川へ行こう!
「いやぁ~、本当に二人とも仲が良いね。狭いベットにあんなに抱き合って眠ってるなんて。」
「クレーが私のベットを独占したからこうなったんでしょ。」
昨日の残りのパンにジャム、野菜や卵が並ぶ食卓に昨日泊まったクレーと少し窮屈なベットで寝て体が痛むオリヴィア。
寝ぐせで乱れた髪を母親に梳いてもらいながら、眠そうに目を虚ろとし黙々とパンを食べるユウリの3人は朝食を取りながら談笑する。
「そう言えば……お父さんは?」
いつもなら誰よりも早く新聞を読んだりして朝の時間を優雅に過ごしてる父親の姿がなく違和感を覚えたオリヴィアは母親に尋ねてみる。
「あー、ポルドは朝早くから作業室に篭って仕事をしているわ。…なんでも色々と作るものがあるそうよ。」
「そうなんだ。」
「でも、朝食は食べるって言ってたからもう時期来ると思うけわよ。」
噂をすれば影。
みんなが集まる食卓に仕事が一区切りついたポルドが廊下から現れ、みんなに朝の挨拶をする。
朝から仕事をした影響か少し疲れた様に感じ取れた。
「おはよう、みんな。」
「「おはよう」」
ポルドの『おはよう』の挨拶に対してクレーとオリヴィアは元気に返事を返した。
がユウリだけは父親の挨拶に気づいてないようでモシャモシャとパンを食べ続けていた。
ポルドはそんなユウリを見て、ゆっくりと近づき、ルィーダが櫛で梳かして綺麗にしてくれた頭を優しく撫でる。
眠そうな目のまま優里は父親の顔を見つめる。
少し時間が経つとようやくユウリは父親の存在に気がついたら。
余程眠いのか脳の働きが著しく低下していた。
「わぁ〜、とぉとだぁ。」
「おはよう、相変わらず眠そうだな。」
「にへへ、おはよ…はわ〜あ」
朝の挨拶が終わるより早く大きなあくびが出てします。
そんな状況を見ていたオリヴィアとクレーは何やら秘密裏に会話をする。
「……ユウリちゃんって、朝弱いね。」
「しょうがないよ、まだ赤ちゃんだもん。」
「赤ちゃんって……もう3歳でしょ?」
「私にとってはまだ赤ちゃんなの。」
「なんじゃそりゃ。」
◆◇◆◇◆◇
食事を済ませた子供達は本日遊ぶ計画を練っていた。
ユウリもようやく目が覚めた様子でいつも通りの元気な姿になっていた。
「ユウリ今日はどんな食材を取りに行こうか?」
「う〜ん……実は何も考えてないだよ。」
ユウリにこれから何をしたいか尋ねてみたが帰ってきたら返事は未定であった。
「今作ってみたい調味料は全部時間がかかるからこれと言ってしたい事はないんだよ。……でも、大豆は欲しいから取りに行こう。」
オリヴィアはただ大豆をを収穫して帰っても面白くないと思い、近くに川がある事を思い出した。
今日も暑いのでついでに川で水浴びをする事を提案してみた。
「わかったわ。じゃあ今日はついでに川に遊びに行こうか?」
「うん!…行く行く。」
「クレーもそれでいい?」
「うんいいわよ。でも今日はお昼過ぎからお母さんのお店を手伝うからそれまでになるけど。」
「そうか、わかったじゃあお昼まで遊ぼうか。」
子供達は今日の計画を練り、外へと遊びに出かけた。
クレーの用事もあるのでユウリ達は母親にお昼に帰るといい出掛け、ユウリはこっそりお昼に食べたいメニューを伝えて姉達の背中を追いかけた。
「あはは、ねぇね〜。はやくはやくぅ〜」
「コラ!ユウリ街中を走り回らない!人にぶつかるでしょ。」
「大丈夫だ……ふぎゅ。」
久々の川遊びでユウリはいつも通りテンションが爆上がり。
姉の忠告も聞かずに街中を走り回っていると姉の忠告通りに1人の女性とぶつかってしまう。
