第6話




この国には妖精の木を見付けて願い事をすると叶えてくれると言う昔話しがある。



藁にも縋りたい気持ちの俺は城にある図書室で色々調べていると妖精の木は見える者にはダイヤモンドのように輝いていてる木ですと、書かれてある。



見えない者には、普通の木にしか見えず国中を歩き回り探すしかないらしい。



見えたとしても妖精王に嫌われると願い事は叶えられず、その者は粒子になりその場で消えてなくなる。



今までの妖精の木はイラス国から発見されたのが多いようだ願いが叶ったのは1度だけで確率が低い。



ほとんどの者達は消し炭になっている!



ユージンに、必ず妖精の木を見付けて願いを叶えてもらってくると、約束して旅に出ることにした。



旅の共には親衛隊ロマネスク隊長と隊員2人とイラス国に向かうことにした。



イラス国まで着くのに1ヶ月掛かったこの国は半分以上が砂漠で本に書かれていたことは妖精の木はその砂漠のオアシスの何処かが妖精の木の栽培地だと書かれていた。



仕方ないからイラス国のオアシスが載っている地図を頼りに探索をはじめた。



1日目のオアシスには水飲み場に普通の木々と草花が咲いて休憩所が有り宿泊もできるようだ。



休憩所の個室を借りて休んでいると支配人が挨拶にきて話した。



『明日、西の奥にある木を見たら貴方が探してる木を発見できるでしょう、恋人の病は回復するはずです』



そう話すと消えていた。



支配人の話しが本当かどうかは確かめようが無いが、朝出掛ける前、支配人に訊ねると昨日のその時間は用事で出かけていたと話していた。



あの男は、誰だったのか?



早朝になりユリアス王太子殿下にロマネスク隊長とソレイユ隊員とユリアン隊員4人で西の奥にある木を探しに向かう、朝日は東から昇るが朝日より明るく西だと解る程、虹色カラーで光っていました。



その虹色カラーの木までたどり着きその輝きの虜になりそうなのを、グッと我慢して心の底から愛する恋人が毒で意識不明になり、ユージンは自分のせいだと今も泣きながら母親の意識が戻らない事を嘆き悲しんでいる事などを妖精の木に触れながら祈りを捧げていた。



祈りを捧げて3日食事をせず、水だけ飲んで祈り続け虹色カラーより明るく美しい男性とも女性とも言えそうな妖精の頂点が現れた時ユリアス王太子殿下は跪きその神々しい妖精王を見詰め、妖精王だと確信した。



妖精王は話された。

〘お前は、恋人が毒で意識不明になっている彼女を目覚めさせたいのか?〙



「はい、彼女は4歳の子供もいます、目覚めたら俺は何でもします」



〘ユリアスよ!彼女と息子の記憶だけ消すが良いか?これから1年その間にもう一度お前が2人を愛することができたら、彼女はそのままお前達と暮らし仲良く歳を重ねる事ができるが、ユリアス、お前が彼女への愛を思い出せないようなら、シルビアと息子は俺の者だ2度と2人には会えないだろう〙



躊躇うこともなく妖精王と契約をしていた。

「解りました約束します、どうかシルビアを目覚めさしてください」



〘では、その願い叶えよう〙



目の前で光輝いたと解った瞬間、妖精王の声が消えて同時にユリアス王太子殿下は気を失っていた。







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