第3話 エルフの少年

セスティからの「メッセージ」を受けて。俺たちは、アハムへと向かった。


道のり


「アハムへ行く経路なんだけど、誰か知らないか?」


「王都の西の方角に進む。「エルフの森」を抜けて、「巨人の平地」に行って、そこから「魔族の城」行く。その果てに、「神の祭壇・アハム」が存在するんだ。」


とシファーは始まりの書を見ながら言った。


「結構遠いのですね...では我々が最初に向かうところが...」


「エルフの森だなぁ...けど、こう言っちゃフィーンに悪いんだが、世界は滅ぼされたんだろ?今更エルフなんかいるのか?魔王の瘴気で全部やられちゃったんじゃ...もちろんフィーンだけじゃない、私と同じの巨人族だって、もう」


ロゼリアは縁起でもないことを口にした。


俺は気配察知をした、最大20000km離れている場所ならば気配を察知出来る。


「それは行ってからじゃない分からないな。だが多分、少しは生き残っているな。魔法を使って下調べをしてきた。」


「本当ですか?!少し、嬉しいです...!でも、エルフの森って確か15000km離れているんじゃ...」


「マジか!!範囲広っ!!」



「エルフが無事ということは、別のところにいる種族も無事ということですか?」

シファーが頭を傾げて俺に聞いた。


「恐らくな」


「では、一刻も早く魔王を倒して、外の方々も王都に住まわせましょう!」


俺以外の一同「うん!・はい」


「(問題は「魔王の瘴気」ってやつだ。1500年前に世界は滅ぼされた。この1500年間の間、誰も王都から出ることが出来なかった。だったら「魔王の仕業」ということも事実じゃないかもしれない。これは言っておく必要があるな。ッ!なんだ...!)」


その瞬間、俺は頭に痛みが走った。俺はを抱えてしゃがみ込んだ。「高校」「親友」「両親」と思われるモノが浮かんだ...


