が聞こえてきて俺は苦笑する。

もし心の声が聞こえている、と言ったらレベッカはどういう反応をするんだろうか。


「ちょっと話したいことがあってね。親には、特にレベッカの両親にはあまり聞かれたくなかったから外に出たんだよ」


「話したいこと?」


『それってもしかして……!』


お?もう話したいことがわかってるのか?

だったら話は早いな。


「レベッカに付いてるその首輪のことだ」


「首輪……」


『ですよね〜……私って可愛げないしそんなはずないよねぇ……』


一体どんな勘違いをしてたんだ?

レベッカが俺に何か知ってることがあるなら説明しろと言ったんだろうに。


「単刀直入に言うぞ?その首輪は使役魔法によって使役された対象に着けられる首輪だ」


「へ……?えぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」


レベッカは目を大きく見開いて自分の首輪に触る。

その首輪は魔法によって着けられているためどんなに力ずくで引っ張ったところで取れることはないだろう。


「わ、私ライアンに使役されちゃったわけ……?なんで……?」


「おそらくあの馬車をよけたときだろう。誤ってその……キスしちゃったし……」


「はぅっ……!」


レベッカは俺の言葉で思い出したのか顔を真赤にする。

やっぱり事故とはいえキスしちゃったのはまずかったよなぁ……

しかもそれで使役魔法が発動するなんて意味わかんないし。


「じゃ、じゃあ今の私はライアンの使役対象眷獣ってこと……?」


「ま、まあそうなるな……」


こんなことレベッカに殴られても文句は言えない。

実際に俺があまり聞かないほうがいい類の心の声が聞こえちゃってるし……


「そ、そう……」


「……怒らないのか?本気で殴られると死ぬから手加減するなら俺を殴ってくれてもいい」


「殴らないわよ……だってあれは、その……事故みたいなものでライアンは私を助けてくれたじゃない」


『それにライアンの眷獣になったってことは一生一緒にいられるかも……!』


え……?

眷獣になって喜ぶのか……?

てかちょっと待てよ……使役の条件は確か使使、と思えるくらいの信頼関係があるときにキスをすると契約成立だったはず……

まさか……レベッカが使役されてもいい、という深層心理があったから契約が成立してしまったのか!?

お前半分くらいは今の状況を作り出した原因になってんじゃねえか!

俺は一つの仮定に行き着き頭を抱える。


「どうしたの?頭を抱えちゃって……」


「い、いやなんでもない。それよりも今後のことを話し合うべきだ。あまり人には聞かせられない話だしあそこに行こう」


「あそこ?久しぶりに行くわね……」


『やったぁ!まだまだライアンとお散歩デートだぁ……!』


俺はどうしたらいいのかわからず頭を悩ませながらレベッカの隣を歩いた。

レベッカは機嫌よく鼻歌を歌いながら歩いている。

はぁ……本当にどうしてこうなったんだ……


──────────────────────

ラブコメ日間4位!(ついでに週間も54位)

そして総合日間31位!

本当にありがとうございます!

一気に上がった笑


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