第2話 まさかの共通点

 「ねぇねぇ、入江さんって普段何してるの~?」

 教室の中心に固まっている女子たちがうるさい。

(はぁ……、休み時間くらい静かにしてくれよ……。)

 その女子たちの中心にいるのが転校してきたばっかりの入江 月である。

 彼女はどうやら今をときめく大人気モデルらしい。いろいろな雑誌の表紙をかざっていて、高校生を中心に人気がある。

 「そうですね……。あまりなにもしていないのですが、強いて言えばゲームをしたりアニメを見たりしています。」

 (なんだとっっ!!)

 俺の視線が一気に彼女のほうを向く。

(いや待て……。ただあいつらを追い払うために言った嘘かもしれない……。いやでも本当だったら……。)

 俺の頭がいまだかつてないフル回転をしている。

 そんな考え事をしている俺に向かって彼女が視線を向けているとは知る由もなかった。

 さて、 わが校にはゲーム部なるものが存在している。まぁこの部活ができたのも今年からなのだが。

 俺は当然この部活に入る。入部届を持って部活に行くと、この部を創部した部長さんのような人がいた。

 「おっ。君、入部希望?」

 「あっ……。えっと……。」

 しまったどうしよう。こんなフランクに話しかけてもらえると思ってなくて言葉に詰まってしまった。

 「まぁそんなに緊張すんなって。俺の名前は煌雅。2年生だ。」

 「俺の名前は諒……。俺も2年生。」

 「お!まじ⁉いやー同じ学年の人入ると思ってなかったんだよねー。ありがと!」

 煌雅は屈託のない性格で、絡みやすそうな性格だ。

 「お。そこのお姉さんも入部希望?」

 「はい。お願いします。」

 綺麗な声がすると思って後ろを振り向いてみると、そこにはどうやって抜け出してきたのかわからないが、入江 月が立っていた。

「うちはいつでも大歓迎!来るものは拒まず!だよ!」

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