1243 コチラも一筋縄ではいかない女

 眞子を迎えて演奏したアンコール一曲目後。

奈緒さんはマイクパフォ―マンスの一環として「正式に眞子争奪戦の参戦」を発表したのだが!!


当の眞子はと言うと……


***


「……って事なんで。その辺の感想を、直接、妹に聞いてみたいと思います。……眞子、今どんな気分」


今度は、恒例の悪乗りですな。


けど、マイク・パフォーマンスのタイミングとしては悪く無いですよ。

観客が喜ぶ様な面白いライブをするって言うのは、なによりも大事ですからな。


さてさて、眞子の奴は、どう答えるんだ?

観客も固唾を飲んで、眞子の発言に注目してるぞ。



「嬉しいですよ。でも、私は、ただの景品でしかないので、勧誘されたからと言って【Nao with GREED-LUMP】に入るとは限りませんよ」

『『『『『『!?』』』』』』


おぉ……観客はスゲエ動揺してるが、その言葉を発した眞子の方は、動揺してたのは一瞬だけ。

後は意外とケロッとした顔で、奈緒さんに対して受け答えを始めやがったな。


なら恐らくは、少なからず、こうなる事を想定していたんだろうな。


それだけにコイツは、なにを言い出すか予想も付かねぇから、これもまた最高に楽しいな。


奈緒さんも、眞子も最高ッスよ。


けどよぉ。

その分【GREED-LUMP】は、どうなんだって話だよ。


奈緒さんや、眞子にばっかり頼ってないで、もぉちょっとライブを盛り上げる為に、なにかしろのアピール位しろってのな。


嶋田さんなら、奈緒さんや、眞子の心境を音楽に変えて入れて来る筈だぞ。


それを、なんもしねぇなんてよ、お飾りかテメェ等は?



「おっ、この期に及んで、まだ決めないんだ。また可愛くない事を言うわね」

「あぁ、はい。でも、これは当然ですよ」

「当然?……ほぉ、して、その心は?」

「いや、だってですね。私なんかの為に【奈緒グリ】の他にも沢山の方がバンドのお誘いに応募して下さってるんですよ。それなのに【Nao with GREED-LUMP】が有名だからって、エコ贔屓をするのは良くないじゃないですか?身内だとは言え、景品が欲しければ、公正を期して、戦って勝ち取るのが筋ってものですからね」

「ヤッパリ、出たね。鞍馬お得意の爆弾発言」

「言うとは思っていたがな。矢張り、眞子は一筋縄ではいかないな」

「ホント。この場で、あんな事を平然と言うなんて、ドンだけ根性が座ってるのよ」

「まぁまぁ、しょうがねぇよ。それが姫ちゃんってもんだ」

「「「「「はぁ~~~~~~……」」」」」

「「「「「「はぁ?はぁ?鞍馬ちゃん、奈緒グリの誘いを蹴ったぞ!!」」」」」」


まぁ、基本的に、ソイツは、そう言う女だからな。


それが、ソイツたる所以だ。


……けど、マジで、よくもまぁ、この場で、あんな事が言えたもんだな。

奈緒グリは、熱狂的な信者が少なくないから。

たった一言の不用意な言葉で、此処の会場に居る全員を敵に回しても、おかしくない現状なのによぉ。


またはGUILDで全世界に向けて、この映像をネット放送してる筈だから、全世界の奈緒グリファンを敵に廻す様な爆弾発言なのにな。


普通なら、そんな真似、面白いと思っても出来る筈がねぇ。


それを、あの馬鹿は、なにも感じてやがれねぇでやんの。


大した玉だよ。


……にしても。

オマエ、あれだよな……その無駄に高いパラメーターと、その肝の座り方と言い、前世は『趙雲子龍』か、なんかだろ。


眞子……『これ、全身肝成り』ってか。

そして、オマエの彼氏は『曹操孟徳』で間違いない。


序に言えば、俺は……頑張っても『許楮』

知性の欠片もない、力だけのお馬鹿ちゃん。


……しくしく。


憶えとけよ【GREED-LUMP】!!

(↑八つ当たり中)



『もぉ……アンタって子は』

『へへぇ~。そう簡単には、奈緒ネェの思い通りにはならないよ』

『あぁ、そぉ。……それは、良いんだけどさぁ、眞子。アンタ、あんな事を言って、この場を、どうやって収拾するつもりなのよ?』

『その辺の心配は御無用です。前以て策は論じておりますので、眞子に、お任せあれ』

『あぁっそ。じゃあ、お任せな方向で』


奈緒さんと、眞子が、なんかヒソヒソ話してるみたいだが、あの2人は、一体、なにを喋っとんじゃ?


なんか、あの会話からは危険な臭いがするな。


俺が、そう思った瞬間、ついに眞子が口を開き始めた。



「まぁ、そんな訳でですね。私が個人的に、奈緒グリに介入するのは此処までにしたいと思います。此処からは、私の代理の者に、奈緒グリの演奏を手伝って貰おうと思っているのですが、皆さん、そんな感じで如何ですか?」

「はっ、はい?なにそれ、眞子?代理って、誰の事よ?」

「あれ?鞍馬以外に、今日、ゲストは呼んでない筈なんだけどなぁ」

「一体、どういう事なんだ眞子?」


なるほど、そう来るかぁ。


さっきの会話は危険な匂いがしてたんじゃなく、簡単な打ち合わせみたいなもので。

その上で眞子は、先程の奈緒さんの宣言を逆手に取って、俺を、この場に強制介入させる腹積もりだったんだな。


しかしまぁ、この状況を上手く利用して、瞬時に上手い事考えやがったな。


けど、そう言う事なら任せておけ。

俺の腹は、もぉ完全に決まっているからな。


これから【GREED-LUMP】に正しい音楽と言う物をキッチリ教えてやる。


なので、恐れるもの等なにもないわ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


奈緒さんのマイクパフォ―マンスのお陰で、眞子は『倉津君の乱入』を上手く促しましたね♪


まぁこれ自体は、偶然に起こった事でしかないのですが。

こう言った順応性の高さや、即座に相手の言葉を上手く利用して、自身の企画に盛り込む事は非常に難しい事なので。

今回の眞子は、本当によくやったと思いますです♪


さてさて、そんな中。

これからご指名を受ける倉津君の方も、どうやら準備は万端の様子。


後は、観客の皆さんが、この乱入にどういった反応を見せるかが楽しみな所ですね。


そんな訳で次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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