僕のナンパ!③
崔 梨遙(再)
1話完結:1100字
30代の前半、今度は中国の女性とお付き合いしてみたくなった。そこで、僕は家電量販店へ足を運んだ。土曜日だった。家電量販店は、外国人観光客の通訳のために中国人を雇っていることが多いからだ。中国人は、中国語、日本語、英語を話せることが多い。
家電量販店に……いた! 中国の苗字、楊というらしい。見事な力士だった。僕は力士みたいな体格の女性に興味は無い。別の階で探す。いた! 化粧を全くしていない。中国の女性は、普段化粧をしないことが多いのだ。だが、これはいいことだ。化粧で誤魔化されることが無い。その女性は張さん。小柄だが、愛嬌のあるかわいい顔立ち、スタイルもいい。スレンダーだから胸は期待できないが魅力的だった。
家電を買うのに“悩んでいて相談するふり”をして話しかけた。家電を買うつもりは無かったので、電気ひげそりについて相談した。相談しながらヒアリングをした。下の名前はメイファ、元々は中国の大学の日本語の講師で、今は〇〇大学の大学院生(修士課程)で、年齢は僕より1つ上。彼氏はいない。僕は名刺を渡した。
「気が向いたら電話ください、連れて行きたいフレンチのお店があるんです」
そして、僕はメイファのオススメの電気ひげそりを買って帰った。
早速その晩、メイファから電話がかかって来た。翌日の日曜、デートすることになった。
僕は、高級レストランでメイファと一緒にランチを楽しんだ。僕はあまりお酒を飲めないのだが、メイファにはワインを飲ませた。メイファはいい感じにほろ酔いになってくれた。
「今、すごくいい気分です」
「これから、どこへ行く?」
「どこでもいいです」
「うーん、じゃあ、僕の家に来る? マンションだけど。僕が普段どんな仕事をしてるか? 見せてあげるよ」
「じゃあ、あなたの家に行きます」
「じゃあ、おいでよ」
メイファは僕の家までついて来た。メイファはその気になってくれていたようで、意外と簡単に僕と結ばれてくれた。メイファは年齢の割に男性経験が少なかった。今までに1人の男性としか経験が無いとのこと。経験が少ないので、僕の風俗嬢に育てられた抱き方に新鮮さを感じてくれたらしく、メイファは休日の前の晩は僕の家に泊まるようになった。
幸せな時間だった。
夏、お盆休み、メイファは中国の実家に一時帰省することになった。僕はメイファに本気になっていたので、メイファの家族にご挨拶がしたくなった。だから、僕はメイファに言った。
「僕もついて行くよ」
「ダメです!」
「なんで?」
「……旦那と息子がいるからです」
また、この展開かーい! 僕は天国から奈落の底に落とされたのだった。
僕のナンパ!③ 崔 梨遙(再) @sairiyousai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます