風の声

朝、海辺を歩いていたら、ふと風が止まった。先程まで、平穏に風をたなびかせていたというのに。

「ああ、朝凪か」

友人の声が、鼓膜を振るわせた。

「……お前が、止めたのかと思った」

「まさか」

幽霊は、そんな事出来ないよ。

俺は、友人の声がする方を向いた。

友人の姿は、相変わらず見えない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

140字小説まとめ15 @anything

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る