「うっ....!!」


「おい、急にどうした!大丈夫か?!」


「だ、大丈夫。少し頭痛がな...」


「本当に大丈夫ですか?少し横になられては?無理はしないでくださいね!」


「本当、もう大丈夫なんだ。ありがとう。(今のはまさか、、記憶が戻った?だが...さっきのは)」


突然草むらから物音がした。


「誰だ!」


ロゼリアが草むらに向かって叫んだ


?「う、うぅ...」


出てきたのは、傷だらけの「エルフ」の男の子の子供だった。


「(この子、いつの間に?いくら頭が痛くても、、俺の察知魔法じゃあ捕らえられないわけがなかった..気配そのものを消している?)」


?「あっ、人間...巨人と、、エ、エルフ...?もしかして...勇者..?良かった...」


子供エルフはフィーンを見て、どこか落ち着いたようになり、気を失った。


「ちょっと!!大丈夫ですか?!」


「これは、かなりの怪我です、取り敢えず、応急処置をします。エタアイを使って家を作ってくれますか?」


「分かった。」


俺はエタアイを使って家を作った。



「容態はどうですか?大丈夫ですか?」


フィーンは心配そうにシファーに尋ねた。


「今のところ落ち着きました。もう大丈夫です。結構ひどい怪我だったので、一苦労しました。」


「まさか医者でもあるんだな、びっくりしたぜ。」


「まぁ、万が一の時のためにいる人員なので。」


「取り敢えずその子の目が覚めるまで待とう。色々聞きたいこともあるしな。」


夕食を食べている俺たち


フィーンは浮かない顔をしていた。


「フィーン、大丈夫か?顔色悪いぞ?」


「え、すみません、心配をかけましたわ。あの子の怪我...酷かった。あれも、魔王の瘴気の仕業なのでしょうか....許せません」


「...そうじゃないと思う。あの怪我は魔法を受けた怪我じゃないんだ。」


「えっ?」


「私も同感だ。剣か何かに攻撃されたと思う。」


「そのことについでなんだけど、みんな、一つ言っておきたいことがある。」


3人が顔を俺をに向けた。


「俺は、「魔王の瘴気」の存在を疑っている。」


「はぁ?!な、何言ってんだよ...急に」


ロゼリアは荒ただしく言った。残りの2人も相当驚いてた。


「そうなるのも無理もない。だけど俺の話を聞いてくれ。


この1500年間、誰1人とて王都から離れることが出来なかった。外の世界に行ったことがなかった。だから「魔王の瘴気」が本当に存在しているのか、今この世界を侵蝕してるのかも分からないはずなんだ。何よりも、今日俺たちが歩いた道には、瘴気どころか、魔物もいなかった。だから俺は、瘴気がある保証は少ないと思う。」



?「ううん、勇者様、瘴気は確かに存在します。仲間が瘴気にやられました。」


「え?君...!」


「今すぐベッドに戻って寝るんです、今は動ける体じゃ...」


「ダメなんです、もう時間がないんです!申し遅れました、僕、リクと言います。初めまして、ユウマさん。それと、フィーン様。」


フィーンを見つめるリクという少年の目には輝きがいっぱいだった。まるで、「救世主」を見ているかのようであった。


「なんで私の名前を?それと瘴気にやられたというのは..?」


「あ、それはー」


「色々聞きたいことがあるのだけど、みんな、今日はもう休もう。話は明日にしよう。リクだっけ、君もその怪我だ、怪我人は寝ていないとな。まぁ何よりも、私みたいな脳みそじゃあ今の情報量が限界なんだ!!ほら早く食え!飯が冷めちゃうじゃないか!!リクもなんか食べる?」


せっかくかっこよく決めてたのに、ロゼリアのやつ自分で雰囲気壊しやがった....


でも...みんなクスッと笑ってた。


「そうだな、今日のあたりはこの辺で、リク、お前の分も準備してやるから、少し待っててな。」


「え、でも!」


「でももなんでもないです。今はしっかり休んでください。」


「う、うん」


少し顔を赤らめるリク


「よし、じゃあリクには「シチュー」をご馳走するよ!エタアイ・シチュー!」


熱々のシチューが出てきた。


「ゆっくりお食べ」


「い、いただきます。」


リクはシチューをスプーンの上に乗せて、フーフーと息をかけ、飲み込んだ。



「え...美味しい!!こんな美味しいもの初めて食べました!!」


リクはそう言いながら幸せそうに自分の口へ次々へとスプーンを送り込んだ。



俺たちも幸せそうなリクを見て、安心して笑った。




——————————————

1500years ago


「ガハッ...!」


血反吐を吐いているレイジ。


「おい!!レイジ!!死ぬんじゃねえ!死ぬんじゃねえぞ!!」


「死なないでよレイジ!!私が絶対に救ってみせるから!!XXXXXXX」


慌てて治癒魔法を放つフィーン。


「もう...いい....んだ、2人とも、自分の体のことは...自分が一番分かっている。ユウマ、聞いてくれ...」


「もう喋んな馬鹿野郎!!」


「言わなきゃならないんだ...頼む、ユウマ...俺の代わりに..この世界を救ってくれ...俺の魔法をお前に授ける、、これならば「聖剣」も使えるだろ...」


「ふざけんな!俺が勇者の代わりになれるわけねえだろ!フィーンだって、俺だってお前に死んで....欲しくない...」


「私が弱いばっかりに、私のせいで...」


「た旅、楽しかったよ、また、一緒に旅ができt...」



「...レイジ?おい、レイジ!!!!!レイジ!!おい...レーイージーーーーーっ!!!」



数日後


「俺が、新しい勇者か。見てな、レイジ。奴らは、俺が必ず殺す!」


———————————————

Now


アハムに刺されている聖剣は、少しずつ、錆びついていた。

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