「おばちゃん飴ちゃんやるわ」 こころの雨。/こよい はるか=^_^=猫部

 こよいさんは何と中学一年生だそうです。仄聞(そくぶん。うすうす聞くこと。)するに、小学校四年から小説を書かれているとのこと。おばちゃんが小説と呼べるものを書き始めたのが27歳くらいでしたから、とんでもない若さでのスタートになりますね。うらやましい限りです。


 感想ですが、とても良く書けていると思います。まさに今どきのweb小説(おばちゃんの時代は携帯小説なんて呼んでました)ですね。きちんと最初から最後まで書いており、文章にはちゃんと調べて書いた跡もあります。中学一年生としてはここまで書ければ十分すぎるのではないでしょうか。少なくとも、おばちゃんが中学一年生のときには絶対書けませんでしたよ。


 さて、アドバイスなのですが、実はおばちゃん、こよいさんにどうアドバイスをしようか非常に迷ってました。というのも、下手に今のスタイルを崩すようなことを言っても良くないですし、かといって些末(さまつ。全く重要でない、ごく小さなこと。ささい。)な知識や技法を教えてあげたとしても、ただ小賢しくなるだけで、こよいさんの成長の邪魔にしかならないと思ったからです。

 

 ということで、本作の内容には手を入れないことにしました。そうしていいと思った一番の理由はミクロである一文がしっかりと書けているからです。しっかりどころかうっかりすると高校生よりもちゃんと書けているくらいで、おそらく勉強ができる人なのでしょう。自習自得で学んでいけることが多いと思います。ですので、今は自分が書きたいように、たくさんの小説を書いてみてください。自分でテーマを決めて書いてみる。こよいさんにはそれができると思います。


 これで終わってはつまらないので、老婆心(ろうばしん。親切すぎて、不必要なまでに世話を焼きたがる気持。必要以上の親切心。)ながら、こよいさんには少しだけ背伸びをしてもらって、おばちゃんの余計な小言でも聞いてもらいましょうか。

 

 誤解を恐れずに言えば、アドバイスがないということは、成長できるところがないということです。もちろん、今のこよいさんはそれでいいどころか、むしろ今のままで書き続けるべきなのですが、この先数年も同じように書いているのであれば、それはそれで問題になります。人は苦悩と脱皮を繰り返して成長していくものです。

 おそらく、こよいさんが苦悩にぶつかるには少なくともあと三年はかかると思います。それくらいになって「わたしはこのままの小説を書いていていていいんだろうか?」という疑問が湧いてきたら、そこではじめてアドバイスが意味をなしてくると思います。ですので、今はそうなることを信じて、存分に書きまくればよいと思います。何も問題ありません。そういう時期であることはとても良い事なのですから。


 更なる老婆心を重ねますと、こよいさんの近況ノートに「勢いで書いた」「締め切りまでに推敲する」という文言がありました。謙遜から出た言葉ではあると思いますが、これらがどういうことになるかをを考えてみてほしいと思います。

 その理由は二つあります。ひとつは提出した先の相手はbotではなく人間であることです。わたしたち審査員は趣味でやっているとはいえ、仕事家事育児の中から時間を見つけて対応させていただいております。それに対する礼儀としてどうかと考えてみてほしいのです。また他の参加者のほとんどは本当に一生懸命書いてから推敲して参加している方もいます。そういう方から見て美しい行動であるか、思いを馳せてみればわかるかと思います。さらに言えば、推敲によって途中から内容が変わってしまいますと、それまで下読みしていたわたしたちは再度読まなければなりません。相手に対する配慮やマナーをこれから学んでいくと、人間としても作家としても、より成長できるのではないかと思います。

 二つ目は創作態度を疑われてしまうからです。読者もまた人間です。もしおばちゃんが「適当に書きました! これから直しますけど読んでください!」と言ったら、読者はどんな気持ちになるでしょうか。また賞レースというは自分のカクヨムで自作の発表をするのとは違い、常に相手がおります。せっかく小説を書くのですから、読者には完成したものを提供するようになってほしいと思います。これこそ、こころざしの話ですね。

 なにやら説教くさくなりましたが、今の時点では「そうなんだ」と思っていただけれるだけで十分です。


これからも楽しく小説を書くこと!


 これがおばちゃんからの一番のアドバイスなりますので、どうか楽しんで書き続けてくださいませ。






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