第7話
何か大切な・・・・・・忘れている。
2ヶ月程、城を離れ視察に出掛けていたがその間、何処で何をしていたか思い出せない。
ロマネスク隊長はシルビアとユージンの話をしていたら全く違う言葉を発していた。
ユリアス王太子殿下はロマネスク隊長は旅で疲れ意味の解らない話しをしている、俺の命令で
・・・・・・あれ!何しに行った!
暫くすると視察に出掛けたことも記憶から消えていた。
城に戻ると俺の専用侍女シルビアと彼女の息子ユージンを紹介された。彼女を見ると何だか懐かしい、心の奥が暖かくなるんだ何故だろうか?
私が、ユリアス王太子殿下に私達の関係を語ろうとすると言葉が出なくなり困惑していた。
「私はユリアス王太子殿下専用の侍女です、それから息子のユージンです宜しくお願い致します」
可愛らし子だな俺にもこの子くらい、の子がいてもおかしくない歳なんだが。
「ユリアスだ宜しく頼む」
ぺこっとお辞儀をして挨拶していた。
「ユージンでしゅう、よろしゅく、おねがいしましゅう」
本当に可愛い子だ何だか胸が熱く鼓動が響いて俺はどうしたのか?
次の日から、ユージンと遊んだり勉強を教えたりしていた、物覚えが早く剣術も筋が良いので子供の頃、使っていた剣を渡すと、とても喜んでくれて嬉しかった。
食事も侍女シルビアとユージン3人でする事が多くなった。
侍女シルビアは、私は侍女なので、ご一緒できませんと話していたが王族の命令だと言われて一緒に摂る事を承知した。
シルビアからの提案でシルビア達の部屋での食事になり小さなテーブルに向かい合い座り食事を始めた。
この時、懐かしい光景が脳裏に浮かんでシルビア親子と一緒に過ごして・・・・・。
頭が痛い!混乱しているのか?
親子団欒の幸せな時間だが、3人とも複雑な心境でシルビアは毒で眠っていた事を話そうとすると声が出ない、息子の父親が誰かを話そうとしたら声が出せない。
ユージンは、おとうしゃまを呼ぶと声が出なくなる仕方なく。
「おうたいしゃま、ぼくを、おぼえてましゅか?」
「すまない、覚えていない、だが沢山これから話せばきっと思いだすよ」
「あーい」
おとうしゃまは、おかあしゃまとボクのことをわすれてる!でも、オモイダシテくれるよね!
「今日の料理はシルビアが作ったのかな?」
「はい、ユリアス王太子殿下が好きな物ですよ」
「パンも君が焼いたのか?」
「気に入りましたか?」
「ああ昔、誰かが作ってくれた物に味が似ている」
「そうですか良かったです」
私を覚えていなくても、好きな食べ物の味は覚えているんだは良かった希望はある、これから毎日色んな食事に、お茶も出してみましょう。
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あれから会う事もなく3年が立ちました。 尾道小町 @onomiti3145
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