1267 真冬の怪談みたいなもの

 崇秀の家にある眞子の部屋にお泊りする事に成った奈緒さん。

そして奈緒さんが泊まる事にはしゃぎ過ぎた眞子は、部屋に入る前に色々しくじりながらも、漸く部屋に招き入れるのだが……(笑)


***


「お邪魔しま~~す。……って!!うわ~~~っ!!なにこれ?なんで、こんなに可愛いモノだらけなの?」


やっぱ、そうなりますよね。

ブッチャケ、これ程、女の子っぽい部屋を再現されてる部屋なんて早々にないでしょうし。

私の部屋が、こんな風に成ってるとは思いも寄らなかったでしょうし。



「あの……すみません。恥ずかしながら、これも衝動買いの産物ですね」

「そっ、そうなんだ。……でも、眞子って、そんなに可愛いモノが好きだったっけ?」


……って、言いながら。

奈緒ネェは、私に奇異な目を向ける事無く。

上着を脱ぎながら、部屋の真ん中にあるコタツに入ってくれるんだけど。


そうなんですよね……実は私、可愛いモノは、昔から好きだったりするんですよ。

実際、この可愛い物だらけの部屋の居心地も、凄く良いと思っちゃってますし。


でもですね。

そんな心境とは裏腹に、真琴ちゃんの姿で、そう言う可愛いグッズを買うと、ただ只管に不気味だから買わなかっただけなんですよね。



「あぁ、はい。恥ずかしながら、実は、結構、こういうのも好きだったりします」

「そうなんだ。……でも、それって」

「あぁ、はい、そうなんですよ。実は、昔から、そう言うのが好きなんですけどね。真琴ちゃんが、そう言うのを買ってたら違和感の固まりでしかないじゃないですか。だから、全然、買わなかっただけなんですよ」

「ふ~~~ん。そうなんだ。それはまた意外な趣味だね」


……ですよね。

真琴ちゃんに、そう言ったイメージは皆無ですもんね。

寧ろ、ヤンキーグッズとかを大量に集めてる方がイメージにピッタリですもんね。


それを、こんな可愛い物だらけじゃあ、気味が悪いですよね。


イメージに合わない不気味な事を言って、すみません。

これじゃあまるで、ホラーですよねホラー。


って言うか寧ろ、真冬の怪談みたいなものですよね。


私、こんなに可愛いものばっかり買ってて寒すぎますよね。


自分で言ってても寒くなっちゃったので、直ぐに暖かい飲み物でも御用意致しますね。

なので、それでこの話は、もうご勘弁下さい。



「ですね。自分でも、ちょっと変だとは思いますよ」

「だね。けど、なんで、こんなに多く成っちゃったの?」

「あぁ、はい、それはですね。眞子だと、こう言うのを気兼ねなく買えちゃうんで。可愛いモノを見付けたら、直ぐに『自分にご褒美』っとか理由を付けてホイホイ買っちゃうんですよね。もぉ悪いクセなんですよ」


そう言いながらも、紅茶のポットをコタツの上に置いて、私もコタツに入る。


それで、奈緒ネェには紅茶を注ぎ入れた。



「あぁ、ありがとう」

「いえいえ、寒い話をしちゃいましたからね。それを飲んで、体を温めて下さいな」

「うん、ありがとう。けど、眞子だと、確かに、なにも問題もないもんね」


話が逸れたかと思ったけど、また戻っちゃったね。


まぁ良いかぁ。

この件については、色んな意味で奈緒ネェも興味があるだろうし。


元とは言え、自分の彼氏が可愛い物好きだなんて知らなかったでしょうしね。



「えっ?……あぁ、そうなんですよ。お陰で、全くと言って良い程、歯止めが利かないんですよね」


要するに、女性である眞子に成ってからと言うもの。

その辺の歯止めを掛ける必要性がなくなっちゃったもんですから、自身の気持ちに忠実な欲豚さんに成り下がってしまった訳なんですよ。


千尋さん同様、私は、欲に忠実な物欲豚さんなのですよ。


まぁ、そうは言っても。

買う物は500円程度の物で抑えてますので、無駄遣いをしてまで可愛い物を集めてる訳じゃないんですけどね。

元々崇秀さんが用意してくれた物も、この部屋には沢山ありますし。



「なるほどねぇ。……ってか、それはそうと眞子さぁ」

「あぁ、はいはい」

「今、アンタ、何気にぬいぐるみを抱いてるみたいだけど、それって狙ってやってるの?それともネタ?」

「へっ?……あぁ!!」


うぅ……

知らぬ間に、横に置いてあった熊のぬいぐるみを抱っこしてるし……


なんでこんな事に……


これって、女性的な本能って奴ですかね?



「えっ?その態度から言って、今のはネタじゃなくて、まさかの無意識の方?」

「あぁはい。その、まさかの無意識の方です」

「クスッ……そっか、そっか。アンタって、ホント可愛いわよね」

「そうですかね?私が、こんな事してキモくないですか?」

「全然。……って言うか、そりゃあね。クラが、それを平然とやってのけたら、確かに、ちょっと引くけど。眞子なら良いんじゃないの。アンタなら、なにしてても似合うし」

「でも、私は……」

「コ~~~ラッ、それは言わない約束でしょ。眞子は眞子なんだから、眞子なら、それはそれで良いんじゃないの」


うぅ……優しい。


奈緒ネェの言葉は、いつもいつも慈悲深いですね。



「本当に、そうですかね?私、変じゃないですか?」

「全然。まぁ、それ以前に、今の君が、そこは悩む所じゃないと思うよ」

「ですね。……あぁ、だったら、真琴ちゃんの事は変だと思っちゃうんですか?」

「思わないよ」

「可愛いモノ好きなのにですか?」

「うん。思わないね。って言うか、眞子の言う可愛いと、倉の言う可愛いは、根本的な部分で可愛いのカテゴリーが違うからね」


はて?カテ違いですか?


それは一体、どういう事でしょうか?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


もう寸分の狂いもなく、眞子は女性化しとりますな(笑)


まぁ実際の話、崇秀がこの部屋を用意した理由の1つに。

そう言った女性関連の精神を養う為に、この女の子女の子した部屋を用意した訳ですから、別にこれ自体は悪い事じゃないんですね。


……っと言うより。

眞子は、完全に崇秀の思惑に嵌ってしまった訳ですよ(笑)


まぁまぁ、本人も別に嫌がってる訳ではないみたいですから、それはそれで良いのですが。

流石に、元自分の恋人である奈緒さんに、こういう自分の姿を見せるのには抵抗があったんでしょうね。


さてさて、そんな中。

最後の最後に奈緒さんが『倉津君と眞子では可愛いのカテゴリーが違う』っと言う言葉を口にしたのですが。


どうカテゴリーが違うんでしょうね?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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