1212 なんの話やねん、これ?

 奈緒グリライブに向けて、関係者専用の通用口に到着した倉津君。

そこで警備員として働く鮫島さんと桜井さんに遭遇するのだが、鮫島さんの「また違う別嬪さんを連れて、オマエだけは…‥」の言葉に倉津君は(笑)


***


「アホか!!この人は、そう言う人じゃねぇんだよ」

「うん?じゃあ、彼女とは、どういう関係なんだよ?言わねぇと、此処を通さないぞ」

「はぁ?オイオイ!!此処で職権乱用をかます気かよ!!」

「あぁ、職権乱用だ」


面倒臭えぇ~~!!


真上さんが、別に誰だって良いじゃんかよ!!

幾ら真上さんが美人だって言っても、オマエにとっては一切合切関係ねぇ存在なんだからよぉ!!


そんな事を気にせず、オマエ等は、ちゃんと警備の仕事をしやがれ!!


職権乱用をかましてないで働け!!



「うん?あぁ、隊長!!」

「なんだ?どうした桜井?」

「俺、この子、知ってるッスよ!!確かこの子、王家ブランドのデザイナーッスよ」


クソ!!

今まで黙ってやがったクセに、このボンクラだけは、急に喋ったと思ったら、また余計な事を喋りやがって。


なんでオマエは、そんな事だけは知ってるんだよ!!


ってか、ボンクラはボンクラらしく、ツマンネェ事には気付かず。

いつもみたいに新聞でも読んで、ボケ~~っとタバコでも噴かしてろつぅの。


イラン事言いか!!



「なに?またコイツは、そんな有名な子を連れてるのか?」

「いや、有名もなにも、寧ろ、知らないんッスか、隊長?王家ブランドって言やぁ。今、巷の女子校生に大人気のブランドッスよ。こんなの常識っしょ」

「そっ、そうなのか?」

「そうッスよ、そうッスよ。いつも商品が完売で超有名な店ッスからね」


チッ……そこまで詳しく知られてたんじゃあ、しょうがねぇ。

此処まで来たら、真上さんの正体をバラすしかねぇか。


それとも、いつものバイオレンス系で2人共ドツキ廻して、記憶を遥か彼方のイスカンダルまで飛ばしてしまうのがベストか?


……っと言いたい所なんだが。

流石に、奈緒さんを警備してくれてる人間をドツキ回す訳にもいかねぇか。


寧ろ、そんな事をしちまったら、逆に俺が警察に厄介に成っちまって、奈緒さんのライブを見れなくなりそうだしな。


仕方ねぇ、妥協して真上さんの正体を教えてやるか。



「おい、オマエ。マジかよ?」

「チッ……あぁ、そうだよ。確かに真上さんは、王家ブランドのデザイナーだ」

「うわっ、うわっ!!それにしても、この子マジパネェっすね。写真では見た事あったけど、生で見たら超可愛いッしょ」


そこの下種、うっさいわ!!

警備の仕事を忘れて、真上さんの廻りをチョロチョロしながら、ジロジロ見てんじゃねぇよ!!


つぅか!!俺の真上さんを勝手に見るな。

オマエなんぞみたいなボンクラが見たら、色々な意味で真上さんが穢れるわ!!


・・・・・・


あぁ……イカンイカン、真上さんは、俺のモノじゃないな。


毎度毎度、解ってるんだが、どうしてもこう成っちまうんだよなぁ……



「あぁっと、初めまして王家真上と申します。お仕事ご苦労様です」

「えっ?あっ、あぁっと……はいッス!!」


これも毎度の一撃か……国見のオッサンの甥っ子は撃沈か。


真上さんの純真無垢な笑顔と言う最強最大の武器で丁寧な挨拶されりゃあ、ボンクラ如きじゃあ一撃で葬り去られちまうわな。

流石『天然の魔性の女』っと言われるだけの事は有る。


とても中学生とは思えない威力だ。


あぁでも、あれだぞ。

これでも本人は、極自然に振舞ってるつもりだから、オマエになんぞに好意は微塵もねぇからな。

ただ単にオマエみたいな極潰しにでも分け隔てなく接してくれる神の様な人なだけだからな。


厚かましくも、変に誤解すんなよ。


……って言っても、誤解するわな。


相手が真上さんだし。



「つぅか、マジこの子パネェッス!!パネェッス!!マジで可愛いっしょ」


この、はしゃぎ様……ヤッパ、ダメだったか。

マジで一撃で落とされてるじゃねぇかよ。


もう誰か、なんとかしてくれよ。



「なぁ、アンタ。なんぞ独り善がりに喜んでるみたいやけど、変に誤解しなや。真上は、誰に対してでも、親切、丁寧で、優しいだけやからな。そこを履き違えたらあかんで」


まさかまさかのチビ太のフォロー!!


これはまさに「ナイスだチビ太!!」としか言いようがないフォローだな。


ホント、そこはオマエの言う通りだ!!

何1つ間違っちゃいないから、しっかりと、このボンクラの目を覚まさせてあげなさい。


こういうアホな奴は、勘違いしてストーカーとかに成りやすそうだしな。



「わっ、解ってるつぅの。挨拶1つとっても人間性が滲み出てるから、感心してただけだし。それぐらい解ってるっしょ。……ねぇ、隊長」

「か……可愛い」


はい?なんだよ鮫、その可愛いってセリフは?

奈緒さん一筋な筈のオマエでさえ『真上さんの強大で強力な魔力の虜に成っちまった』とでも言うのか?


もしそうなら……スゲェ威力だな&ご愁傷だな。



「オイオイ、鮫……」

「あの……そちらの可憐なお嬢さん。お名前は?」

「はい?なに?真上やのぅて、ウチに聞いてんの?」


はっ?はぁ~~~?

鮫の奴、なにを言い出したのかと思ったら。

その可愛いっと言ったセリフは、真上さんに向けてじゃなくて……チビ太に言ってるだと!!


えぇ……なんでそうなった?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


このアホな男連中は、出入り口付近で、なんの話をしているのやら(笑)


まぁまぁ、そうは言っても。

真上さんに飯綱ちゃんを連れて歩いてれば、男同士であるなら、そういう話題にも成っちゃうのかもしれませんね。


さてさて、そんな中。

この話題が、一体、どういう風に今後影響を及ぼすのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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