文字と文明

日本古来の文字と言えば仮名文字。

仮名文字は元来、中国から伝来した漢字から成るもの。平仮名、片仮名を用い女性や子供でも読み書きし易いよう、発音を文字へ変換した。


この発音は中国漢字、所謂いわゆる、旧漢字であり、多少の違いはあるが音を中心に用いているもので間違いないだろう。


では何を漢字へ変換したのか。

漢字のみで発音の難しいもの、破裂音や濁音も含め旧漢字のみでは著しがたい読みを記した。


更に驚くべきは、日本の文字文化の発展が非常に遅いということだ。

古代文明にあるよう文字の原型になる神殿石盤や碑文、パピルス、巻物、羊皮紙など他国では様々な文書が何千年も昔に使用され、遺跡から発掘されている。


平安以降の文書は多く見られるが、奈良時代に『古事記伝』及び『日本書紀』から『万葉集』や『風土記』に至るまで、歴史と文化に関する書物は此以前に発見されることはない。


説明するまでもないことだが、

奈良時代は710年以降の平城京から始まる。

加えて文学史に名を連ねる作品が登場するのは800年以降、つまり平安京が安定した藤原氏栄華の時代となる。


どのように考察しても、紀元前から文明と文字を使用している他国の文化に劣ると感じられて仕方がない。欺瞞は深まるばかりだ。


日本独自の文明は本当に存在するのだろうか。

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