神に召喚されたのだが、全てがおかしすぎる件

いちごオレ

第1話 召喚されたのだが、全てがおかしい。

頭の中で女の声が響いてる。


女「目を醒めて、ゆうま」


男「...?誰だ?」


女「やっと目が覚めた。私はセスティ、俗に言う女神様よ。時間がないから、手短に話すわ。貴方に使命を与えます、アハムへ来なさい、あそこで待っているわ。」


男「せ..セスティ....?セスティ...」


女は微笑み、その後光へなり消えていった。俺は深い深淵に墜落した。涙を一雫流していた。


その後再び目が覚めた。


ユウマ「ここ..は?」


すると人間の女性が口を開いた。


女の声「め、目が覚めました!!国王様!!」


人間の老年の男性「そうかぁ!よく目を覚ましてくれた、勇者よ!其方、名は?」


ユウマ「勇者?えっ、名前ですか?ユウマです。....てかここってどこなんですか?それと...」


?「それとなんで、あんたがここにいるのか、だろ?その説明は私からするよ。」


脳天を貫くほどデカい声が聞こえてきた。声の主は屈強な女性だった。体格がとてもデカく、俺は少し驚いてしまった。王宮の柱とほぼ同じ高さだった。


ロゼリア「私はロゼリア、ここ、ガーベスト王国の騎士の騎士団長だ。趣味は剣の手入れだ。特にこの剣なのだが、3日3晩寝ず食わずに....」そう言ってロゼリアは自分の剣の自慢をし始めた。俺は頭を傾げて「コイツ馬鹿か?」と思ってしまった。


?「ロゼリアさん馬鹿なんですか!さっき自分から説明するって言ったじゃないですか!何自分の世界に浸っているんです?!」


怒鳴った声の主は体がか細い女性だった。その後少し咳をして


フィーン「コホン、初めまして、勇者さん。えーっと、名前は確か、ユウマさん、でしたっけ?私はフィーンと申します、この国の貴族です。まぁ俗に言うお嬢様ですね。残念な騎士団長は置いといて、私から説明させて頂きます。」


ロゼリア「あ、あぁ..失礼した。」


ユウマ「ええ、宜しくお願いします。」


ユウマ(これは一体...)


フィーン「私たちが今いるのはガーベスト王国という人の国です。全世界で唯一の国です。それで、そちらがこの国の国王、ジーン王でございます。」


フィーンが示したのは、先ほどの国王だった。


フィーン「そして、なぜユウマさんがここにいるのかというと。私が女神様、セティー様から啓示を受けまして、セスティ様によって召喚された勇者なのです。」


ユウマ「セスティ...夢を見たんです、セスティが俺を呼んでて、「アハムへ来い」って、何か知りませんか?それと、勇者って一体....?」


フィーン「え?セスティ様がですか?!「アハム」って...国外じゃないですか...あ、すみません、話題は外れちゃいました。貴方が呼ばれた理由は、この世界を救ってほしいんです!」


ユウマ「せ、世界?魔王が世界を滅ぼそうとでもしているんですか?」


ジーン王「そうなのじゃ。1500年前の伝承によると、この国の外の世界は魔王によって侵蝕されておる。そして今、その侵蝕が我が国にも迫っている。歴代の王達も何度か調査団を外へ送り調べさせようとしたことがあるのだが、厳重な結界が張られてなぁ...1500年試したが、《始まりの書》の言うとおり、どうやら勇者以外は外に出られないようなんじゃ。」


ユウマ「ちょっと待ってください!つまりこの1500年間、誰も外へ行ったことがないということですか?土地と食材、資源などはどうしているんです?限られている土地では資源も足りないはずなのでは?」


ジーン王「うん?何を言っているのじゃ?おおそうか、お主の世界にはないのか?《永久魔道具》(エターナルアイテム)が。」


ユウマ「...えたーなる、、あいてむ?」


ロゼリア「無尽蔵に全ての物を生産できる魔道具だよ。仕組みは分からんが、永久に魔力があり、永久に物を作れる魔道具さ。1人一個はあるぞ?あとでくれてやろうか?」


ユウマ「(なんだそれ怪しすぎる...)まぁ要するに、危機が迫っているから、調べて、さらに魔王を倒し欲しい言うことでしょうか?」


ジーン王「そうじゃ。」


ユウマ「ちなみに、アハムはどちらに?」


フィーン「こちらの地図を見てください。今我々がいる、ガーベスト王国。《始まりの書》によると、この世界で唯一侵蝕から守られている場所だと思われます。アハムはこの世界の最も西にある、祭壇です。伝承によると、そこに魔王が住み着いています。失礼ですが、セスティ様から別に何か聞かされてませんでしょうか?」


