第10話所詮決闘なんてエンタメです。

「さぁ、始まりました。快晴魔法学園恒例“魔闘試合”今回は平民女子の自作自演が疑われるなか王家、公爵家、辺境伯家を相手取って自分の正当性を主張するというとち狂った内容になっております!

実況は私、面白い以外は興味無し。バラティ・ジャーナル!解説は知識はもちろん俺に説明できないものはない。なんでも聞いて答えるぜ!でお馴染みの“トト・ワイズブレイン”でお送りします。」


「ハードルあげすぎだ!なにこの紹介!?」


「ほらインパクトって大事じゃん?それより時給払ってんだから仕事仕事♪まずはブレインさんはこの決闘どう見ます?」


「レアはお行儀よく真っ正面から切りかかった。けど決闘は訓練や練習とは違う。ユウキとの経験の差が出た感じだな恐らくだけどユウキは対人の訓練…いや喧嘩か?相当こなしてるんじゃないかな。かわしたあとすぐに攻撃に移れる技量も評価できると思う。“人”以外との戦いもやってるとみたほうがいいんじゃないか」


「だって、みんなわかった?」


「おい💢」


「手元の資料によるとユウキくん?は魔法とか武器の扱いとかあんまり上手くないって書いてあるけど?

対するレアくんは勇者様のご子息で火属性と聖属性に特化した魔法騎士タイプみたいだね。陛下からも期待されてるみたい。

ちなみに皇太子殿下はユウキくん推しだよ。」


「戦いはそれだけで決まらないだろ?武器が使えなきゃ拳や脚がある。魔法も当たらなければ意味がない。レアは確かに剣や魔法に秀でているかもしれないがまだ発展途上だ。如実に“驕り”が出た。だけだ。それに…あの辺境出身だとすると魔物の狩猟、討伐の経験もあるだろうしこりゃ結果は見えたかな?

後推し情報要らない。」


★☆⭐★☆⭐★☆⭐★☆⭐★☆⭐★☆⭐★☆⭐


「げほっ、がはっ…」


「生焼け君?大丈夫…?いやね避けると思ったんだけどさ…まさかここまできれいに決まるとか思わないじゃん。」


腹を押さえてうずくまる生焼け君もといレア君。演技かもしれないし少しはなれてこえをかける

刃物恐いしね

「くっ、卑怯な私の剣がそんなに恐ろしいか」


「当たり前じゃん。何で好き好んで怪我しなくちゃなんないの?どんだけ親切な相手と戦ってきたん?」


何を当然のように聞いてくんだこいつは…あまりの物言いに呆気にとられポカンとしてしまう。

何人かの生徒が吹き出したのは内緒だ(笑)


「うるさい、うるさいぃいぃぃぃっ

僕は勇者の息子だぞ?強いんだ敬われなくちゃいけないんだ。」


打たれ弱すぎじゃない?紳士的(?)だったのは最初の数秒。俺は攻撃をかわしつつバイト(ゲストハウスの手伝い)で教わった技をかけまくった。これが面白いくらい決まるんだ

キレて出鱈目に剣を振ってくる生焼け君。ブォンブォンと普通に危ない…刃が潰してあったり木剣だったりしてもだ。

俺は剣を横にかわしてそのままに後ろに回りこんで膝カックンからキャメルクラッチ。あんまりやりすぎると背骨痛めるからすぐ外したけどね

んでアイアンクロウ…言い方格好よくしたけどフラフラと立ち上がったところに後ろから股下を‥‥生焼け君の生焼け君をガッッとね。


「癇癪起こすのは勝手だけどさ、それをまともに聞いてあげるかどうかは受け手次第だよね。」


うずくまるの二回目(笑)なんか観客の半数が内股になってるけどとりあえず進めるな。

生焼け君からまた距離をとって俺は話続ける。


「本気で来いよ。」


負けるにしても勝つにしてもお互い本気でやらないとあとで何かしら残るからな。煽りすぎた自覚あるし…

立ち上がってレア君が整うのを待ってから


「喧嘩しようぜ」


レア君に改めて”戦い”を申し込んだ





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