作戦を考えた!
「ふぅ。やっと帰ってこれた。」
高巻さんと別れてから数十分。やっとこさ家に帰ってきた俺は玄関で我が妹が突っ立ってるのに気づいた。
妹の名前は佐倉碧。中学三年生のバリバリの陽キャである。
ちなみに成績は見た目に反してめちゃくちゃいい。羨ましい限りだ。
「お兄ちゃん遅い!」
「なんだよ。もしかして鍵忘れたのか?」
「見てわかるでしょ!」
今日も我が家の妹はツンツンしてますな。
「わかったわかった。開けるから一旦どいて。」
「早くしてよね。」
ガチャ
「ありがと。今日は友達と遊んでくるからご飯いらないってお母さんに伝えておいて。」
「了解。」
初日から友達と遊んでこれるなんて羨ましい程の社交性っぷりだなぁ〜。
「気をつけて行けよ。」
「そんなのわかってるから!でもありがと。行ってくる。」
「行ってら。」
なんだかんだお礼は言えるいい妹である。
さて、手伝うと言ったからには高巻さんの恐らくあがり症であろう症状を和らげることを第一に考えてみるか。
やっぱり緊張と焦りから来ているものだろうから少しずつ慣れていくって言うのが一番いい克服の仕方だとは思うんだけど…ドジの部分がなぁ。
まずはどれだけあがり症なのかを聞いてみないことには始まらなそうだ。
『高巻さんに聞きたいことがあるんだけど。いいかな?』
『わっ!びっくりしたよ。いつもは携帯なんてならないからね。それで聞きたいことがあるの?もちろんいいよ!』
『ありがとう。じゃあ早速ひとつ聞くね。』
『はい。』
『高巻さんがドジを連発しちゃうのって何人くらいからか知りたいんだ。』
『なるほど。
そうですね……。一人とか二人ならば普通に喋る事は出来ますよ!ただそれ以上になっちゃうと…』
『ありがと。ちょっと考えてみるよ。明日楽しみにしてて!』
『はい!』
なるほどなぁ。とりあえず明日は俺一人でどうにかやってみてって感じかな。
あとは…そうだ。あいつらにも頼んでみるか。
あいつらなら高巻さんのことを嫌うようなことは無いだろうしな。
とりあえず坂本に連絡してみるか。
『ちょっとお願いがあるんだがいいか?』
『どうした急に?珍しいこともあるもんだな。』
『別にいいだろ。別に。』
『分かったって。んで、お願いってなんだよ。』
『まだ決まったわけじゃないけどちょっと高巻さんのことで頼みたいことがあるんだ。』
『なにっ!高巻さんのことだって?お前いつの間に高巻さんと関わりを持つようになったんだよ!』
『いや、それは隣の席なんだから関わりがあるのは当たり前だろ。』
『……確かにそうだったな。』
『まぁいいや。で、話戻すけど高巻さんのあがり症を治す手伝いをして欲しいんだよ。』
『どういうことだ?』
『今日帰りに生徒手帳を忘れて教室に戻ったら高巻さんがなんかやってたのを聞いちゃってさ、それでなんやかんやあって高巻さんのあの有名なドジをどうにかしてあげるって言っちゃってさ。だから手伝って欲しいわけよ。』
『お、お前。そんなラノベみたいなことが起こったのかよ。クソっ!見たかったな!』
『今はどうでもいいだろそんなの。』
『手伝うことはもちろんいいけどよ。でも高巻さんはあのドジっ子属性がいいのにもったいないな。』
『高巻さんはすごい困ってるし助けてあげたいって思ったんだからいいだろ。なんか女の友達がいないのが悲しいらしいし。
あ、あとこの話喜多川さんにも伝えて欲しい。そして出来れば手伝ってくれるか聞いといてくんない?』
『確かに本人が困ってるなら仕方ないな。あと喜多川にはしっかり伝えておくから。あいつなら喜んで協力してくれると思うぜ。』
『助かる』
『んじゃまたあしたな。』
『また。』
ふぅ。とりあえずあの二人にも手伝ってもらってまずは少ない人数でなれることから始めないとだな。
まぁ、明日は俺の考えたことを高巻さんに言ってOKを貰えたら始めようってことにするか。
時間もちょうどいいし一旦整理も着いたってことでバイト行くか。
確か店長今日から新しい人が入ってくるって言ってたよなぁ。
可愛い子かまともな子が入ってくれるといいなぁ。
――――――――――――――――――――――
なんか朝早くに警報がなってびっくりして飛び起きた結果無事突き指した私です。痛い。
また能登方面だそうで…ほんとに能登の皆さんの安全を祈るばかりです。
いのちだいじに。ですからね。
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