1260 何故かガングロ談義

 奈緒さんの『眞子、泊めて』っと言う言葉に巻き込まれて、崇秀の家に泊まる事に成った倉津君。

だが当然、男女で部屋を分かれてしまい。

そこで退屈を持て余した倉津君は、崇秀に妙な絡み方をして、何故かガングロ談義をする羽目に(笑)


***


「この万年故障のボンクラ頭だけは」

「なにがぁ?」

「ハァ……あのなぁ倉津。まずにして、ナンパされるのが嫌な奴が、あんな目立つ面して表を歩くか?」

「あっ」

「それにだ。声を掛けられのが鬱陶しいと思う奴が、人が多い、渋谷や、原宿にワザワザ毎日行くか?それ以前にTVに出るか?この3つだけでも矛盾だらけじゃねぇか。……要は、早い話、アイツ等は、流行してると勘違いして、目立ちたいだけなんだよ」


うむ。

確かに此処まで言われれば、微妙に説得力があるな。

現実的な話をしても、結構矛盾だらけな部分があるもんな。


って事は、これがモノの本質って奴か?



「まぁなぁ。言われてみれば、そんな気がしねぇでもねぇな」

「気がするんじゃなくて、丸々そうなんだよ」

「じゃあよぉ。なんで、あんな奇特な真似をワザワザするんだ?」

「あぁ、それなぁ。それはさっきも言った通り『目立ちたい』ってのとは別に『仮面効果』って奴があるからなんじゃね」

「仮面効果?なんだそりゃ?」


ってか、仮面効果以前に仮面してねぇじゃん。

まぁ、元の顔が解らねぇぐらい濃いメイクしてるから、ガン黒自体が仮面みたいなもんだけどな。


ひょっとして、そう言う事か?



「まぁ、解り易く言うとだな。自分本来の顔が解らない様なメイクをする事によって、気持ち的には他人に成った様な気になって『普段の自分とは違う、別の自分を演出する事が出来る』って効果の事だ。要するに、あのブサイクな面は、女子也のストレス解消方法の1つって所なんじゃねぇの」


おぉ……なんか知らんが、崇秀の話を聞いて思ったのが、俺の考えてた事も大半は当たってたみたいだな。

それに、その仮面効果とやらの効果も、女子のストレス解消ってのはリアル話だしなぁ。



「なるほど、そう言う理屈な。確かに女子ってだけで、多大なストレスが溜まりそうだもんな」


眞子の疑似体験で、俺も散々大変な思いをしたからな。

それ故に俺にだって、その辺については多少なりとも解る訳だ。


あんな面倒臭い事を毎日毎日やってりゃ、どう考えても、ストレスの1つも溜まる一方ってもんだ。


まぁでも、あれ自体が女子にとってはルーティンワークみたいなもんだから、そこまでストレスが溜まるもんじゃないのかもしれないがな。



「ほぉ、そこは解るんだな」

「いや、まぁなんつぅか。その辺に関しては、眞子の疑似体験って奴で、そう思わざるを得ないからな。トイレ1つを例に挙げても、面倒臭い事だらけ。あれが現実なら、女子のストレスが溜まるってのも頷けるってもんだ」

「なるほど、そこな。……けどな、そこが解ってるなら、それを発展させりゃあ、もぅ一点面白い事が解るぞ」

「発展?どう発展させるんだよ?」

「解んねぇか?」

「解らん」


サッパリ解らん。


疑似体験は、所詮、何所まで行っても疑似体験だからな。

あんなものは『女性の苦労の一部でしかねぇ』としか認識出来ねぇ。


故に、本当の女性が、普段どれ程の苦労してるかなんざ、男の俺には皆目見当も付かないってもんだ。



「そうか。なら、此処で、恒例の質問タイムだ」

「うぇ……出たよ。また質問タイムかよ?」

「あぁ、質問タイムだ」


オマエさぁ、マジで一回でも良いから素直に答えを言ってみねぇか?


毎度毎度、俺が疑問に思った事を、面倒臭ぇ質問形式なんぞにし腐って。


面倒臭ぇ~~~ったりゃありゃしねぇ!!



「……っで、なんだよ?」


でも、馬鹿秀のアホンダラァが無い頭を絞って必至に質問を考えてるのが、あまりにも哀れだから、一応、こうやって聞いてやっている、神の使いな俺。


神の使いだけに、実に慈悲深い。


さぁ、僕に聞きたい事があるならば、幾らでも質問し給えよ崇秀君。



「じゃあ質問①だ。オマエが眞子の疑似体験中。何故か眞子は、流行だと言われるガン黒メイクを1度もしなかった。さて、何故でしょう?」

「そんなもん簡単じゃねぇか」

「ほぉ」

「ガン黒メイクの仕方が解らなかったからじゃねぇのか?」

「なるほど、そう来るか」

「いや、そう来るかもなにも、現にそうなんじゃねぇの?アイツは、男の俺の中で14年間もズッと育ってきたんだから、ガン黒メイク処か、普通のメイクの仕方すら解る筈がねぇと思うんだがな」


ちゃうか?


大体にして自身の体を得て、即、メイクの仕方が解る奴なんていないだろうし。

もし仮に、俺の中で居る際に『誰かのメイク方法を見て』メイクの仕方を知っていたとしてもだな。

その場で、即やる勇気もなきゃ、道具もない筈だろうしな。


そんなごく当たり前の理由から『どうやっても出来る訳が無い』と言う結論に至った訳なんだが、なんか俺の意見は間違ってるか?



「ふむ。確かにそうだな。それに関しては、なにも間違っちゃいないな」

「だろ」

「じゃあ、観点を変えて、再度質問だ」

「おぅ、なんだよ?」


今度は、どう来る?

なにを聞いてくるつもりだ?


しかしまぁ、なんだな。

意外と暇潰ししてる最中なら、この質問形式ってのも、結構、悪くないもんだな。


無視せず、遊んでくれるしよ。

(↑結局、構ってチャンな俺)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


前回の後書きでも書きましたが、ホント、なにを真剣に話してるんでしょうね?


まぁでも、別にガン黒の話じゃなくても、構ってチャンな倉津君なだけに、崇秀が相手にさえしてくれれば、どんな内容でも食い付いてたのかもしれませんがね(笑)


さてさて、そんな風に2人してガン黒の話にも熱が入って来た様なのですが、崇秀の次なる質問は如何なるものなのか?

そして奴は、なにを企んで、こんな話を倉津君と続けるのか?


次回は、その辺の「前提の話」を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る