3-4.宝物庫
王様、騎士団長、父を置いて
私達は会議室を後にした。
今はレオンに先導されて宝物庫に向かっている。
王宮内で暴れた私達が歩き回っていて良いのだろうか
騎士団ですら捕らえられなかったのだから仕方あるまい。
なんて、王様は笑ってたけど。
レオンも先程の話は殆ど知らされていなかったそうだ。
私との婚約解消は改めて悪いことしたねと謝ってくる。
レオンにはなんの責任も無いのに。
本当に良い男だ。
前世の記憶なんて無ければきっと惚れていた事だろう。
セーナさん痛いです。つねらないでください。
勝手に人の感情読んで嫉妬しないでください。
宝物庫に到着し、宝探しを始める。
今回はいつかのようなガラクタ漁りじゃない。本当の宝探しだ!
あ!これレオンの最強装備!
レオン救出イベントで手に入るやつ!
レオンに魔王討伐の時にこれ使ったら?というと、王様に打診しておくよと。
いろいろな魔道具に目移りしていると、
一際目立つ場違いなものを見つける。
「これにします!!」
それは先端がハート型の宝石になっているピンクの杖だった。
可愛らしいものが気に入ったんだねなんてレオンは笑っているけど、
当然そんな理由ではない。
まさか、「魔法少女の杖」がこんなところにあるなんて!!
これさえあれば、魔王討伐もぐっと楽になる。
先の騎士団長との戦いで力不足を痛感したばかりで、
本当に嬉しい誤算だ。
快癒の指輪といい、今回の事件といい、強硬派様々だね!
流石にそんな事は口にできないけど。
ホクホク顔で宝物庫を後にして、早速試し打ちに向かうのだった。
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さらに数ヶ月がたった。
対魔王戦の準備も大詰めだ。
今は私もセーナの逆ハーチームに加わり
魔王戦に向けた連携を強化していく。
ゲームと違っていきなり参加してもなかなか上手くはいかない。
こういう事は積み重ねが重要だ。
やはり、火力の主体は私とセーナだ。
連携の訓練だけでなく、
私か、私とセーナが魔王役をやって模擬戦も行う。
王子たちだけならどれだけ耐えられるか、
セーナが加わるならどれだけ有効打を与えられるのかを研究していく。
セーナさんまた前に出ましたね!いい加減にしろや脳筋!
あんたは後ろで砲台になりなさいっていつも言ってるでしょうが!
普段はクール美人なのに、なんでこの子はもう・・・
いっそ刀を取り上げてやろうかしら。
私と一対一で戦う時は魔法戦に専念できるのに、
王子達近接組が加わると触発されてしまうらしい。
明らかに格上の騎士団長にも斬り掛かってたし、
なんかもうそういう性分なのだろう。
魔王が剣技に目覚めていないことを祈ろう
ともかく、十分な装備とレベルはあるのだ。
あとは現実になったことで魔王がどんな動きをしてくるかだけが心配だ。
ゲームでの技の情報から推測は立てているが、
本来リリィが使えない火、水、土の魔法を私が使えている以上、
全く予想外の戦闘能力を持っている可能性もある。
心配しだすときりがない。
それでも決戦の時は刻一刻と迫っていくのだった。
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