第6話 新入部員がやってきた

 「あ、そうそう。うちのクラスに入部希望者がいるんだ。入れてもいい?」

 「お前…、急に拉致っといてそんなこと言うのか。」

 煌雅が、俺を捕まえといてそんなことを言ってきた。

 「いやー、ごめんごめん。見つけたからつい。」

 「やめてそんな陽キャのノリ。俺嫌いだから、そういうの…。」

 これでは部室に着く前に陽の気で溶けてしまう。

 「まぁ、そんな話は置いといて。いいか?入れるの。」

 「そんなの個人の自由でいいじゃん…。体験入部させて、合ったら入部でいいんじゃない?」

 「おお!その手があったか!」

 「いや…、普通こんな感じでしょ。」

 やれやれ、煌雅のバカ加減にはため息が出る。

 「じゃあ今日連れてくるから、先部室行っといてー!」

 「え、えー!ま、待って!心の準備がー!」

 そんな俺の言葉は届かず、煌雅は教室に行ってしまう。

 ***

 「こちら、体験入部の巴さんでーす!」

 「どうも、よろしくお願いします…。」

 なんと、連れてきたのは学園三大美女と言われる木岡 巴だった。

 「どうも、諒です…。」

 「どうも、月です。よろしくお願いします。」

 「月って…、あの月さん?」

 ここでもそんな話をされるのかと月が嫌な顔をすると…、

 「ゲーム実況者のTsukiさんですか?」

 ピシッ

 月が固まった。

 「…そうですが。」

 月が顔を斜め後ろにしながらボソッと言った。

 「やっぱり!あのTsukiさんですか!私大ファンなんです!」

 月が珍しくアタフタしている。

 「あ、あのー巴さん?月さんのHPはもう0だからやめてあげて?」

 「( ゚д゚)ハッ!」

 …人が顔文字通りの顔になるとこ初めて見た。

 「コホン。推しに出会えたことで少々我を失ってしまいました。ところで吉川さん。このゲーム部では具体的に何をするの?」

 吉川というのは煌雅の苗字のようだ。

 「えっと、具体的には18禁の以外だったらなにしてもいいよ。大会が近いときには、そのゲームの練習をしたりかな。」

 「ふーん。結構自由度高いのね。」

 「ちょいちょい」

 俺は煌雅に手招きされて顔を近づける。

 「お前たちにやった親睦会なんだけどさ。やったほうがいいかな?」

 「さぁ…、わかんないけど、やる?」

 「やるか!」

 納得したようだ。

 「よし!巴!親睦会やるぞ!」

 「へ?親睦会?」

 「ああ!」

 巴さんという新しい仲間を加え俺たちゲーム部は新しく戦力を拡大したのだ。

 あ、ちなみに親睦会はどうなったのかというと、月と煌雅が2対1の状況を作ったのだがあっさり負けていた。

 

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