第4話 宇宙移民局への問い合わせ
「で、どこにいるのか、わからない神官エルフを探せと言いたいのか?」
エリザベスが口を挟んだ。
「偶然でも出会えればラッキーなレベルだよ」
アイマクはさらりと言った。
そもそも、神種がどこにいるのか、分からない状態だ。その神種に仕える神官エルフもその側にいることを考えると、見つけるのは至難の業だろう。
「じゃあ、どうしたら良いんだよ」
「お金をかけずに解決する方法は、この二つしかないんだけど、残りの一つは確実にエルフの医者に出会える方法がある。でも……」
アイマクは腕組をして考える。
「でも、なんだよ。じらすなよ」
エリザベスは、怒り気味だ。
「当然お金がかかるよ。宇宙に行かないといけないからね」
「宇宙!」
一同が驚きの声を上げる。
「アルフヘイム星のリング城には、エルフの医者がいると言われている。そもそも、アルフヘイム星は、環境が厳しいからノーマルが住めるような星じゃないらしいからね」
アイマクの言葉にエリザベスは考え込む。
「本当に宇宙にエルフがいるのか?」
エリザベスは悩まし気に聞いた。
「アルフヘイム星は、地球人、人類が初めて発見した、地球系外で住める惑星なんだよ」
「でも、さっき、環境が厳しいって言ってなかったか」
「砂嵐が激しい星だと聞いているよ。だから、砂嵐をなんとかコントロールするための開拓をエルフたちが移民してやってるらしいよ」
「その移民の中にエルフの医者がいるのか?」
エリザベスが聞いた。
「初めての宇宙移民だからね。だから、もしもの時の為の備えとしてエルフの医者が同行したんだよ。たったの一人だけだけどね」
アイマクが言った。
「じゃあ、問題がないとわかったら、地球に帰ってきているかもしれないよな」
エリザベスが言った。
「確かに、その可能性がないとは言えないね。ちょっと調べてみるよ」
アイマクはスマホを取り出すと操作を始める。宇宙移民局広報部のメールアドレスを調べる。そして、アルフヘイムにエルフの医者がいるか、質問するメールを送付した。
「どのぐらいで返事がくるか分からないけど、返事が来たら教えるよ」
アイマクが言うと、エリザベスは悩みだす。
「返事って誰の?」
「あ、ごめん。宇宙移民局にアルフヘイムにエルフの医者が今もいるか問い合わせたんだよ」
「その宇宙何とかに聞くと医者がいるか分かるのか?」
「まあ、確証はないけど、最悪どこに問い合わせればわかるか、ぐらいは教えてくれると思うよ」
「頼れるのか、頼れないのかわからんな」
「僕は人類史の研究者であって、なんでも屋じゃないよ。でも、宇宙のことを問い合わせるなら、宇宙移民局に聞くのが良いことぐらいは、知っているよ」
一般常識である。
「なんか俺のことバカにしてないか」
「なんでそういうことになるのかなぁ。とりあえず、返事が来るのを待ってくれる」
「返事はどれぐらいで来るんだよ」
「今日はもう窓口業務の受付時間外だから、早くて明日だね」
「なんだよ。待っても今日はダメなのかよ」
「ということだから、連絡先教えてくれる。返事か来たら教えてあげるから」
「連絡先って、この店の開店時間なら、ここにいるよ」
「そうじゃなくて、電話番号ね」
「俺。電話持ってないよ」
アイマクは、ショックを受ける。
「それじゃあ、この店の開店時間になったらここに来れば良いのね」
「そう言うことだな」
アイマクは溜息を吐く。
「それじゃあ、お酒もらったら、今日は帰らせてもらうよ」
ラルゴが作ったカクテルのお代わりをもらい、アイマクは飲み始める。
「ただ酒は美味いねぇ」
アイマクはお酒を飲み終えると、店を出ていく。
ラルゴの奢りだったので、滅茶苦茶飲んで行った。
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