ユウマ「...実は俺、名前以外記憶がないんです。」


フィーン・ロゼリア・ジーン王「なんと?!」


ユウマ「まぁ..驚かれても無理はないですよね...でもそこに行ったら、記憶も戻る、気がするんです、何となくですけど...」


ジーン王「そうじゃな...元から国を出るんじゃし、では目的地を「アハム」にし、魔王の討伐を頼めるか?」


ユウマ「了解しました、任せてください。」


ジーン王「よし、じゃあまずスキル検定じゃな、フィーン、彼をドギルへ連れて行くが良い」


フィーン「はい!」


ユウマはフィーンに案内され王宮を出た。


フィーン「今からドギルへ案内しますね。街のみんなもきっと大歓迎します!」


ユウマ「ドギルってどこなんで...え?」


王宮を出た瞬間、言葉が詰まった。そこにはとんでもない光景が広がっていた。


談笑し合う国民達、様々な様式の建物、国民も笑顔で暮らしている。驚いているのそこだけではなく、空に膨大なバリアらしきものがあったのだーー


ユウマ「な、なんだあれぇぇー!!!」

思わず叫び出した。


フィーン「ど、どうしたんですか?」


ユウマ「あ!あれだよ!!空に広がってるあれ!な、なんなんですか...」


フィーン「え..どれですか?そんな物どこにも...えっ、も、もしかしてユウマさん!結界が見えるんですか?!」


ユウマ「け、結界?」


フィーン「この国には結界があると先ほど説明いたしましたね、恐らくそれです。ですが...一流の魔術師でも見えないのに...もしかすると、ユウマ様の魔術レベルがとてつもなく高いのでは?!早くドギルへ参りましょう!」


フィーンは俺を強く引っ張ってきた。


ユウマ「ちょ、ちょっと待って..!その前にドギルに行って何するんですか?スキル検定も一体なんなんですか?」


フィーンは足を止め、俺へと振り向いた。


フィーン「すみません、説明が疎かになっていました。スキル検定は、人が生まれながら持つ「才能」の検定です。この国のでは主に三つのスキルがあります。一つ、「アタック」、例えばロゼリアさんなどの騎士はそちらの才に長けています。二つ目は「サポート」私のように病気を治したり、怪我を治すことができます。三つ目「属性魔法」、こちらは私も見たことがないのですが、どうやら魔王が使ってた魔法らしいです。」


ユウマ「なるほど...戦争もないのに何故騎士が必要なんですか?」


フィーン「来る時に備えろと《始まりの書》に書かれていました。着きました、ドギルです。」


大きな建物にたどり着いた2人。看板には「ドギル」と書かれていた。ドギルと言っているが、ユウマは一瞬に「これギルドじゃん..」と反応してしまうような外観だった。


ドギルへ入り、魔水晶がカウンターに置かれていた。周りには人が談笑していた。とても賑やかな雰囲気だった。俺を見てみんな盛り上がり出した。


屈強な男性「おお、こちらがまさかかの勇者様ですか!」


か細い男性「世界が救われるってことか!?」


その他「おおおお!勇者様だ!!」



フィーン「皆んな大歓迎です!ではこちらに手をかざしてください。」


ユウマ「分かりました。」



すると水晶は輝きだし、光煌めいた。数秒後、光が消え、4文字が水晶に残った。


《属性魔法》


ユウマ「属性魔法、、、魔王と同じ魔法?(あれ...なんで俺ここの文字が読めるんだ..?)」


フィーン「これは!!さすが勇者様!かの魔王と同じ魔法が使えると言うことですね!!!」


ユウマ「え、いや、それ大丈夫なんですか..?」


フィーン「魔王と同じ力を持つことで、魔法に対抗する術を手に入れたと言うことです!!私の「サポート」があれば必ず勝てますよ!」


興奮したフィーンは耳を動かしながらそう言った。


ユウマ「...ああ、ありがとうございます...」


その他一同「おおおお!!!属性魔法!?最強じゃねえか!!勇者様サイキョー!!」


ユウマ「あはは..」


ドギルを去り、どこかで休憩しながら今後の策を立てることにした。勿論ながら、《最強勇者》の通り名はもう街中に知られている。まだ何もしないのに、なんなら、王都すら出ていないのに。


フィーンは小さな宝石を取り出し、こう言い放つ。

フィーン「椅子を二つ、テーブルを一つ、それとケーキを二つお願いしますわ。」


宝石が輝き、瞬時に二つの椅子とテーブル一つが現れた。


ユウマ「もしかしてこれが?」


フィーン「そうです。こちらが、《エターナルアイテム》です。」


ユウマ「タダで食べられるのか...待って、《エターナルアイテム》があるってことは..貨幣はないのですか?ひょっとすると、、、仕事も含めて?


