第4話 エルフの森へ

次の日の朝。すっかりフィーンに懐いてしまったリク。自称「フィーン様の護衛」らしいから、取り敢えず任せた。


そしてエルフの森へ向かっている最中に、俺たちはリクに何があったか尋ねた。


「リク、お前は仲間が瘴気にやられたって言ってたよな、どういうことだ?あと、俺たちに会う前に何があった?」


「そうですね、僕も混乱しているのですが、とりあえず僕がなんでこの場所にいることから説明します。


二週間前、僕たちエルフの森で、セスティ様から啓示を受けたのです。もう直ぐ勇者一行が蘇って、こちらへ向かってくると。だから僕らエルフが迎えに行くことにしたのです。ですが...途中で他のエルフ達が瘴気に飲まれ、僕のことを襲いかかってきて、それで...」


「それで迷ってるなか、私たち出会ったてわけか?」


「はい...」


「リク、あなたが言っていた、瘴気に侵された別のエルフ達は今どこにいますか?」


「分かりません...」


「リク、一つ聞きたいのですが、なぜ私の事を知っていたのですか?初めてお会いしたのだと思うのですが...」


「ええ、フィーン様は、僕らの森の「救世主」なのですから!」


「え?!わ、私が??どうして...と言うか、どう言うことですか?」


「我々エルフの森には古くからの言い伝えがあります。先代勇者と共に「悪」を打ち滅ぼした英傑の一人がフィーン様で、あなたなのです!」


「え....すみません全く見当が...」


「少年、彼女は私たちと同じ王都から来たのです。そんな彼女が千代勇者の仲間なわけがありません。」


「ですが、姿もお名前も一緒なのですよ!」


「うーん....どういうことなんだー?てことは、フィーンは先代の勇者の仲間で、私たちに黙ってたってことか?」


「そんなことはしませんよ!すぐに人を疑わないでくださ...」


「いや、だったらよ説明がつかねえじゃねえ..」


彼女たちがこうして喧嘩してるうちに、俺はリクに3つの質問を投げた。


「リク、テンション上がってる時に悪いが、質問を三つさせてくれ。

その伝説を語ったの誰なんだ?

お前たちエルフは外で暮らしているのであれば、瘴気に生活を影響されていないのか?

