第一章・登場人物紹介

 一部、本編未登場の設定が含まれます。



 ・クサカシロウ(久坂史郎)

 好きなもの:楽しいこと、好奇心が刺激されること

 嫌いなもの:ピーマン


 本作の主人公。元は普通の男子高校生だったが、ある日の下校中に異世界に迷い込んだ。

 縁に恵まれてすぐに新たな生活基盤を手に入れた後は、持ち前のポジティブ精神で異世界を満喫する事に決める。楽しい事が大好き。空気を読むのは少し苦手であり、多感な年ごろの少女達を前にしてはたじたじになる事も多い。


 周囲の女性たちにチヤホヤと持ち上げられる事に関してはどうにも慣れない。が、元の世界でも何だかんだと女性受けは良い方で、本人は自覚が無いがそれなりにモテていた。なので必要以上に異性相手に物怖じする事もない。


 幼い頃はやんちゃな悪戯坊主だったが早くに家族を亡くし、施設に引き取られてからは家族の分まで日々を精一杯楽しく生きる事を己に誓った。なお、その施設でお世話になった年上のお姉さんへの憧れが、今でも彼の中にひっそりと息づいている。


 魔力は作中紛れもない最強。

 しかし、現在はその99%をシロウMarkⅡに移し替えており、本人が扱える魔力は本来からすると微々たるもの。

 それでも地上人の水準ではかなりの魔力量である。



 ・スツーカ

 好きなもの:一人きりの場所

 嫌いなもの:大勢の人がいる場所


 シロウと最初に出会った少女。

 当時は自分を取り巻く環境全てに対して半ば被害妄想気味に失望し、追い詰められていた。しかし、運命の出会いを経て徐々に希望と活力を取り戻していく。


 ねずみ色のくしゃくしゃ髪に陰気で小柄な外見から、周囲から軽く見られる事を自覚している。しかし似たような見た目の妹が友達に囲まれて日々楽しそうにしている事から、外見に不遇の原因を求める事自体が己の矮小さの表れと考え、ますます落ち込むという悪循環を繰り返していた。


 最初に少年と出会い自宅に招いた事を自分の人生で一番の成功だと考えており、辛くなった時にはあの日の思い出を振り返って一人で悦に浸っている。


 魔力は水準以下に低く、スツーカは己の低質な魔力を優秀な妹と比較される要因の一端として嫌っている。呪術系統に適性を持つが、それもまた彼女のコンプレックスの一つ。適性に関してはシロウには知られたくないと願っている。



 ・コペ

 好きなもの:恋愛を題材にした創作物

 嫌いなもの:虫


 シロウの隣の席の少女。

 何処となく小動物のリスに似た小柄で内気な少女で、その愛嬌のある外見と明るくコミュニケーション能力の高い幼馴染に恵まれて周囲の人間関係は良好。

 真面目で穏やかな物腰と威圧感の無い見た目から純朴な性格と見なされがちで、また当人ですらも気付いていないが、非常に嫉妬深い一面を持つ。

 特殊な成り立ちの異世界においては概念すらあやふやな”恋愛”に強い憧れを持ち、偶然隣の席で仲良くなった少年に対して密かに執着している。


 魔力は同年代の標準やや低い程度。適性は闇。

 コペ本人からすると似合わないと思っている。



 ・ナツキ

 好きなもの:友達

 嫌いなもの:孤独


 シロウの前の席の少女。

 コペとは昔からの幼馴染。ギャル風のファッションを着こなす明るい女の子。

 幼馴染をからかう事が日課。見た目に反してそれなりに優等生だが、普段の態度から周囲にはあまり認知されていない。

 最近後ろの席にやってきた少年をシーたんとあだ名で呼び親しく接しているが、これは彼女なりの照れ隠しである。


 魔力は比較的高い方。小器用な本人の気質に合わせたようにオールマイティな適性を持つが、それはすなわち器用貧乏と表裏一体である。



 ・マノン

 好きなもの:母親

 嫌いなもの:勉強


 スツーカのクラスメイト。

 由緒正しい家の長女で、凛とした立ち居振る舞いから周囲の憧れと期待を一身に背負い、特に本人が望んだわけではないが常に取り巻きを抱えている。

 厳しい教育を受けてきた影響か、つい発する言葉が厳しく聞こえがちで周囲に誤解を与える事もしばしばだが、その内面は優しく繊細な年ごろの少女である。だが、目下スツーカには怖がられ、シロウにはスツーカをイジメる首謀者として警戒されている不憫な女の子。


 魔力はかなり高く、同級生の間では五指に入るほど。大きな魔力を扱う為の技術や知識も平行して深く学んでおり、その総合力は上級生にも負けない秀才。

 適性は光。



 ・セリナ

 好きなもの:可愛い生き物(本人基準)

 嫌いなもの:苦い食べ物全般


 シロウの教室の担任。

 おっとりと柔らかで優し気な物腰が少年心にクリティカルヒットした結果、シロウの心の推しとなった女性。本人がその事に気付いているのかいないのかは不明だが、ともあれシロウを大変に可愛がっており、ちょくちょく衆目を気にせず良い子良い子と頭を撫でている様子が目撃されている。ちなみに異世界にセクハラという言葉は無い。

 魔導生物に深い造詣を持ち、学生時代は専攻していた。教師となってからも魔導生物に対する興味は尽きず、家に自作した小さな魔導生物を複数飼っている。


 魔力は平均的だが、その扱いに長ける。本人の嗜好に反して生物創造に適性を持たないが、長年の努力で技術として身に付けた。本来の適性は水。



 ・キサラ

 好きなもの:獲物を仕留める快感

 嫌いなもの:夢を否定する人


 スツーカの妹。今ではシロウの妹分でもある。

 幼い頃は姉にべったりだったが、段々と姉が心を閉ざしていった事に影響される形で距離が出来る。今でも姉の事は慕っているが、一方で捻くれた性格になった姉を内心で心配していた。シロウが現れてからは、姉を任せられる人物の出現に密かに安堵している。

 姉と同じくねずみ色の天然パーマ髪。明るく自信家で、その振舞いから姉と違って友達が多い。

 将来の夢は狩人。数年前、友人達と野に遊びに行った所で魔物に襲われ、あわやという所を近所に住む狩人のお姉さんに助けられ、その時の雄姿に憧れを抱いた。


 魔力は優秀。同世代の中でも早くから具体的な目標を持って努力しているだけの事はあり、元々の才覚も合わさってその成長は目覚ましい。

 適性は身体強化。身体の一部に魔力を込める事で一時的に身体能力を爆発的に伸ばす事が出来る。



 ・エリス

 スツーカとキサラの母。娘が連れ帰ってきた見ず知らずの少年をあっさりと受け入れる度量の広さを持つ。お役所勤務。


 ・オニキス

 見目麗しい黒髪の天上人。防人として、侵略者の手から世界を守護している。

 一見融通の利かない頑固者だが、一度懐に引き入れた相手には彼なりの優しさを見せる事も。


 ・トパーズ

 見目麗しい金髪の天上人。防人として、侵略者の手から世界を守護している。

 その態度から他人に飄々とした印象を与えるが、これは彼が意識して振る舞っているに過ぎない。

 昔の彼はあまり表情を動かす方ではなく、オニキスとバディを組むようになり自分なりに打ち解けようとした結果として誕生した、一種のキャラ付けである。

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