1216 蓮校合格の確信めいた言葉の裏にあるもの

 鮫島さんの代わりをしている所に、現れた嶋田さんと椿さん。

そこで歓談していたら、偶然、倉津君の蓮校受験の話題が上がったのだが。

それを聞いた嶋田さんと椿さんが「合格出来ると思う」と言い出したので、不思議に思った倉津君は……


***


「いや、マジのマジっすか?」

「そうだね。キッチリ勉強さえしてれば、恐らくは大丈夫だろうね」

「そうッスか。……けど、なんで2人共、そんな確信めいた事が言えるんッスか?」


だってよぉ。

今の俺の実力を知らないのに、此処まで確信めいた事を言えるのって、ちょっと不思議な感じじゃね?


別に深く疑うつもりじゃないんだけど。

なんか、聞きように寄っちゃあ、社交辞令っぽく聞こえなくもないんだよなぁ。



「いや、その辺については、山中君から色々聞いてるからね」

「……って言いますと?」

「最近じゃあ、クラスのトップ10に入ってるらしいじゃないか。なら、蓮高ぐらいなら余裕でしょ」


うぉ!!何気に確信があった!!


まぁこれ自体は、ホント、眞子のお陰としか言い様がない話なんだがな。

アイツに勉強を教えて貰ってからと言うもの、面白い位に成績が上がってるんだよな。


そんで此処最近では、奇跡とも言うべきクラスでのトップテン入りも果たした。


そこに着目して貰えてるんなら、結構、この嶋田さんに意見も確信と言っても良いのかもしれないな。



「あぁ、そう言う事ッスか。他にもアイツ、なんか言ってました?」

「そう言えば、山中君曰く。『向井さんに教えられて、気が狂ったみたいに勉強してる』って、やけに褒めてたよ」


『気が狂った様に勉強してる』って……あの野郎だけは。


って言うか、それって、ひょっとしてなんですが、全然褒めてませんよね?

いや寧ろ、それじゃあ、ただのトチ狂っただけのアホみたいな感じに成ってるじゃないッスか。


まぁでも、確信が得れたんなら、それはそれで良いんッスけどね。

ある意味、俺がトチ狂ってるのも、強ち間違いない様な気がしないでもないし……



「はぁ、そうッスか」

「そぉそぉ。けど倉津君。なんで急に、そんなに勉強が出来る様になったんだい?」

「あぁ、それはッスね。山中さんが言ってた通り、眞子に勉強を教えて貰ってるからなんッスよ。それでアイツ、無駄に教え方が上手いんッスよ」

「へぇ~~~っ、具体的に言うと?」

「いや、そんな大層な話じゃないんッスけどね。アイツの勉強の教え方って、基本的に、全部が全部、遊び感覚で成立してるんッスよね。だから、俺みたいな馬鹿でも、長時間、無理なく勉強が出来てるんッスよ」


いやはや、アイツは、本当にスゲェ女なんッスよ。

俺みたいなボンクラを勉強させる為だけに、色々な方向で試行錯誤してくれてたりしますからね。


それで、こうやって実績まで上げてるんだから、マジでパネェっすよ。


・・・・・・


あぁ……そう言えば、崇秀の馬鹿も、眞子と同じ様な事をしてたな。

『なんに対しても遊び感覚でやってりゃあ、集中力なんざ切れる事なんかない』とも言ってた様な気がしないでもないし。


そう考えれば、アイツの言動って、いつも正しいんだと認識せざるを得ないよな。

元々、眞子に勉強の仕方を教えたのって言うのも、アイツな訳なんだし。


まぁでも、今は眞子の話をしてる所だから、崇秀のアホンダラァの話は置いておこう。


なんにしても、アイツを褒めるのは癪に障るしな。



「へぇ~~~っ、噂に違わない子なんだね」

「いや、ホント、あれッスよ。俺なんかの血縁とは思えない程、頭の良い奴ッスよ」

「ほぇ~~~、そうなんだぁ。だったら椿も、この間、眞子ちゃんと、もっといっぱいお話すれば良かったなぁ。なんか忙しそうにしてたから、椿、あんまり眞子ちゃんとお話出来なかったんだぁ」


おぉ……嶋田さんだけに留まらず、現役東大生の椿さんですらも、そうやって眞子に興味をお持ちですか?

まぁ椿さん自身が、元々勉強の出来る人だし、何より塾でアルバイト講師とかもしてる人だから、こういう勉強系の話には余計に興味が湧くのかもしれないな。


眞子が、俺にどういう勉強の教え方をしてるのかとかも知りたい所だろうし。


だったら、あれだな。

この機会に、今からでも、前話せなかった分を取り戻す為に、お話したら、どうですかね?


アイツなら『例の件がある』から、多分、此処の控え室に居ると思いますし。



「そうなんッスか。だったら、眞子の奴なら、たぶん此処に居ますよ」

「本当?後輩さん」

「あぁ、はい。なんでもアイツ、今日【奈緒グリ】と競演するらしいッスから、何か緊急事態でもない限り、控室の方に居るんじゃないッスかね」

「ヤッタァ~~~!!今日、そんな風に眞子ちゃんとお話し出来るなんて、椿、嬉しいなぁ♪」

「はっ、はい?ちょっと待って倉津君!!向井さんが、今日【奈緒グリ】と競演だって?それって、一体、どう言う事だい?そんな予定あったかい?」


まぁ……椿さんの反応は、椿さんらしいと言えば椿さんらしい反応だから、特に問題がある訳じゃないんだが。

此処での反応は、嶋田さんの反応の方が正しいと言えるんだろうな。


そりゃあ、こんな普通じゃあ有り得ない様な話を聞かされたら、誰だって吃驚しちまうだろうし。


まぁ、それを避ける為に、椿さんに向かってサラッと言ったつもりだったんだが。

どうやらそれも上手く行かず、嶋田さんには気付かれてしまった様だ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


奈緒グリのライブ……始まりませんね(笑)


それもこれも、鮫ちゃんと桜井さんが、お人好しの倉津君に警備を押し付けたのが問題なのですが。

それでも、こう言うライブ前の交流も、またライブの醍醐味の1つだと考えておりますので、これはこれで良いっと思うのですが……如何ですかね?


はい、ダメですね。

すみません。


っとまぁ、そんな風に作者がいい加減な事をしてる中。

嶋田さんとの話題が、眞子が『奈緒グリのライブに今日出演する』っと言う話題に移って行ったみたいなのですが。


此処をどう対処するつもりなんでしょうね?


次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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