それと、お前らは一体どこから来たんだ。本によればガーベスト王国以外はもう何も残っていないはず。ここはもう何もないはずなんだ。エルフがいること自体が驚きだ。」


「それについてなんですが、言い伝えによるとセスティー様が我々を産んでなされたのだと」


「お出ましか、敵が」


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


目の前に凶暴化したエルフが3体現れた。


「えっ、みんな!!」


「まさか、こいつらがお前を襲った?」


「はい...でもみんな優しくて、あんなことするはずないんです!!きっと瘴気に」


すると一匹のエルフが襲いかかってきた。


「フィーン、バリア頼む!」


「はい!!アンフィード・アル・セタリア!」


俺たちの周りに大きなバリアが出てきた。


「もっと3分です!」


「分かった、その間になんとかする。」


「フィーン様は僕が守ります!」


「お願いしますね、リクくん」



「あの!!みんなを傷付かないでください!瘴気に操られているだけなんです!」


「少年、君の気持ちも分からないわけではないが」


「襲ってきたのはアイツらだからな。ユウマ、私行っていいか?」


「気絶程度で頼むよ。」


「任せろ!」


そう言いロゼリアはすぐさまバリアから飛び出し、エルフ達と交戦する。凶暴化したエルフとは言え、ロゼリアの力の前で一瞬に気を失ってしまった。


「よし!シファー!頼む!」


「はい」


そう言いエアタイでエルフたちを閉じ込めた。


「さっきので全部か?」


「ええ、僕含めて4人だったので....」


「嫌な予感がする...よし、このまま直接森に行こう。」


立ち止まるロゼリア


「ロゼリアさん?どうかしました?」


突然ロゼリアがフィーンに襲いかかる。


「フィーン様!」


「ッ!」


俺はすぐに飛び出してフィーンを庇った。受け身を取ったおかげで怪我はなかったが、体術でロゼリアに勝てる自信はない。


「ロゼリアお前...「瘴気」か...!」


黙り込むロゼリア


「どいてください、エアタイで動きを止めます。」


「あああ!」


「早い...!くっ!!」


殴り飛ばされるシファー。


「シファー!!しょうがない、天に輝く五つの星よ、我の呼びかけに答えよ!スターロードエクリプス!!」


俺は咄嗟に星威魔法を放った!だがロゼリアは俺が放つ前に俺の目の前に移動し、攻撃してきた。


「ぐっ!!!」


肋骨の3本は折れただろ


「みなさん!!もうやめてくださいロゼリアさん!」


「フィーン...!逃げろ!エルフの森に!!」


だがロゼリアは逃げる暇も与えずに構えた。


「ヒール!ヒール!神速・「式」!」


俺は瞬時に魔法を付加させフィーンの元へ走った。だが間に合いそうにない。その時



「あ、ああああ!」


リクが身を挺してフィーンのことを守った。


「リクくん!?」


「...リク!!!!!!」

血反吐を吐き、地面に倒れているリク。

また俺の気配察知が反応していなかった...いや、今はそんなことよりも!!!


「攻式「壊」!!ゴッドフィストー!!!!」


俺は全力でロゼリアを殴った。すぐさま気を失ったロゼリア。すぐにシファーのところに行った。その瞬間一つの黒い影がロゼリアから離れた。


「おい!!シファー大丈夫か!」


「私はなんとか...そんなことよりも少年が、フィーン一人じゃ助けられない」


「ああ、分かってる、ヒール!」


俺は動けなかったシファーを治療し、直ぐにリクの元へ走った。


「エクストラ・ヒール!エクストラ・ヒール!!」


フィーンが死に物狂いでリクノ治療をしている、だがまるで効果がない。恐らく内臓にまでダメージが届いたのだろう。


「ッ...これは...ユウマ、フィーン、この少年はもう...」


「嘘ッ...嘘ですよね!!シファーさん、貴方医者ですよね!!助けてくださいよ!」


「それは無理だ...内臓が全て破裂している...」


「ッ...そんな...」


「ゆ...しゃ..さま、ふぃ...んさ....あ...」


「もう喋るな、リク!」


「このまま...真っ直ぐ行けば...森..で」


「行きます!!行きますからリクくんも一緒に来て!死なないで!!」


涙でぐしゃぐしゃになった顔をしながら見つめるフィーン、突然フィーンの体が光った。


「ッ!今度はなんだ!」


「ッ!!これは、、新しい魔法?」


覚悟を決め、呪文を唱えるフィーン


「スケーバーズ・シュティングス・レデュース!」


そう言い、フィーンの周りに魔法陣が展開され、リクの傷がすごいスピードで回復していった。

「待て、まさか?....痛みがない?」


俺の怪我も治してくれたのか?


「ッ...?!」


ロゼリアも目を覚ましたようだ


するとエアタイが起動して、さっきのエルフたちも出てきた、正気を取り戻したらしい。


「これって、、まさか...!」


「ああ...サポート系最高魔術...「エクセレント・チャージ」だ...」


この魔法が神でしか使用不可な魔法であり、状態異常、精神汚染、傷、全てに通ずる魔術...なんでフィーンが?


りくみ目を覚ました。


「リクくん!!大丈夫?」


「うん....フィーン様ありがとうございます。」


「ッ!!私はなんということを...ユウマ、私を処罰してくれ。何なりと受け」


「お前の処分は後でする。今は早くこの地から離れるんだ。魔術が聞いてるうちにな。リク、森は真っ直ぐにあったな。」


「はい、馬車でも一週間はかかるかと」


「エル・ダザル・ジオヘラルド」


すると大きな黒い穴が出てきた。


「えっ...なんでこれが?」


「ッ!ユウマ、お前がやったのか?」


「始まりの書で見たことあります...これは」


「空間転移魔法....魔王の魔法....」


「今はこんなことを考えている場合じゃない。敵はまだ近くにいる。これで森に行くぞ。そこならセスティーノ庇護があって安全なはずだ。」


「そうだな」


全員頷き、俺ととも穴へ入った。


その後直ぐに黒い影も穴に向かって来た。




1500years ago


フィーンに話しかけてる女神セスティー


「フィーン、大丈夫?ここからは神の域だからね?」


「はい、ユウマを救えるなら、どんな魔法でも学びます。」


「くっ!さすが巨人族だな...参ったぜ。さすがは最強の戦士、ロゼリア!」


「では死ね、勇者ユウマ。」


拳を構え、ユウマに殴りかかるロゼリア。

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神に召喚されたのだが、全てがおかしすぎる件 いちごオレ @ichigoore17502

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