2-12.ソロプレイ

その後、私は屋敷にも戻らず何ヶ月もダンジョンに籠もった。



意外とサバイバルも出来るもんだな。

殆どセーナが調べて教えてくれたことを思い出しながらだけど。

私は一人になってもセーナに頼り切りだ。


こんなにされちゃったら、もうずっと側にいてもらわなければ困る。



そろそろ臭うな・・女の子らしさが失われていく・・・

とっくに魔法少女の服以外の服は擦り切れて使い物にならなくなった。



あるダンジョンを攻略中に、遂に魔法少女シリーズの靴も見つけた。

ピンクで丸っこくて羽が生えている。

16歳にもなってこれはキツイ(ダンジョンにいる間に誕生日を迎えてた)



靴の力は飛行能力の付与だ。

ぶっちゃけ私には必要ない。

けど、杖さえ手に入れられれば、この装備の真価を発揮できる。



それに、服と同じく傷ついても勝手に直るし。

元の靴は損傷が酷く履けなくなって捨ててしまった。



そろそろ切り上げ時かもしれない。


最後に行こうと思っていたダンジョンに向かう。



もう、この格好で飛んでても何も思わないな。

ダメかも知れない。


いろいろ落ち着いたら文化的な生活を取り戻そう。




そして、最後に行こうと考えていた、

以前セーナと一緒に来て逃げ帰った洞窟に辿り着いた。



今度は一人で洞窟を進んでいく。

探知は使えないけど、レベルの上がった私の五感は大きく向上していた。


順調に進んでいき、再び開けた空間に出た。


大蛇は変わらず水場の側に居座っていた。




「お前のせいで!!」


正直八つ当たりだとは思うけど、こいつと出会ってからセーナの態度が大きく変わったのだ。

大蛇が動き出す前に最大威力の闇魔法を叩き込む。


あんなに絶望的だった大蛇は、あっさりと頭を消滅させて倒れ込んだ。


少しスッキリしながら、先に進み魔力増幅の指輪を手に入れた。








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洞窟を出て、屋敷に帰ると、母が卒倒した。

そういえば魔法少女服のままでしたね・・・・



数ヶ月引きこもり、数ヶ月家を出て、

久しぶりに帰ってきた娘が見たこともない露出で現れた母の心境やいかに・・・

ごめんて、ほんと




「あまり、母さんを心配させるな。」


頬をヒクヒクさせながら母を抱えた父が言う。

今回はギリギリ飲み込んでくれたようだ。

本当にすみません!




その後は、久々にメイドさん達に丸洗いされ、

服装を整えて食事を貪った。


久々の人間の食事だ!



ベットに横になると一瞬で意識が落ちていった。







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翌日、昼近くになって起きた私は制服に着替え学院に向かう。

親友を取り戻そうって日なのに寝坊とはしまらないな~


そういえば、私って今も学院生なんだろうか

退学になってたら叩き出されるかも?父に確認しておくべきだった。

まあ良いか。

今の私を止められるものなどいない!


いや、本当に物理的にも止められないと思うよ?



強くなって自信満々になっていた。

私って単純だな~

ちょっと前まで引きこもってたのに。




いつかの様に、セーナの居場所を聞くと今は授業に出ているのでは?とのことだった。

王子達も一緒なら、あのわけわからん過密スケジュールなわけないか。





授業が終わるのを教室の前で待っていると、

途中でセーナが出てきた。

授業中まで探知魔法使ってるの?



「授業は良いの?」



「再開の第一声がそれとは思わなかったわ」




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