1236 あぁもぉ、なんなんだよ、イライラするなぁ!!

 またしても眞子の口車に乗せられてしまい。

無理矢理、奈緒グリのアンコールの際に乱入する事を義務付けられた倉津君。


だが、今の状況で大丈夫なのか?


***


 ……あぁイライラする。


一体なんなんだよ、これは?


あれから無理矢理控え室に移動させられ。

その後、更に、有無を言わさず眞子にベースを渡されてからと言うもの。

懸命に練習をしながら、アンコールで使う曲を順調に憶えて行ってる筈なのにも関わらず、何故だか気分が全然晴れない。


いや寧ろ、無性にイライラする一方。


ホント、なんなんだよこれは?


いやまぁ、そうは言ったものの。

俺自身がそう言う心境に成ってる理由が、全く分からない訳でもねぇんだけどな。


……それがなにかつぅとな。

今、扉の向こうの会場から聞こえて来る、あのベースの音色。


それがどうにも無性に気に入らないんだよ。


つぅか。

あの微生物並みにチッコイ、エリアスとか言う女、全然大した事ねぇじゃねぇかよ。

よくもまぁ、あの程度の腕前で、奈緒さんのバックバンドが勤まるもんだな。


これじゃあ、誰が、どう聞いても、眞子の方が100%上手ぇじゃねぇかよ!!


それとも何か?

手ぇ抜いてやがるから、俺如きでも不満が出るような演奏にしか聞こえないのか?


もしそうなら、なめてんのか、あの女?

奈緒グリの一員を名乗れる位の腕を持ってるなら、もっと真面目にやれつぅの!!


アホか、糞ドチビが!!


それによぉ。

正直言えば、俺がイライラしてる理由は、そのちっこい女だけじゃねぇんだわ。


ほらほら、前の宴会の際、生意気にも、俺の事を『中の下』とかぬかした、あのディックとか言う真糞野郎が居ただろ。


アイツの演奏も大概酷い。

調子こいて俺の事を評価してた割には、ほんとテメェも大した事ねぇな。


まぁ確かに、言うだけの事は有って、リズム感だけは、そんなに悪くねぇんだけどなぁ。

そんなもんプロなら、ある程度、誰にだって出来るってもんじゃねぇの?ってレベルの演奏でしかない。


そうなると当然。

寧ろ、オマエの演奏なんぞより、文化祭で一緒に演奏したミラーの姉御の方が数倍上手いわ!!って気分にも成っちまう訳だ。


あのツンツン頭の糞ッタレ!!

オマエも人の事をとやかく言う前になぁ……顔を洗って出直して来いつぅの!!


後よぉ、美樹さんの彼氏であるエディとか言う甘ちゃん。

まぁ、美樹さんの彼氏だから、あんま文句は言いたくねぇんだけどよぉ。

一見すりゃあ、無駄にド派手な音を出してるやがるから、ド素人の観客には聞こえは良いかも知れねぇがな。


オマエの演奏も大概だな。


なんつぅか。

派手な曲調の時は、それなりに悪くはねぇんだが。

曲調が落ち着いたものに変わった瞬間、その演奏のグレードが一気に下がってる。


なので、オマエ程度ならなぁ。

由佳ニャン・ラブを世間に公表している、気持ち悪いだけの糞眼鏡の方が、よっぽど汎用性の高い音を出してるぞ。


おぉっと、美樹さんの彼氏だから、これ以上はやめておこう。


……ってな訳で最後に成ったが。

名前も知らない、妙に透かした感じがするエリートぶったギターの奴。

オマエさぁ。

ハッキリ言って、崇秀より、大分、演奏が下手糞だな。


まぁ、なにかが特別悪い、って訳でじゃねぇんだがな。

なぁ~~~んか全体的に物足りなさを感じると言うか、パッション的な物を感じない。


だから崇秀のアホンダラァの音の方が、数千倍、良い音を出してる、としか思えねぇんだよなぁ。


つぅか、ひょっとしたらよぉ。

崇秀の馬鹿以前の問題として、フリーでやってるステラの方が、その辺をオマエなんかよりズッと上手いんじゃねぇのか?


全く持って、このバンドは、一体、どうなってやがるんだ?

奈緒さん以外、ハッキリ言えば、カス!!カスの集団じゃねぇかよ!!


なんかよぉ、こうやって冷静に音を聞いてみりゃ、人気があるって言っても、所詮は、こんなもんなんだな。

これじゃあ、奈緒さんにオンブにダッコなだけじゃねぇかよ。


こう言っちゃあなんだがな。

『奈緒さん……バックバンド入れ替えた方が良いんじゃないッスかね?』


例えばッスね。

ギター……馬鹿秀orイラン事言いのステラ。

ベース……頭がおかしい&アホタレの眞子。

ドラム……メジャーバンドを捨てたミラーの姉御。

シンセ……薄気味悪い佐藤の糞眼鏡。


そんでボーカルは、神の子奈緒さん。


この方が、最強の布陣じゃないッスかね?

今の連中じゃ、どうやっても奈緒さんの実力を100%生かし切れてませんよ。


あぁもぉ、それにしても、なんか、こぉイライラする演奏だな。


プロならプロでよぉ。

金を貰ってるんだから、もぉちょっと、なんとかなんねぇもんなのかよ?


ホント、眞子の言葉じゃねぇけどよぉ。


『今から直ぐにでも、俺が正面切って乱入したろか?』

オマエ等如きじゃ、俺の大切な奈緒さんは全然扱えてねぇよ。

折角の日本凱旋ライブだって言ってるのに、人様の彼女に恥を掻かせてくれてんじゃねぇぞ!!


このタコ共がぁ!!


……って言いたくなる心境に成ってしまっておる訳ですわ。


あぁもぉ、なんか、なにもかもが腹が立つ!!

こんなんじゃあ、どうやっても、ムシャクシャする気持ちが鳴りやまねぇぞ!!


このバンドを結成させた責任者を此処に呼べ!!


あっ……それって眞子か。


俺の目の前にいたわ(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


なんか倉津君、やけにイライラしてますね(笑)


まぁまぁ、こう成ってる理由が「眞子の所有物である、ある物のせい」だと言う事は、賢明な読者さんなら、ある程度想像は付くと思いますので、敢えて、そこには触れませんが。

倉津君が、これほどまでに、奈緒グリの演奏を批判出来るのは、何故なんでしょうね?


変な話、批判と言うものは、実力がない人間がしていいものではありませんし。

なにより、自分の方が、相手より下手だったら、批判のしようなんてものはありませんからね。


……ってな謎を抱えながら。

次回は、その辺の理由を探って行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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