1219 会う度会う度、オマエって奴は……嫌いじゃねぇけど
様々な話をしながらも『無名』への誘いは一旦保留になり、その後、嶋田さん達は奈緒さんの元へ。
だが、それだけ話をしていたにも関わらず、未だに、鮫島さんと桜井さんが帰って来る事はなく『オイッ!!』っとなる倉津君(笑)
***
……っで、この後も山中のアホや、康弘。
それに、この間、ウチに遊びに来てくれた連中が、ゾクゾクと奈緒さんの凱旋ライブにやって来てくれてんだが……未だに、あのアホ2人組は帰って来る様子はない。
寧ろ、帰って来る気配すら感じない。
うん、マジでアイツ等シバキだな。
そんな風に1人でイライラしてると、そこに……
「はぁ……そんな所で1人寂しくなにをしているんですか、ポンコツ?」
「うん?」
「ひょっとしてアナタ、今日が、奈緒の凱旋ライブだと言う事すら知らずにバイトにでも勤しんでいるんですか?」
……って、言いながら。
ステラが怪訝そうな顔をして、コチラに、やって来たんだがな。
いやまぁ、そう言う表情をしたくなる気持ちも解からんでもないんだが……そんなもんは重々承知の上で、こうなってるんだよ。
けどオマエは、構えば構う程、毎度毎度面倒臭い事ばっかり言うから、その話は敢えてスルーしてやる。
俗に言う、放置プレイだ。
ありがたくプレイを堪能しろ。
「おぉ、誰かと思ったら、ステラじゃんかよ。オマエにしては来るのが遅かったな」
「ポンコツ?……私の話を聞いていますか?それともまだ人語を理解出来ていないんですか?もしそうなら本当に哀れな人ですね」
「いや、待て待て、オマエが言ってる言葉も意味も解ってるぞ」
「では、何故、私の問いに答えないのですか?」
「いや、それはだな。オマエは、こう言った事に関しては面倒臭いから、その言葉に反応しなかっただけだ」
「そうですか。では、それ自体が万死に値する行為ですね」
「はぁ?」
「死刑判決が下った以上、この場で、直ぐに死んで下さい」
「アホか!!なんで奈緒さんの凱旋ライブを前にして死なにゃあ成らんのだ?アホだオマエは!!」
……ったくもぉ。
折角スルーしてやったのに、少し構ってやれば、この有様。
なんでオマエは、いつもいつも、そう言う嫌な事ばっかり言うんだよ。
大体にして、オマエの質問に答えなかっただけで、俺が死刑にされるってどういう事だよ?
ハンガリーの侯爵夫人であったバートリー・エルベ―ジェド(エリザベート・バートリー)並みの冷血無比な殺人狂の女帝かよ!!
意味が解らんわ。
つぅかな。
偶には、そんな意地悪ばっかり言ってないで、優しく、俺に労いの言葉の1つも掛けられないものか?
そうやってバートリー・エルベジェドに似せるなら似せるで。
そんな残虐な所なんかばかり似せてないで、寧ろ、彼女みたいに綺麗なドレスで着飾る所だけ似せて、俺を労ってくれよ。
ホント、心から、そう願うわ。
(↑ステラのドレス姿が見たいだけの俺)
まぁまぁ、そうは言いつつも。
俺は、このステラ独特のノリは嫌いじゃないんだけどな。
寧ろ、好物だし。
「アホなのは真琴ですが。……いえ、正確に言わして頂くと、真琴は『救い様の無い、見るも無様で哀れなアホ』ですがね」
「がぁ!!もぉやかましいわ!!」
「やかましいのも、いつもアナタの方ですね。……いえ、正確に言えば『煩わしくも、無駄に大きな声を出す騒がしい存在』ですがね」
「……オイ、コラ、ステラ」
「なにか?」
「なんの天丼やねん、それ?」
天丼、長ゼリフ系の、お笑いの高等テクニックだなステラ。
いつの間に、そんな酷い山中症候群を患ったんだオマエさんは?
つぅか、おかしな事を学習してんじゃねぇぞ。
そう言う事を続けてると、人として再生出来ない位のお笑い芸人に成っちまうので早々にヤメレ。
別に辞めなくても良いけどな。
「いえ、これは天丼では有りませんよ。ただ、いつも通り、此処にある事実を、在りのままポンコツにお伝えしただけに過ぎませんが。なにか不満ですか?」
「オマエって……逢う度、逢う度、本当に腹の立つ女だな」
「お嫌いですか?」
「お好きですな」
「軽蔑すべきドMですね」
まぁ、あれだな。
今の俺の言葉を、そう言う風に、間違えた捉え方してしまう可能性はあるわな。
だが俺は、決してドMではないんだぞ。
知的(痴的)な言葉遊びが好きなだけな、オィちゃんに過ぎないからな。
それを踏まえた上で、オマエさんの言葉遊びに付き合ってやってる訳だけだから、変に勘違いするなよドS女。
良いな?すんなよ。
俺が、この後、この話題を綺麗サッパリ流してやるからな。
「あっそ。……まぁ、半分ぐらいは事実だから、それはそれで別に良いんだけどな」
「此処で反論されても困りますけどね」
「だな。……つぅか、オマエ。本当に、今日は来るのが遅かったけど、マジでなんか有ったのか?」
ってな訳で、此処は一発、話を転換。
まぁ、それが嶋田さんの様に上手く話しの方向を替えられてるかは、別として。
このまま話を続けたんじゃあ、ステラに本気で真性のドMだと思われかねないから、兎に角、話の変更だ変更。
もうこれ以上、そう言う余計な称号はイランしな。
「えぇ、此処に来る前に、少々所用が有りましたので、この時間に成ってしまいましたね」
「ほぉ。なんだそりゃあ?なんの用事が有ったんだ?」
「いえね。遅くなった理由は、そんな大層な話ではないんですが。この間、街を散策していたら、真琴の妹である真菜に似合いそうな服がありましたので、それを買いに行ってただけですが」
うん?
遅くなった理由自体は「真菜の服を買いに行ってたから遅くなった」っと言うものだったので、一応は理解は出来たのだが、これじゃあステラの意図がイマイチ読めねぇな。
だって、おかしくねぇか?
なんでステラが、そんなに親しくもない筈の真菜の為に服を買いに行ってくれる訳なんだ?
この間のカラオケ大会の時も、真菜と、そんな親密に会話をしてる風には見えなかったしなぁ。
本当になんで、そんな事に成ってるんだ?
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
ホント、この2人も仲が良いですよね(笑)
まぁ傍から見れば、おかしな関係に見えるのかもしれませんが。
2人共、相手の事をよく理解しているからこそ、こんな奇妙な会話でも成り立つわけですし。
なにより、この会話自体がコミュニケーションと化しているので、当然、怒るなんて事も起こりませんしね(笑)
さてさて、そんな中。
ステラさんの遅くなった理由が「真菜ちゃんの服を買いに行っていた」っと言う話なのですが。
倉津君じゃないですが、何故、そんな事に成ってるんでしょうね?
まぁ倉津君が「ある事を思い出せば」此処はアッサリ解決するのですが、果たして彼は、それを思い出す事が出来るのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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