彼女は全身をローブに包んでいたがシルエットで女性だと分かる程に魅力的な体型をしていた。
後ろにはもう1人、普通の騎士団員より少し豪華な身なりをした鎧姿の男が立っていた。
「あら……お嬢ちゃん大丈夫?」
「へにゃ…うん。」
大人と子供。
女性の方は全く外相や怪我は無かったが優里の方は顔を思いっきりぶつけた様で鼻のあたりは少し赤く腫れていた。
それほど痛くは無いが気になる様です鼻を両手で覆っていた。
「あぁ!…言わない事ない。すみません、妹が。」
オリヴィアはすぐに事故現場に駆けつけ被害者の女性に謝罪をした。
一方加害者側のユウリは人見知りを発動したのか近づいてきた姉の後ろにすかさず隠れる。
「こら、ユウリ!……隠れてないでちゃんと謝りなさい。」
「………ご、ごめぇんなぁさぃ」
姉の後ろからちょこっと顔を覗かせて
所々かぼそく消えのそうな正しく、風前の灯の様な人見知り全開の声で謝罪をした。
「もぅ〜、ユウリは。……すいませんこの子人見知りで後で良く言い聞かせます。」
「いえ、私は気にしてないから大丈夫よ。……それよりその子少し怪我してるけど大丈夫かしら?」
「えぇ‼︎ウソ⁉︎」
オリヴィアは迅速にユウリの怪我を確認する。
幸いにも軽い怪我の様子で胸を撫で下ろした。
「良かった。これぐらいなら大丈夫そうね。」
「……もし、良かったらその子の怪我を治しましょうか?」
「えぇ、でもぶつかったのはこちらですし流石に悪いで……」
「いいのよ減るものじゃないから。」
女性はゆっくりとユウリの方へと近づくと人見知りで怯えるユウリの顔を軽く手で添えて『大丈夫よ…』と一声。
そのあまりにも優しい風鈴の音色の様な声にユウリも安堵したように体を委ねた。
「聖級魔法:ヒール」
ユウリは魔法の力で怪我があっという間に治った。
大した怪我ではなかったがそれでもあの怪我を一瞬で直してしまいオリヴィアとクレーは驚きを隠せないでいた。
さらに2人が驚いた理由にはもう一つあった。
「ヒールだぁ〜。はじめて見た。」
この世界には【低級→中級→高級→特級→聖級→精霊級】と魔法のレベルがあり上に行けば行く程に扱うには才能と適正がいる物であった。
例えば
低級なら才能と適正がある物が20分で得とくできる。
中級なら才能と適正があるものが2日で会得できる。
高級なら才能と適性があるものが3ヶ月で習得できる。
特急なら才能と適性があるものが5年で会得できる。
聖級なら才能と適性があるものだけでのが35年で習得できる
精霊級なら才能と適切ながあるものが生涯の時間をかけて会得できる
と言われてるそんなすごい魔法を使った女性に2人は釘付けになると同時に只者ではないと警戒しはじめた。
「はい。…可愛い顔に戻ったわよ。」
「ありがとう。」
「今度はしっかりお姉さんの言う事を聞いていい子でね……それではまた後ほど会いましょう。」
そう言うと女性と後ろに着いていた騎士団がゆっくりと街の奥に姿を消した。
オリヴィアは女性が放った『後ほど会いましょう』のまるですぐにまた自分に会えるような言い方で去ったのを不審に思いながらも川へと向かった。
「おい、まさかあのガキが。」
「えぇ!予想以上に可愛いかったわね。それにお姉ちゃんの方はルィーダにそっくりだったわね。」
「そうだな。…アイツ顔だけはいいからな。」
先ほどに2人はなんとも意味深な会話していた事はユウリたちは知らずにいた。
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