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青空とは無情だと、つくづくそう思う。
それはいつだって、私を遠くから見ているだけだし、朝が来れば、瞼と目を通して私の脳を揺すり起こす。
今日もそうだ。
薄明の淡い朝日に、私は目を覚まさざるを得ない。
錆び付いた日々を、昨日と同じ憂鬱を。
目を覚ますことは、本のページをめくることに似ていると、そうも思う。
これまでの文脈からある程度の予想はたてられるけれど、ただの一文、一瞬で全てが変わってしまったり、逆に停滞し続けることもある。
私という物語は、ずっと後者だ。
こんな味気ない、埃の着いた磨りガラスみたいな物語を、ぱたりと閉じて、次を読み始めたい、次を歩みたいと思うのに。
脳が雨雲になる。
雨樋としての涙腺は機能していない。
でも、ああ、よかった。
今日の空は、ずっと青くない。
私と同じ灰色の空が、代わりにとでも言うように、泣いてくれている。
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