1224 俺と眞子の関係については……

 ステラさんの精神的な成長を見て凹む倉津君。

そんな彼に「如何に倉津君が有用な人間か」を説いて立ち直らさせたステラさん。


だがその後、以前から疑問に思っていた『倉津君と眞子の関係』について質問してきたので……


***


「いや、まぁ、なんつぅか、普通に親戚だな」

「その表情……嘘ですね。完全に嘘ですね」


なんで解った?


しかも、なんの躊躇も感じられない位、一撃バレちまったよ!!


どんだけ鋭いんだよ、コイツは……

ステラって、こういう面は扱い難いんだよなぁ。



「いや、まぁ、本当に血縁は血縁だから、完全に嘘って訳でもねぇんだけどな。多少、嘘は含まれてるな」

「なるほど。矢張り、その辺については事情ありきでしたか」

「うん?なんだよ?その、やけに確信めいた発言は?なんか前々から気に成る部分でもあったのか?」

「あぁ、いえ。これは、私の推論に過ぎないのですが。真琴と、眞子は、親戚と言うには、性格が、あまりにも似過ぎているんですよ。ですから、本当に親戚なのかと疑問に思っただけの話なんですがね」


はっ、はい?

俺と、眞子の性格が似てるだと?


いやまぁ、そりゃあな、事実だけを述べれば。

アイツと俺は、人一倍、同じ細胞やDNAで構成されてる訳だから、多少は似てる所とかもあるのかも知れないけどな。


普通に考えたら、完全に別物じゃね?

俺と、アイツが似てる所なんて、殆どねぇしよ。


寧ろ、だらしない俺と、キッチリした眞子とじゃ『真逆の性格だ』って言っても過言じゃねぇと思うんだけどな。


なんでステラは、そう思ったんだろうな?



「そぉかぁ?そんなに似てるかぁ?」

「えぇ、ソックリですね。もはや、同一人物と言っても過言じゃありませんよ」


うぇ……ステラが敢えて、こう言うって事は、性格から見る表面上の話じゃねぇみたいだな。


もっと根本的な部分か……


しかしまぁ、これはまた困ったもんだな。

幾らステラが信用の置ける親友だと言っても、まさか、この場で、あの衝撃の真実を話す訳にもイカねぇしなぁ。


かと言ってだ……妾の子って言うのものなぁ。

今後の眞子の事を考えてやったら、あんまり人には知られたくない設定だろうしなぁ。


こりゃあマジでまいったなぁ。


八方塞がりだ。


そうやって俺が悩んでいたら……



「真琴」

「おっ、おぉ、なんだよ?」

「別に言いたくないなら、無理に言う必要はありませんよ」

「へっ?そうなんか?」

「えぇ、私は、別に眞子の出生を知りたい訳では有りませんからね。それに……」

「それに?それになんだよ?」

「それにですね。私は、真琴同様、眞子の事が気に入っています。ですから、眞子が、どう言う生まれであれ。眞子が眞子であれば、なにも変わりませんからね。ただ気に成ったから聞いただけですし」


まぁ……そうなんだろうけどな。

この件に関してだけは、そんな簡単に割り切れる問題じゃねぇからな。


決してステラを信じてない訳じゃないんだが……矢張りこれは、易々と話していい話じゃねぇだろうしな。


なら、試しに少し探りを入れてみるか。



「そっか。……因みにだが、ちょっと特殊な生まれでも、なんとも思わないのか?」

「えぇ、なんとも思いませんね。そんなもの、思う必要も有りませんし」

「そりゃあまた、なんでだよ?」

「ポンコツ。アナタ、お忘れなんじゃないですか?」

「なにをだよ?」

「私は捨て子なんですよ」

「あっ」

「そんな自分の出生も知らない様な人間を、そんな風に慕ってくれ。普通に接してくれてる人間を、差別する必要が、何処にあると言うのですか?」


あっ……そっか。

そう言えば、ステラって捨て子だったんだな。


いつも普通に接してたから、そう言う出生の事はスッカリ忘れてたな。


こりゃまた、無神経な質問をしちまったもんだ。



「悪ぃ」

「いえ、そこは気にして頂かなくても結構ですよ。私も、そう言う意味で言ったつもりはありませんし」

「そっかぁ」

「えぇ、それに私が私である以上、別に、今更、なんとも思っていませんから、同情なら結構です」

「まぁ、そうだわな。ステラは、どこまで行ってもステラだもんな」

「そうですよ。……それと、私から話を始めて置いて、なんなんですが。もぉこの話はヤメにしましょう。少し私も立ち入り過ぎましたからね」

「そっか。まぁそうしてくれると有り難いな」

「では、その方向で」


やっぱ、ステラは良いよな。

本当に人の気持ちの機微を、よく感じてくれる。


だってよぉ。

普通、自分が疑問に思って始めた話なら、こう言う所を自ら抑制するのって中々難易度が高いもの。

それになにより、相手が誤魔化そうとすればするほど気に成って、どうやってでも聞こうとしてくるのが、人の性ってもんだしな。


それを敢えて聞かずに抑制してしまうなんて、マジで良い女だ。


だからって訳じゃねぇが。

是非ステラには、眞子や、真菜の親友にも成ってやって欲しいもんだな。


ステラから学ぶべき所は多いと思うし。


……なんて心の中で、ステラの事を高評価をしていると。

職場放棄を1時間半もかました鮫島と、国見のオッサンの所の馬鹿甥っ子が申し訳なさそうな顔をして戻って来た。


勿論、此処からは大説教タイムだ。


……って言いたい所なんだがな。

奈緒グリのライブの開演まで、もうそんなに時間もねぇから、あまりこの馬鹿2匹に構ってる暇はねぇ。


故に、小説教タイムで勘弁してやる。


有難く思え。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


これ、自分で書いてて凄いなぁ、って思うんですが。

ステラさんの抑制力は、並大抵のものじゃないですね♪


本編でも書きました様に、自信が疑問に思った事って、そう易々とはひっこめる事なんて出来ないんですよ。

それを倉津君の感情の機微を感じ、自ら抑制してしまうなんて……これはもう、凄いの一言に尽きると思います♪


さてさて、そんな中。

そうやって話が一段落ついた所で、漸く、鮫ちゃんと桜井さんが戻ってきた訳なんですが。


一体、この2人は、一時間半もなにをしてたんでしょうね?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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