風の声
朝、海辺を歩いていたら、ふと風が止まった。先程まで、平穏に風をたなびかせていたというのに。
「ああ、朝凪か」
友人の声が、鼓膜を振るわせた。
「……お前が、止めたのかと思った」
「まさか」
幽霊は、そんな事出来ないよ。
俺は、友人の声がする方を向いた。
友人の姿は、相変わらず見えない。
140字小説まとめ15 葵 @anything
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