2-14.仲直り

いつまでもセーナに縋り付いて泣いている私を見かねて、

レオンが保健室に運んでくれた。



戦っている最中にいつの間にか人が集まっていたようだ。


思い返すとかなり恥ずかしいことを大勢の前で叫んでしまった気がする・・・



私とセーナの戦いは、学院中の人間が目撃することになり、

私達の力は知れ渡ることになるのだった。


早くも私を見て堕天使って噂してる人たちまでいる始末。

自分でも思ってたけど、広まっちゃうのそれ!?


天使扱いされてたのに必殺技が闇魔法だしまあ・・・




結局、セーナは目を覚まさなかったので、

そのまま屋敷に連れ帰った。





「帰ったか」


父は何も言わずセーナも迎えいれてくれた。


セーナをベットに寝かせ、父の元に向かう。


「セーナをまた家に置いてください」

父に頭を下げて頼み込むと、

セーナから一時的に屋敷を離れることは相談されていたから問題ないとのたまった。



一時的?

「帰って来るつもりだって知ってたの!?」

人生で初めて父にブチギレた私は、

珍しく味方に回ってくれた母と共に父を責め立てるのだった。






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「リリィ?寝てるの?」


セーナが目を覚ますとアランシアの屋敷だった。

ベットに突っ伏して眠るリリィの頬をつつく。

かわいい寝顔。



わたしの目が覚めるのを待ってたら眠ってしまったのかな?


リリィの闇魔法を思い出す。


どんな魔法を放とうとも全て吸収され、自分自信も強力な引力でその場から離れられなくなった。

なんとか障壁で止めても段々と飲み込まれていく光景は今思い出しても震えが湧いてくる。


魔王もやはりあんな攻撃をしてくるのだろうか。


リリィはよくわたしの魔法を見てインチキだって騒いでるけど、

あれの方がよっぽどじゃない。



今回は運良く耐えられたけど、次は無理だろう。

わたしもリリィの事を信じていなかったのだ。

人に散々あたっておいて情けなくてたまらなくなる。



「大好きよ。リリィ」



寝ているリリィの頬に顔を近づけて、再び眠りについた。






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「それで?」

「敗者の申開きを聞こうじゃない」



いまだ起き上がれないセーナはベットに寝たまま、上半身を起こしていた。

その眼の前にはベットの上に腕を組んで仁王立ちするリリィ。


「はしたないわよ。リリィ」



「言っておくけどわたしはまだ怒ってるんだからね!

洗いざらい吐くまで許さないわよ!」


「もう二度と離れないように全部気持ちを話しておきなさい」


離れないようにのあたりで何故か涙声になるリリィ。

セーナがいなくなったことがトラウマになっているようだった。




「大体のことは決闘中に言っちゃったと思うけど。

そうね。まだ言ってないとしたら、二つあるわね。」


「まずは、ごめんなさいリリィ。あなたに散々あたってしまったけど、わたしこそリリィの事を信じられていなかった。」

「もう二度と裏切らないと誓うわ」


「もう一つは、愛しているわリリィ」



セーナの発言に途中まで嬉しそうに頷いていたリリィは最後の言葉に固まる。


「えーと?」



「添い遂げたいという意味の愛しているよ」


戸惑っているリリィを見て、セーナは念を押す。


「だからわたしは何でもリリィの一番でなければ気がすまないの。

リリィに一番信用されたいし、リリィに一番好きでいてもらいたい。」


「もう遠慮なんてしないわよ。だってわたしはリリィのものだし」



かなりの時間をかけて、セーナの言葉を咀嚼したリリィは真っ赤になって逃げ出した。



「ふふ。かわいい。リリィ」

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