フィーン「カヘイ、シゴト、、どれも《始まりの書》からしか見たことがない単語ですね。ユウマ様の世界にはございましたか?」


ユウマ「え...?あーいや..ごめんなさい記憶がなくて、ですが、何となくこれらは有ってもおかしくないと思ってしまいます。そう言えばその《始まりの書》って言うのはどこで見られますか」


フィーン「《始まりの書》ですか?あとでエターナルアイテムで生成させますよ。こちら別名エタアイです。覚えにくかったらそちらも使ってください。」


ユウマ「え?!生成できるんですか!?なんか伝承とか言ってたので聖書らしき物で凄く厳重に保存されたのかと思ってたんですが...てかそのネーミング...」


するとフィーンは「エタアイ」から一冊の分厚い本を出した。《始まりの書》である。


俺は本を手にし、開いた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


《始まりの書》


この本は君たちが幸せに生きるためのマニュアルだと思っても良い。


先に伝説から説明しよう。


1500年前、世界を滅ぼそうとする魔王の極魔法から自らを守るため、数百人の魔法使いたちが「神聖なる結界」を作った。この結界は魔王からの攻撃を守るためである。そして勇者以外あの人間は決して外へは出られない。


君たち人間を手伝うとても有用な魔道具も作られている。名前は「エターナルアイテム」。使い方はそちらの説明書に書いてある。


この世界には、人間の国ガーベスト王国、エルフの森、オークの平地、魔族の城、神の祭壇を含め20推理以上の生き物の拠点が記されている。


だがXXXにより世界は滅ぼ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《始まりの書》はここで途切れた。


ユウマ「それで、現在はガーベスト王国しかない...ということですか...」


フィーン「ええ..本に書かれてたそれ人間以外の生き物も見たことがなく、興味はあるのですが、少し残念です。特にエルフという種族に会ってみたかったです...何やら親近感が湧いて...特徴は確か....あら?少し思い出せませんね?」


俺は、ここであることに確信を持てた。この国には何かの魔法がかけられていると。


その後俺たちは再び王宮に戻った


ジーン王「勇者ユウマよ、そなたに魔王の討伐を頼む、できるか?」


ユウマ「はい、お任せくださいませ。」


ジーン王「宜しい、ロゼリア、貴方も行きなさい、ワシの護衛は大丈夫じゃ。」


ロゼリア「ですが!」


ジーン王「世界を救うためじゃ、ワシのわがまま、聞いて遅れ。頼む!」


そういうと、ジーン王は、深ーくロゼリアにおじきをした。


ロゼリアは涙を堪えて「了解しました!このロゼリア、必ず全員生きて帰るとお約束します!!」と、固い意志を口にした。


ジーン王「もう1人補充要員をお主らと同行させよう。入って良いぞ。」


すると、人間の小柄な女の子1人が入ってきた。


ジーン王「彼女はシファーじゃ。お主らのエターナルアイテムの補充を担当する要員じゃ。《始まりの書》の研究員でもある。治癒魔法も得意そうじゃから、フィーン、共に勇者を支えてやれ。」


シファー「どうも、よろしくです。」


そう言いぺこりとおじきをした。


フィーンも丁寧に挨拶を返した。


フィーン「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」




その後俺たちは王宮を後にし、城門の前へ来た。確かにデカい結界が張られている。先ほど町で見たデカいバリアのような物で間違いない。あれは結界だ。どうしたら良いのか、取り敢えず外へ出てみようとしたら、何と出られた。だがフィーンたちは閉じ込められたままだった、もっというと、普通に顔が結界にぶつかって、顔芸と言えるほどのものだ。


その時脳内にある呪文が出てきた。俺はその呪文を唱えた


ユウマ「XXXXXXXX」

すると、フィーン・ロゼリア・シファーも結界から出てきた。



フィーンは意気揚々と、冒険に出ようとはしゃいでたか、俺はここで聞かなくてはならなかった。



ユウマ「待ってください。大事な話があります。フィーン、ロゼリア。少し聞きたいことがあります。こう聞くのはおかしいのですが、貴方たちは、自分のことを人間だと思っていますか?」



フィーンとロゼリアは困惑な眼差しをし、俺を見た。無理もない。本当にそう思っているのだろう。


フィーン「それは勿論、人間ですよ!」


ロゼリア「何を言い出すかと思ったら、急にどうしたんだ?」


出来れば現実を突き付けたくなかったのだが、


ユウマ「お互い、自分とシファーの違いを口で説明していいですか?」


フィーン「え?どうしたんですか?急に?」


ユウマ「騙されたと思って、言ってください。」


フィーン「違いと言いますと、身長や顔..」


ユウマ「そういう違いじゃないんです。体の特徴の違いですよ。」


フィーン「でしたら...私の耳は尖っていて、身長も少々長く、羽があるということですかね...」


ロゼリア「私も、全体的に堅いがデカいのと、せが高いのと...力があること以外は、、特に..」



初めてロゼリアを見た時に驚いた。ただのガタイがデカいのではない、尋常じゃないデカさだったからだ。巨人族が人間の騎士団長をやっていたことにも驚きを隠せなかった。具体的な理由はわからないが、俺はとてつもない違和感を感じていた。



俺は息を大きく吸い、こう言った。


ユウマ「2人とも、俺の知っている《人間》ではない。街の人たちも《人間》以外の種族がいた。」


シファーも顔を暗くした。


ユウマ「あんたたちは、人間じゃない、エルフと、巨人なんだ———」


1500Years ago


ある男が1人、アハムで魔法を放った。その後、空から降ってきた光の魔法により、全てが消え去った。男も跡型なく消えてしまった。そこに残ったのは、「聖剣」だけだった。

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