1266 わーい♪奈緒ネェがお泊りしてくれる
倉津君が、崇秀に試練を与えられてた頃。
はしゃぎながらも奈緒さんを、崇秀の家にある自身の部屋に連れて行った眞子はと言うと……(笑)
***
―――サイド眞子。
『いやいや、まさか奈緒ネェが、お泊りしてくれるとはね。なら今日は、いっぱい話しましょう♪』
いやはやいやはや、本当にこれは意外な展開でしたね。
此処が崇秀さんのお家だって解った上で。
まさか奈緒ネェが『帰るのが面倒に成って来たからお泊まりしたい』なんて言い出すなんて、思いも拠りませんでしたよ。
この言葉には、ホント驚かされましたよ。
だって、だって、そうじゃないですか?
ライブ終了後、ホランドさんの説教部屋からの脱出計画の既成事実を作る為とは言え、此処には彼氏である真琴ちゃんが一緒に来てるんですよ。
なら、その用事さえ済めば、此処には用はない筈。
勿論そうなったら、その後は恋人同士2人でラブラブな時間を過ごしたいと思うのが定番。
だったら、何が有っても『絶対に帰る』って言うのが、これまた定番だと思っていましたからね。
だから私にとっては、これ以上無いぐらい意外な発言に成った訳ですよ。
そんな意外性があった分、此処に奈緒ネェがお泊まりしてくれるって事は、嬉しさ100万倍だったりするんですよね。
っでまぁ、なんで「そこまで嬉しいのか?」と聞かれましたら……
奈緒ネェってね。
今、全米を震撼させる程のバンド、奈緒グリを率いる芸能人で常に忙しい人でしょ。
その上、普段はアメリカに住んでて日本には居ない。
しかもそんなんだから、いつも奈緒ネェの周りには誰かが一緒に居たから、2人っきりで過ごせる時間なんて、ホント久しぶり。
だから、折角、崇秀さんに宛がって貰った、この家での私の部屋を、奈緒ネェに、直接見て貰う機会が今までは全然なかったのよ。
それを今回は、そんな風に見て貰うだけに留まらず、お泊りまでして貰えるなんて夢みたいな話な訳ですよ。
なので私としては、この奇跡的なシュチュエーションにはテンションが上がらずに居られない訳ですよ。
早い話ですね。
奈緒ネェに『崇秀さんの家での私の部屋』を自慢したかったのと、久しぶりに奈緒ネェを独占出来て一挙両得な訳だからは、心がはしゃぎ捲くってる訳ですよ。
そんな訳で、今晩は、奈緒ネェと、ゆっくりお話をしたい心境なのですよ。
***
……っとまぁ、そんなはしゃぎ切った心境の中。
逆に此処に泊まる事には、矢鱈と不満そうな顔をしている真琴ちゃんを背にして、崇秀さんの部屋を後にするんだけど。
廊下に出た瞬間、早速、奈緒ネェに腕に、私の腕を絡めて、自然と私の部屋に引っ張っていく。
これはどうも、早く自分の部屋を見て欲しくてたまらないんだろうね。
うぅ……それにしても、あれですね。
なんか、この奈緒ネェの腕の感触は懐かしいね。
ホント、いつもお肌のお手入れが細部にまで行き届いているから、肌に触れた感覚が極上ですよ極上。
……なんて思っていたら。
「ちょ、ちょっと眞子、なに?なに?どうしたのよ?なにを、そんなに慌ててるのよ?」
だけど、それは、早速、空回りでしかなかった。
やっちゃいましたね。
まぁ奈緒ネェは、そんな私に少々驚きながらも。
その後は「クスッ」と笑っていたので、そこまで気にしてる様子はないんだけどね。
「あっ、あっ、すっ、すみません。少しでも早く、奈緒ネェを、私1人で独占したくて焦っちゃいましたね」
「クスッ、なによそれ?今から眞子の部屋に泊まらせて貰うんだから、そんな事しなくても私は逃げも隠れもしないわよ」
「ははっ……ですよね」
やっぱり、そうは言っても慌て過ぎでしたね。
少しミットモナイ感じになってしまいました……お恥ずかしい。
「……っで、それはそうと眞子の部屋って、どこなの?どこにあるの?」
「あぁ、此処です、此処です。崇秀さんの部屋の目の前ですね」
「あっ、ホントだ。眞子の部屋って、ちゃんと書いてある。……にしてもアンタ」
「はい?なんですかね?」
「テディベアーのプレートって、豪く可愛い趣味ね」
うぅ……これも、ひょっとしてしくじってるのかなぁ?
少し自意識過剰なのかもしれないけど。
『結構、自分のイメージに合ってる筈』と言う思いから購入に至った商品なんだけど、これじゃあ、あまりにも可愛すぎましたかね?
ダメですかね?
「あぁ、すみません。街で見掛けて、あまりにも可愛かったもんで、ついつい衝動買いしちゃったんですが。……私なんかのイメージには合ってませんね。すみません」
「うぅん。そんな事ないよ。眞子のイメージに合ってるわよ」
「えっ?えっ?本当ですか?調子に乗ってませんかね?」
「うん、大丈夫だよ。……って言うかね。眞子は、どんなものを持っていても、イメージに合わないなんて事は早々にないと思うわよ」
「そうですかね?」
「まぁ、その辺については、眞子の部屋に入れて貰ってから、ゆっくり話してあげるよ。此処、結構、寒いしね」
「あぁ、すみません。早速ですが、中にどうぞ」
ホント、ダメだねぇ私は。
最近……っと言うか女性に成ってからと言うもの。
こうやって、ちょっと話をしだすと、直ぐに話に夢中になって周りが見えなくなっちゃうんですよね。
少々失礼な意見かもしれないけど、これじゃあお喋り好きな素直ちゃんとなんら変わらないよね。
この悪い癖は、早めに治そ。
前々から自分でも思ってた事なんだけど、こんな事を続けてたら「空気の読めない女」とか思われそうだし。
なんて事を思いながらも、奈緒ネェを部屋の中に招き入れた。
さてさて、この部屋を見て奈緒ネェは、どんな反応を示すんだろうね?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
前回、崇秀に試練を与えられた倉津君から変わり。
此処からは、眞子サイドの話になった訳なのですが……早速、眞子は、はしゃぎ過ぎたのかしてしくじりましたね(笑)
まぁでも、そのしくじった気持ちとしては。
少しでも奈緒さんに『如何に自分が崇秀に大切にされてる事』を証明したかったのでしょうから、此処はまぁ解からなくもない心境なのかもしれませんね。
此処に至るまでに、奈緒さんと眞子は色々ありましたしね。
さてさて、そんな中。
そうやって色々としくじりながらも、漸く、奈緒さんを自分の部屋に招き入れる事が出来た眞子なのですが。
奈緒さんは「この眞子の部屋」を見て、一体、どんな感想を持つ事に成るのでしょうか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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