ポヨンポヨンな「陰キャ」な恋ストーリー。意外なネチネチ男子のいる、異世界なら…

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「陰キャだね」だれからも言われそうなあいつでも、上手くいく世界♪

異世界なら、「陰キャ」な恋で良い。

「君って、陰キャだね」

最近の彼は、言われても、あまり気にならなくなっている。

「この世界では、陰気なキャラクターでも悪くないさ」

そう信じられる彼は、何者?

「君って、ネチネチしているよね」

言われても、ヘコまない。

こんな意味もある、言葉なのに。

「コミュニケーション力がない」

「社会性がない」

痛いねえ。

学校のクラスメイトなどに使われる「スクールカースト」の分野では、ホント、痛い。

1番下のカーストグループにいるだけで、「陰キャだね」と言われることがあるようだし。

「キャラいじり」を超え、いじめだよ。

それでも、彼は言う。

「陰キャを、悪く考えないでよ。陰キャ男子とか、漫画やドラマの分野では、かわいいものじゃないか」

そうか。

こういうストーリーの漫画やドラマが、あるからねー。

「ちょっと陰気なうじうじネチネチ系男子が、その性格とは真逆なおてんばギャル(死語?)の世界観に巻き込まれて成長していく」

今の彼の、ように。

彼は今日、町や城から離れた場所に広がる森の中にいる。

ピンチ!

「日が暮れて、迷子になってきたぞ」

が、町につながりそうな道を発見。

すると…。

「キャー!」

女性の叫び声が、森の中に響いた。

「ここ、どこー?私の家来たちー!だれか、いないのー?」

女性は、ドレス姿。

どこかの国の、貴族か姫のよう。

「助けに、きました!」

彼は、すぐ、女性にかけ寄った。

「キャッ。ネチネチ系!」

「まあ、良いや。心配は、いりません!町につながりそうな道は、見つけました」

「本当に?」

「町まで、おつれいたします!背中に、乗ってください!」

「でも…」

「良いんです。陰キャ男子が女性をエスコートするのは、お約束ですから」

「そう?それなら、お言葉に甘えます」

陰キャ男子が、女性を背に乗せて走る!

「あなた、本当にネチネチしているのね」

「まあね」

「うふふ…」

女性は、彼の背中の上でポヨンポヨンとはねながら、ずっと笑っていた。

「陰キャからの出会いも恋も、悪くないよなー。俺、がんばっちゃうぞ!」

「…?」

ネチネチとしてグニュグニュのスライムが、女性を背にポヨンポヨン♪

2人(?)がどう成長してどうなったのかは、秘密です。




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