第2話 隠された秘密
俺の話を聞いたフィーンとロゼリアは動揺を隠せなかった。
「人間じゃない..?そ、そんなはずないです!!ユウマさんが仰ってるのはただの個体差に過ぎないと思います!」
「そうだ、実際アンタは見たことがあんのか?エルフと巨人を。」
ロゼリアとフィーンは慌て出した。
「落ち着いてください。確かに見たことがないです。記憶がないのですから。ですがこの本、《始まりの書》に確かに書かれています。貴方たちだって本当は知っているはずです。」
俺は落ち着かせようと説明を始めようした。
「どう言うことだ?」
「見てれば分かりますよ」
俺はロゼリアとフィーンそしてシファーに向けて呪文を唱えた。
すると、彼女らの体は淡色の光に包まれた。
「どうです?思い出しましたか?自分の《種族》を。」
「確かに...何故か急に、自分は「人間ではない」と言う認識と..それとなんて言うのでしょうか、、言葉にするのが難しいのですが..自分がエルフだと分かるのです!」
「私もだ...巨人族だと。」
「彼女たちと同じ意見です。何をしたのです?」
「ただの浄化魔法ですよ。少し待ってください、今頭の中が混乱していると思うので、安定魔法をかけますね。これでよしっと。色々と質問があると思います。俺も、この世界には謎が多く隠されていると気づきました。ですがこの話をする前に、一つ言っていいですか?」
「なん....ですか?」
「(また何を言い出すんだ、、こいつは..??変なこと言ったら私のこの拳で)」
「実は.、この敬語の喋り方、、すごく距離感を感じて、多分元の世界では、とても距離感がある相手と話す時に使う場合が多いのでしょう。これから一緒に旅もしていくので、タメ口にしてもいいのかなって思いまして...」
「ぷっ、ぷはははは!!」
「ふっ、ふふふふふ」
シファーもクスクスと笑った。
「何を言い出すかと思えばそんなことかよー
お前、案外可愛いな。いいぜ別に、私は気にしないさ。アンタらもだろ?」
「ええ、もちろん」
「うん。」
「良かった...ありがとうみんな。
じゃあまず現状をまとめよう。
ロゼリアもフィーンもシファーも、別の種族に関する知識がない状態だった。これは俺の魔法で解くことが出来た。問題は何故こうなったのかだ。」
「ええ、確かに...何かの魔法でしょうか?」
「俺もそう読んでいる。とても強い《認知阻害》の魔法だ。まるでわざとこの世に「人間」しかいないように印象操作をしていた。
問題はその魔法がいつ、そしてなんの目的で、誰に掛けられたのだと言うことだ。そのどれも、今の俺には分かる術がない...だが、一つ分かっていることがある。結界もこの魔法も全部同じ人が作ったんだと考えられる。しかも相当な手慣れだ。」
「なんでそう言い切れるんです?」
「流れる魔力が同じなんだ。」
「...貴方、一体何者なんです?異世界から来たのにやけに魔法のことに詳しいみたいじゃないですか、まるで、元から魔法が使えたかのようで。」
「それに関しては俺もよく分からない、さっきの浄化魔法も、魔力の流れも、体が勝手にそう教えているみたいなんだ。記憶がないんじゃどうなっているのかも知る余地もないのだがな...」
「そうでしたね...私はずっと《始まりの書》の研究をしていました。ですがこのようなことは一切記されておらず、今とても、信じられません...」
「信じられないのは分かっている。本についても違う魔力の流れが見えるんだ。だが今度は、エタアイの魔力と同じ流れであって、結界ともまた違う。つまり、せめて2人の力で今の王国が築き上げられている。」
「え!?エタアイと《始まりの書》が?!」
「うん。そして何よりも俺が理解できないのは。ここの国の言葉が分かると言うことだ。」
一同、沈黙してしまう。
「おい待て、そりゃお前、セスティ様から加護をもらっているんじゃないのか?」
「いや、彼女にはアハムに来いとしか言われいない。何度も自分の状態をチェックしたのだが、俺の体に外部から授けられた魔法も、仕掛けられた魔法も存在しない。つまり、俺は元からここの言葉が分かっていたんだ。」
「それってつまり...元々はこちらの世界に居たと言うことですか?」
「分からない...」
「少し待ってください、《始まりの書》を開きます。」
シファーは始まりの書を開いた。
伝承の章から、少し後へ。
ーーーーーーーーーーーー
勇者
聖剣を手にし、XXを倒すのだが、XXとXXによりXぼXれた
魔王
属性魔法の使い手。
火、水、木、雷、土の5つの魔法を使い、世界をXXた。
現在も外で世界そのものを侵蝕している。
侵蝕
溢れ出る魔王の魔力である。全てを飲み込む力を持っている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「(魔王だけやけに詳しいな....ますます何かが隠されている気が...)」
すると突然本が輝き、中からとある女性の姿が現れた。女神セスティだった。
「セ、セスティ様?!ど、どこからおいでになられたのでしょうか?」
「貴方たちの知りたい答えは、全てアハムにある。ユウマ、早く来て、時間がないの...」
すると、セスティの姿が消えた。
「せ、セスティ様が、本から?」
「...行こう、今考えたって時間が勿体無いだけだ。何故だかすごく嫌な予感がする。みんな、いいか?」
「おう・うん!」
「よし、行くぞ!」
俺たちはアハムへと向かった。
1500years ago
死にかけた魔王が玉座に座っていた。
「あとは..頼む...ユウマよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます