1259 なんか持て成せ

 証拠作りの為に訪れた崇秀の家。

そこで何故か、倉津君も含めて、奈緒さんと眞子も泊まる事に成った模様。

(その際に倉津君が淫獣みたいな扱いをされて、少々怒っております(笑))


***


 まぁ、そんな納得がいった様な、いってない様な非常に不愉快な想いをしながらもだ。

奈緒さんは眞子に連れられて、眞子の部屋へとサッサと消えて行く訳なんだがな。


俺の方はと言えば。

崇秀と居ても、これと言って特別する事が有る訳でも無いので。

奈緒さんが去った後も、コタツに入ったままの状態で、3本目のタバコを噴かすだけに留まっていた。


あぁ因みにだがな。

いつも通り、部屋の仕切りになっている襖をピシャッ!!っと閉め。

電気代節約の為に、34畳位ある部屋の大きさを8畳位の大きさまで縮小しているのは言うまでもない。


そんで、この部屋の主であるアホンダラァは。

相も変らずタバコを噴かしながら、パソコンに向って、なにかをしている様子だ。


故に、忙しそうなので声は掛けない。

まずにして話す様な面白いネタが、なにも思い付かないからな。


……っと思っていたんだが。

あまりにも退屈な時間だけが流れるから、文句を言う事にした。



「あぁ、暇だなぁ。この家は、なんもする事ねぇ~~~なぁ~~~」

「あぁっそ。じゃあ、寝れば」


冷たッ!!


折角、俺の方から声を掛けてやったってのに、この塩対応かよ。


そりゃねぇだろ。



「あぁ、そうッスか。んじゃあ、寝るわ」

「あぁ、そうだな。そうしてくれた方が助かる。出来れば、朝まで目を覚ますな」


再び、冷たッ!!


つぅか!!なんでオマエは、いつもそうな訳?

折角、無理して泊まってやってるんだから、ちょっとぐらいもてなせよな!!


別に修学旅行に行ったガキみたいに『枕投げしよう』とか要求してる訳じゃねぇんだからよぉ。


せめて、面白い話の1つでもしろよな!!


腹が立つから、鼾を掻いたフリしてやる。



「ぐおおぉおお~~~~。す~~~~。ぐおおおぉおおお~~~。す~~~~」

「やかましい、わざちらしいわ」


『ヒュウ!!』


『ボフッ!!』



「へぶしゃ!!」


……信じられねぇ。


人が、大人しく眠りに付こうとしてるって言うのによぉ。

椅子の腰の部分に宛ててたクッションを、思いっ切り俺の顔面に向って投げてきやがった。


おええぇ~~~!!微妙に生暖かくて気持ち悪ぃ~~~!!

オマエは、なんて恐ろしい最終兵器を投下しやがるんだ!!


つぅか『枕投げモドキは、イラネェ』って、さっき心の中で言った所だろ!!

なに聞いてるんだオマエは?


エスパーなら、心を読んでイラン事すな!!



「なにしやがるんじゃ、オンドレわ!!」

「・・・・・・」

「オイ、コラ!!人様の顔面に向ってクッション投げつけといて、無視してんじゃねぇぞ!!」

「ハァ……あのなぁ、倉津。じゃあ逆に聞くがな。なんか俺に用事でもあんのか?」

「ねぇな。微塵もねぇ。オマエに話す事なんぞ、なにもねぇな。ただ単に暇なだけだ」

「うわっ、なんだコイツ面倒臭ぇ。構ってちゃんか、テメェは?」


構ってちゃんじゃねぇつぅの!!


今現在、俺が構って欲しいのは、奈緒さんだけだ。

まぁ敢えて言えば、眞子でも良いが、決してオマエではない。


だが、暇だから、なんか面白い事しろ。



「違いますぅ~~。人を、もてなす態度が成ってないから、注意しただけだしぃ~」

「はぁ……なにキャラだよ、それ?」

「いや、最近の女子高生を模してみたんだが」

「オイオイ、なにを勘違いしてやがるのか知らねぇけどな。そんな奴、殆どイネェからな。オマエ、どこの田舎者だよ?」


おっ、なんか知らんが話に喰い付いてきた。


なら、話を続行してやるぞ。

存外に有り難く思って、俺の話に付き合え。



「なんでだよ?TVとかで、こんな奴、良く見掛けるじゃん」

「あぁッそ。本気でそう思ってるなら、さっさと死ね、ボケ。認識不足も甚だしいわ」


なんでぇ?

原宿とか、渋谷とかに、顔を真っ黒にした女の子が一杯出没してるじゃんかよぉ。


俗に言う『ガン黒』って奴等がよぉ。


アイツ等全員、こんな喋り方じゃん。



「はぁ?どこがだよ?どこが認識不足なんだよ?一杯居るじゃんか。流行ってんじゃん。ガン黒系で。オマエ、ひょっとして知らねぇんじゃねぇの」

「ハァ……アホ臭ッ。あのなぁ倉津」

「なんだよ?」

「情報に踊らされるのも程々にしとけよ。あんなもんはなぁ。一部の頭のメデタイ連中が、頭の悪いメディアに踊らされて調子に乗ってやってるだけの、世間から笑われてるだけの存在だぞ。まずは、そこから認識を改めろ」

「なんでだよ?」

「なんでも糞もあるかよ。大体オマエ、ガン黒女子高生が、全国の女子高生の何%だと思ってやがんだ?オマエ、取り敢えず、全国行脚して、女子高生全員に土下座して来なきゃいけないレベルだぞ」


まぁなぁ。


ある意味そうかもな。



「けど、事実、流行ってんだろ」

「トコトンアホなのか、オマエは?」

「なんでだよ?」

「あのなぁ、流行って言うのは、全国規模で起こって、初めて流行って言うの。一部で流行ってる事を、流行とは言わねぇの」

「でもよぉ、TVで取り上げられてるじゃん。最先端じゃん」

「鬱陶しいなオマエ。あんなもんは『面白いから写してるだけに過ぎねぇ』って、なんで解んねぇんだよ?どう見ても、あんなもん、お笑い芸人や、ピエロを見てるのと同じ原理でTVが取り上げてるだけだろうが。それを流行ってると勘違いしたオマエ同様な馬鹿が、調子に乗ってやってる。あれは、その程度のモノでしかねぇんだよ」


まぁ、言い得て妙だな。



「それにだ。あんなもん、ただのブス隠しじゃねぇか」

「そうかぁ?そうでもねぇだろ。中には可愛い子だって居るんじゃねぇの。本人達は、ナンパされるのが面倒臭いから顔を隠してるって言ってるしよぉ」

「ハァ……オマエ、アホの極みだな。脳味噌が気化してるんじゃねぇのか?」

「いや、脳は、頭の中に重たい奴がズッシリと入ってるが。なんで、そぉなんだよ?」

「あぁ、もぉ、面倒臭ぇ~~~。こんな事もわからねぇのかよ?」

「解らん」


いや、だってよぉ。

本人達がそう言ってるんだから、そうなんじゃねぇの?


それ以外、なにが有るって言うんだよ?


……ってか。

オマエさんには、それ以外の見解があるとでも言うのか?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


……ってか、倉津君の何気に放った言葉遣いから、何の話をしてるんでしょうねコイツ等は?


まぁ、この当時はやったガングロ系の話をしている様ではあるのですが。

どうやらこの様子からして崇秀は、この流行を、真っ向から否定したいみたいですね。


さてさて、この話題が、一体、何に繋がって行くのか?


次回はその辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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