第11話 みんなと夏祭り
7月25日。今日は夏祭りだ。俺は一昨日母さんと買いに行った服を着ていった。
「えっと…、みんなどこだ?」
「お。諒。こっちだこっち。」
みんなを探していると吉藝先輩がいた。こっちに向かって手を振っている。
「あ、吉藝せ、んぱ…い?」
そこにいたのは、後ろ髪を、ハーフアップで結び、前髪を上げ、耳にはピアスをしているイケメンがいた。
「え、っと…先輩ですか?」
「うん。俺だよ。ちょっといつもと雰囲気違うから分かりにくいだろ。」
「いや、ちょっとどころじゃないと思いますけど…。」
「あ、タトゥーもあるぞ。見るか?」
「いや、いいです…。」
なんかいつもの先輩と違うな、と思いながら待ってると
「お待たせー!浴衣の着付けに戸惑っちゃって!」
瀬奈先輩が来た。瀬奈先輩は桃色の浴衣を着ていた。
「おー。なんか吉藝のその姿見るの久しぶりだね。最近遊んでなかったからね。」
「あぁ。俺も久しぶりにピアスつけたよ。」
二人が話していると、俺は気になっていたことを聞いた。
「吉藝先輩って、いつからピアスつけてるんですか?」
「んーっと…、中学3年からだ。もちろん内申とか関係なくなって、高校決まってからだけど。」
「結構前からつけてるんですね。」
「あぁ。」
そんな話をしていると
「吉藝。」
「なんだ瀬奈。」
「私の浴衣はどうだ。」
そんなことを聞いてきた。
(え…?普通そんなこと友達、しかも異性に聞くか…?だとすればもしかして…。)
そんなことを考えていると
「だから、毎年言ってるだろ。似合ってるよ。」
「~~!」
自分から聞いたのに、瀬奈先輩、顔赤いよ。
「もう一つ毎年言ってること言っていいか?」
「…なに?」
「帯、少し緩いぞ。ちょっとこっち来い。」
瀬奈先輩は言われるがまま、吉藝先輩のところへ行き、帯を締めてもらった。
「どういう絵面ですか?これ。」
「私も聞きたいですね。」
「おう、煌雅と巴か。今、瀬奈の帯締めなおしてるんだよ。」
そんなやりとりをしている中で瀬奈先輩は
(あ、さっきよりもっと顔赤くなってる…。)
とても恥ずかしそうだった。しかし、少しにやけている気がする…。
「よし、終わったぞ。…で、個人的には、お前ら2人が一緒に来ていることを聞きたいんだがな。」
俺も少し気になっていた。
「いや、俺と巴のアパートが一緒でそれで一緒に来たんですよ。」
「…まぁ、そういうことにしとこう。」
「「だからそういうのじゃないんですってば!」」
綺麗にハモった。
「あれ?私が一番最後ですか?」
その声は聞きなじみがある声だった。
「あぁ月さん。来た、ん、だ…。」
俺は一瞬で、目を奪われた。
白色で朝顔が描かれた浴衣に、髪は長い髪をお団子にして、後ろで止めている。
とても綺麗で、形容する言葉が出てこなかった。
「わーお。月ちゃん綺麗!」
「本当ですね。」
2人がそう言ったあとに
「諒くん。どう、かな…?」
「…綺麗だよ。すごい似合ってる。」
やばい、恥ずかしさで死にそうだ。
「そうなの…!ありがとう。……よかった。」
「はーいそこ。イチャイチャしないの。」
「「してないですよ!」」
綺麗にハモった。なんか見たことある。
「まぁ、全員揃ったし行こうか。」
みんな吉藝先輩について行く中、俺と月さんは照れながら、後ろでついて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます