第4話
そんなこともあり結局、学校が終わったら仲の良い友達と遊ぶこともなく、ライブハウスに行くことが日課になっていた。
今日ももちろんライブハウスに足を運ぶつもりだ。
もちろん仲の良い友人はいる。
大事なことなのでもう一度言う。仲の良い友人はいる。決してぼっちではない。
しかし部活動で忙しい友人を誘うことなんて、僕にはできなかった。
世の中は不平等だな、そう感じながら僕は時計を確認する。
この授業が終わったらすぐに教室を出られるように、今のうちに準備しておこう。
まだ授業中ではあるが、静かに机の中へ教科書類を仕舞う。机の中に教科書を置いていくと担任に怒られるが……。
それでも、ライブハウスに行くのに教科書類を持って行ってしまうと、荷物が多くなってしまい、どうしても邪魔になってしまう。苦渋の決断というやつだ。
本来、持ち帰るかロッカーに仕舞うのみ許可されているが、ロッカーに仕舞いに行く時間なんてない。
いちいち鍵を開け、教科書類を仕舞い、そして鍵を閉める。何気にそれが面倒で、何より時間がない。
最初から見る為に、どうしても授業が終了した瞬間に出る必要があるのだ。
少々、担任に申し訳ない気持ちはある、と思う。
常習犯は長時間の説教が待っていると聞いたことがある。しかし、自分で言うのもなんだが僕は頭が良い方だ。成績も上位を維持していて、先生からもそれなりに信頼されている。
こんな僕に時間を割くくらいなら、きっと他の連中を相手にするだろう。
いつも通り教科書類を仕舞い、早めに仕舞った僕に気付いた先生が僕を睨みつけてきた気がしたが、少し遅れて待ちに待った授業終了を告げるチャイムが鳴った。
クラスの委員長が終了の号令をしたので、僕は鞄を手に取り素早く教室を後にする。
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