君はそうするだろう ケイト

「…軽くないじゃん…!」

「どんな気持ちで聞けばいいんだよ…!」

「重い!」

「…それはすまん。」


 いや本当に重かった…。そんな理由で僕のところに来たの?いや重い…。二郎系ラーメンと張り合える重さだって…。


「…とりあえず、俺じゃねぇんだ。たぶんレキだな。」

「…なんか…ごめん…。」

「…ほんとそうだぜ!なんであんな鋭いんだよ〜!」

「それは癖で…!」


 ガクが空元気を見せつける。無理やりいつもの空気を作ろうとしている。そんなときだ。


「「…あ。」」


 僕とコウが声を漏らす。ザラザラとした、気持ち悪い感触。遠くの方で、誰か暴走した。すかさずガクとメイもそのことに気づく。


「遠い!」

「意外に中央3番は広いからな〜。」

「車使います?」

「あ、コウの運転希望でー。」


 時間外労働だのブラックだの言いながら、みんなテキパキ用意する。あっという間に車は発進した。


「なんか速くないか?」

「急いでるから。」

「地味に怖いんだけど!」

「きゃー!たのしいー!」

「あ、次曲がりまーす。」

「うわっ!」

「お前くっつくなって!」

「…赤信号。」

「ぐえっ。」

「飛んだ!今ちょっと飛んだ!」


 そんなムードだが、みんな見えてきた建物にため息をついた。


「なにあれ!」

「なんであんな高い建物にするかな〜…。」

「めんどくさいですね。」

「あーでも、新しくできたホテルに入れると思えば楽しいもんじゃねえか。」


 最近中央3番は観光地としても人気になってきた。それゆえに、新しいホテルが続々と建てられている。って言ってもあれはデカすぎる…。軽く絶望しながら、銃に弾を込めた。


「…結構上の方じゃない?」

「何階まであるんでしょうねー。」


 車を停めて、入り口へ向かう。


「パーティーへのご参加ですか?」

「…こういう者なんですけど。」


 そう言って僕は警察手帳のようなものを見せた。


「あれは、支部代表だけが持ってんだ。あれさえ見せれば大体どこでも行けるぞ〜。」

「うちはあんなのなかった。」

「最近、中央地域に試験的に導入されたからな。」


 すぐにエレベーターへ案内される。パーティーがあるのは最上階の30階だ。

 …だが突然、エレベーターは16階で止まってしまった。


「ん?どうした?」

「…誰かがエレベーターのスイッチを切ったんだ。」

「計画的だね。それじゃあ…。」

「あ、俺やりますよ。弾損です。」

「コウいけー。やれー。」

「…よっ。」


 ガシャン!

 ガシャン!


「…エレベーターの扉を蹴ってこじ開けるやつがいるかよ〜。」


 中には誰もいない。すぐに階段を登り始めた。メイも身長を伸ばして走る。


「疲れないの?」

「アイス食べたし、あとで食べれば大丈夫だよっ!」


 そして迎えた20階。銃を持ったやつが複数人階段近くに溜まっていた。


「行ってくるね。」


 僕が軽く飛び出して、まず1人仕留める。そしてあっという間に制圧した。でも大丈夫。致命傷は避けている。

 さあ、次の階へ。

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