プログラマーたち

 メンテナンスの順番としては、ずはのんあまを軽くかくにんしてバグがなければのんの修理と点検がその次。あまのバグの原因探しには時間がかかる可能性が高いのと、バグを起こしにくいプログラムでふんつかむ方が良いだろうということで、あまの本格的なデバッグは最後となった。

 あまをじっと見つめていたのんが、うなずく。今のあまは特に暴走状態にはなく、予定通りのんの作業から取りかかることが決まったしゅんかんだ。

はたから見ていても、全くわからないっすね」

 せいが言うわからないとは、のんつうしんし、機械のプログラムにかんしょうしているかどうかが外から見ていても判断できないと言う意味。

「電波は結構出てるみたいよ?」

 眼鏡型のたんまつを装着しているふうは、どうやら、宙をう電波の様子を観察していたらしい。何処どこまでものない情報屋である。

「それでは、お願いしますね」

 のんはそのままきゅうごしらえの作業台に上がり、身体からだを横たえる。まもなく、完全に電源を落としたのだろう。人間のたいとして行っていた呼吸もふくめ、いっさいの動きを止めた。

 文字通りのにんぎょうと化したのんのうなじ付近をあまさわり、ずるりとケーブルを引きずり出す。たんせいの商売道具につなげば、画面に大量の文字がおどった。

「一応、ちゅうしゃくは付いているんっすね?」

 意外そうなおもちでつぶやせいの目は、画面からはなれない。

「うん。いつ何時、何が起こるかわからないからね。ボクが書いた部分には、そうとわかるようにちゅうしゃくを付けたんだ。ただ、問題は思考を担当している部分なんだよ」

 あまが言うのとほぼ同時に、せいけんしわが寄る。

「ここはぐに変わっていくんだ。いくつかのパターンはあるみたいなんだけれど、正直、プログラミングはボクも勉強ちゅうだったから」

「なるほど、これは大仕事になりそうっす」

 画面にぼっとうし始めたせいあまを見守っていたおんだったが、ふと視線を感じて向きを変えた。視線の主、ふうは、のんのプログラムが表示された画面ではなく、おんをひたとえていた。

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