他の誰よりきみが好き
霜月 識
第1話 月とスッポン
「っはあぁ~…ねっむ…。」
そんな間抜け面をしながら歩いていると
「でっっ!!」
電柱にぶつかってしまった。
「いててて…」
俺の名前は周防 諒。今日から高校2年生だ。朝から電柱にぶつかってみっともない姿をさらしてしまったことは忘れてくれ。
「朝までゲームしなきゃよかった…」
そんなため息をつきながら少し歩いていると、
「はぁ…着いちゃったなぁ…」
俺が陽キャの次に苦手なもの。それが学校である。
なんで将来使いもしない数学や理科などをわざわざ教えてくるのか。そして成績が悪かったら強制的に補修って…。
まぁ、そんなこんなで俺は学校が苦手だ。
今年もただ退屈な毎日が続くだけ。
クラスに入ると、もう友達どうしで固まっているところもあった。俺は自分の席に着くと
「始業式終わったら…何しよ。」
まだ全然先のことを考えていた。すると誰かがでけぇ声で
「おい!このクラスに転校生来るってよ!!」
まさかの急な転校生くるぞ問題。まぁ学園ドラマでありありな設定だが、俺は他人事のように考えていた。
始業式が終わり、いよいよその転校生のお披露目となった。
「皆さんこんにちは。入江 月と申します。一年間どうぞよろしくお願いします。」
そのクラスにいた担任以外の全員が固まって、その転校生に釘付けだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます