冷えと不甲斐な神話学
深掘りすれば身に危険が及ぶ。
そんな安直な思考を一般職の私がどうしてしただろうか。否、辺鄙な田舎町に住み続けている第一の理由が其だったのかもしれない。
論は時に凶器。
そして、研究熱心な作家の偏愛と狂気によって成立する無二の代物。
事実は時に残酷だ。
アメノミナカヌシ=天御中主という解釈。
加えて、宇宙の外枠に巨大な大気の空間。
其所を天津国と名付け、地球という国造りまで日本神話に含まれている。
是等の仮定によりビッグ・バンの説明が着く。
宇宙が誕生する際に発生したとされる
天津国はアメノミナカヌシが存在する世界。
闇=宇宙と解釈せざる終えない。
そして神々は不老不死、若しくは長命だ。
宇宙が悠に百億年を越える産物ならば、此の惑星、地球が四十六億年の時を漂っている事実も頷ける。
更に私は偏狭的思考で神話学を提唱する。
私は此の見解を数説用意した。
先ず第一に、親しい男神と女神であり共通の名が用いられている。イザナギ、イザナミ。
漢字に直せば伊が二神の名字と受け取れる。
ナギという男神とナミという女神の夫婦。
そして、名前の共通点から二神は男女の双子であった可能性も否定することは出来ない。
あくまで仮定に過ぎないが。
第二に、この夫婦を二神ではなく雌雄同体として誕生した一神と捉えてみる。
すると、産み落とした神々が剰りにも数多く幅広い分野に精通していることから、政治の面で指揮を執り一国の元首に就いていたとされる。
これは夫婦神でも言えることだが、産み落とした神々は子孫ではなく政治上の配属、つまりイザナギとイザナミが天皇と皇后の役割を充分に務めていたことが見受けられ、国造りの神であると説明が付く。
注目すべきは、この二神が夫婦として初めて産み落とした神、蛭子である。
三歳を過ぎても立ち上がれず捨てられた蛭子は四肢障害を持って産まれたとされ、国生み最初の島である淡路島の化身として異名を持つ。
しかし、蛭子の存在は極めて異質。
イザナギ、イザナミ夫婦神から産まれた神において肉体の不全は稀である。其処で前述したイザナギ、イザナミ夫婦神双子説を有力にした。天津国の神々における血統の中で、最初の子が四肢障害を持っている。
つまり、極めて血の近い夫婦であったと考えられるため双子説や兄妹説を拭い切れずにいる。
加えて蛭子には天照大神の別名、オオヒルメノミコト(大日る尊)、又は日る(昼)子として男の太陽神に該当するとされ、捨てられたにしては非常に位が高い。未だに謎多き神でありながら日本神話において重要な鍵となる存在であることに間違いなく、現代における蛭子研究の意味を問い正したい。
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