1257 眞子……オマエって奴は

 崇秀を利用した方法で、ホランドさんの反省会を回避する事に成功した3人。

さてさて、この後はどうするつもりなのか?


***


 ……ってな事がありましてだな。

無事(?)なんとか説教地獄を脱出には成功し。

その後、崇秀に会うと言う名目上、タクシーに乗って地元に向って行くんだが……


その際に俺は、眞子に向って、こう言う事を言ってみたんだ。



「なぁ眞子」

「うん?」

「オマエってさぁ、ホント飽きれる位、嘘を付くのが上手いよなぁ。よくもまぁ、あんなにスラスラと嘘八百が並べられたもんだな」


……ってな。


だってそうだろ。

幾らトッチャン坊やの説教部屋が嫌だとは言え、普通の奴なら、あんなにスラスラと嘘は出てこない筈。


そう考えたら、俺のこの意見も納得して貰えると思う。


なのに眞子の奴。

なにを言い出すのかと思えば、平然とした顔をして、こんな事を言い返して来やがったんだよ。



「へっ?なんで?私、嘘なんか1つも付いてないよ。って言うか、どこが嘘なのよ?」


なっ……有り得ねぇ回答だろ。

あれだけの嘘を並べて置きながら、平然と、こんな事を抜かしやがるんだぞ。


だから俺は『どこが嘘じゃねぇんだよ?全部嘘じゃんかよ!!』って追求してみたらだな。


眞子は、嘘じゃない事を立証し始めた。


それがこれだ(↓)

①あの件   ……この場からの脱出の件。

②問題が生じた……説教地獄からの脱出に問題が生じている。

③問題が山積み……あの時点でも脱出するのに問題が山積み。

④企画が流れる……脱出が不可能になる。

これ等の①~④を、相手が勝手に勘違いしたものだと言い切った。

その上で眞子は『気にしないで下さい』って、ちゃんとエリアスの姉ちゃんにアピールしたとまで言って来やがった。


うん……まぁ、確かにな。

言ってる事は間違いではないのかも知れないし、言葉に出してエリアスの姉ちゃんにアピールした事も事実なんだがな。


この女だけは、マジで最低だな。

例えそうであっても、こんなもんどう考えても、完全に人の心を弄んでやがるじゃねぇかよ!!


ってか、オマエねぇ。

そんな非道な真似バッカリしてたら、仕舞いに【天罰】が下るぞ!!


……って言っても、結局の所、眞子の策略に乗った時点で俺も同罪なんだけどな。


まぁ、そんな訳なんで『眞子は一切合切、嘘は言ってない』そうだ。


なんて、そんな風に少々眞子の態度に呆れ果てていると……

此処で奈緒さんの、プリペードカードの携帯が鳴り、誰かと話をし始めたんだが。

その後、直ぐに、電話を切った奈緒さんが、何故か嬉しそうに、俺に向かってこんな事を言ってきたんだよ。



「ねぇ、クラ」

「はいはい、なんッスかね?」

「今日みたいな感じで、明日も逢えるかなぁ?」

「あぁ、はい、大丈夫ッスよ。先持って受験勉強だけやってりゃ、全然時間は取れますよ」

「そうなんだ。じゃあ、明日も逢おうか?」


……なんて、神の子奈緒さんからの甘いささやきが。


勿論、俺は1つ返事で。



「ウッス。俺も、明日も奈緒さんに逢いたいッス」

「そっ、良かった♪……じゃあ、また明日も東京ドームで逢おうね、東京ドームで」


??


うん?東京ドームとな?

普通に会うだけなら、何故に東京ドームに限定されてんだ?


……( ゚д゚)ハッ!


……っと、そんな風に甘いささやきだと思ったのも束の間、俺はある事に気付いた。

もし仮にその答えが正解だったら、この意見を言った奈緒さんは、どうやら悪乗り女王の方の奈緒さんであり。

なにやら悪魔染みた事を言ってきた事に成る。


なので勿論、俺は此処も1つ返事で。



「……はい?東京ドームでですか?何故に東京ドーム?」


半ば諦めにも似た気持ちで疑問符を投げかけた!!

勿論、これに対する答えは明確ではあるんだが、一縷の望みに賭けて疑問符で投げかけた!!


どうか神様!!

奈緒さんの回答が、その「明確な答え」ではありませんように!!


このお誘いが『普通にデートしよう』って意味でありますように!!



「うん?それはね。【GREED-LUMP】のみんなが、全員一致でクラの音が気に入ったんだってさ。だから、明日もHELPで演奏してくれってさ」

「うそ~~ん」


ダメでしたぁ!!(´;ω;`)ブワッ


そんな一縷の望みは、木っ端みじんなまでに綺麗に砕かれ。

トッチャン坊やの反省会をサボった主犯である眞子には天罰が下らず、何故か俺に、そんな天罰が下った。


なんでだ?なんでそうなった?

此処はどう考えても、HELPを頼むなら眞子の方が適切なんじゃないのか??


……っと、一瞬だけ、そう思ってはみたんだがな。

翌々考えてみたら眞子の奴、此処にもシッカリ対策を練ってやがって。

さっき、ちゃんとトッチャン坊やとの会話の中で『今週は無理だけど』って宣言してやがったのを、俺は思い出したんだよ。

だから、こうやって俺に、HELPのお鉢が廻ってきたものだと思われる。


つぅか、この女だけは、ホントどこまでも準備周到で最悪な女なんだよ。

まさか、こんな事態まで予測してやがったとはな!!


なので、こんな哀れな俺を……誰か、たすけちくり!!

なんで俺だけ、毎度毎度こんな目に遭わなきゃイケねぇんだよ?


おかしくねぇか?


***


次回予告。


はぁ~~~……しかしなんだねぇ。

名目上、崇秀と会っていた証拠を作る為とは言え。

なんでライブが終わった後に、アイツの家に行かにゃあならんのだ?

しかも、俺としては地元まで帰って来てるって言うのに、なんで馬鹿秀の家に泊まらにゃならんのだ?


そんな訳で次回……


『Boy`s talk & Girl`s talk』

「性別間トーク」


……を、俺と、眞子の二元中継で、お送りするぜぇ。


やれやれ、奈緒さんに、眞子に、崇秀って嫌な予感しかしねぇなぁ。


奈緒さんだけを連れてサッサと家に帰りてぇのによぉ……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>

これにて第一章・第七十五話【⑥Well Come to Special-Live【Nao with GREED-LUMP③】(⑥ライブへようこそ(奈緒グリ編③))】はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?


まぁ本来はサブタイトル通り、奈緒グリのライブをメインに書いて行きたかった所なのですが。

奈緒グリ程のビッグネームに成ってしまうと、別に倉津君や眞子が干渉しなくても盛り上がるのは必定でしたので、敢えて、この奈緒グリのライブでの倉津君個人の心情を書かせて頂きました。


こういうパターンって、結構少ないんで面白いと思うんですけどね。


はい、ダメですね。

すみません<(_ _)>


さてさて、これで、またそんなアホな事を堂々とした私の反省も済んだことですし。

次回から始まる第一章・第七十六話【Boy`s talk & Girl`s talk(性別間トーク)】では、崇秀の家に到着した後の話を書いて行きたいと思いますです。


勿論、この濃い面子が集まって何事も起こらない筈がありませんし。

当然、こうやってシーズン14が続いてる以上、此処で奈緒グリ関連の話も出ます。

なので、その辺のネタもキッチリ仕込んで置きましたので、良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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