第2話 プレイ開始
聖域【エルデン山の神殿】
モノづくり系VRMMOストラテジーゲーム〈エルダーズ・リヴァリィ〉。
私は斗賀野景都は他には無い現実への換金要素があるモノづくり系VRMMOストラテジーゲームを今日から発売日から始めました。
1〈ソー〉(ゲーム内通貨)1ソー = 0.001円という割と堅実なところに好感が持て掲示板でテストプレイヤーたちから情報収集しながら始めました。
私はもともとゲーム好きでSRPGやストラテジーゲームなどの新作ゲームの発売日には必ずプレイするタイプでした。
逆に先行プレイヤー、テストプレイヤーたちが攻略情報を豊富に共有しているおかげでスムーズにゲームを進められるという期待もありました。
ケイト Lv1
種族 獣人族〈山羊〉
ジョブ 刻印師
サブジョブ 刀鍛冶
初期服 【2-1n-1シャツドレス・ウエスト絞り付き】
【スパッツ】(インナー露出防止のため)
※下着も決めれます。(最初キャラメイクしようとしたら陰キャのリアルな私の身体の全裸だったため急いで身体をカスタマイズし上下黒という汚れても大丈夫な下着を選択した)
私は神殿の台座で寝た状態で周りを確認し「よっこらっ、せっ!」と飛び起きます。
鏡があったので容姿を確認します。
金髪紅眼にやや癖毛、褐色肌に赤縁眼鏡、山羊角、膝まで山羊脚? 太ももから人間の脚ですね。
スカートは短めのローマの映画に出てきそうな民の服って感じでしょうか?
現実は陰気な眼鏡なのでゲームでくらいキャラ変したいですよね?
気分はウキウキです。
そこへ一人の青年が山道を入り神殿に入る。
本来なら生還以外で入ってはならない生者の禁足地。
その青年は獣人〈山羊族〉にして〈山羊族長の跡取り息子〉。
黒縁眼鏡に黒目黒髪のミディアムヘアの癖毛に褐色の肌、山羊角に山羊脚の膝で絞られたズボン。
【ニッカポッカ】または【ヴェルトパンツ】を着ている。
巻き紙を手にし喘ぐ息を整えて名を呼ぶ。
「ケイト様」
頭を下げ、膝をつく山羊の獣人、ヤクモというNPCらしいです。
「王都ハイデルシアの王ルヴァレン様からの命によりケイト様には〈開拓者〉にと命じられています、拝見しますか?」
ヤクモは巻き紙を献上する姿勢を見せる。
ケイトは巻き紙を開きそれが一瞬何語?
と思った瞬間に瞬時に言葉が訳されたのを見て驚きます。イメージ映像付きで。
『ケイト殿に王命を下す。
これより王国のため未開の地を開拓し領土を広げよ。そして開拓者といずれなるであろう領主を名乗る事を許す。
なお開拓の際モンスターが蔓延る大地ゆえに
貴殿に【テイム】能力を授けた。
貴殿には見所があるゆえ心配は要らぬと存じるが
魔法の使い方が載ってある本とポーションを渡しておこうと思う。
マジックバックに入っているからマジックバックは好きに使うと良い。
ルヴァレン王より』
空から鷲の目になったかのようにこの広い大陸や世界が一瞬に脳内に駆け巡る。
(アレはモンスターで、アレは屋台で目まぐるしく変わりますね)
最後は太陽の方に向かって光の眩さに両手を前に目を瞑ると巻き紙を持った状態に戻っていた。
(何、今の)
「ケイト様?」
マジックバックを受け取る。
「ハッ! なんでもありません! 確かに受け取りましたよヤクモさん」
「では同行の許可を」
「え、なんでです?」
「父から見聞を広めよとの事で」
〈ヤクモを相棒にしますか?
YES/NO〉
(ああ、コレ! 異性のサポートキャラを最初に手に入れる導入ですか!)
YESを選択。
「ありがとうございます、ケイト様」
「その、さ、ケイト様辞めてください。立場的にも上なのは貴方ですから」
「では、ケイトさんと」
「ケイトで」
「••••••ケイト」
〈親密度が上がりました〉
(ハッ! いかんいかん! つまみ食い程度に恋愛があるからといってメインはそこじゃない!)
八割方恋愛を目当てにしているプレイヤーも居たりはするのだが。
そこには気づかないというより目を当てたくないケイト。
「とりあえず私は戦闘がしたいのですが」
「なら【訓練所】に向かいましょう」
「【訓練所】以外にも【刻印師の工房】もあるのでぜひ寄りましょう」
「ご丁寧にありがとうございます」
お辞儀をするケイト。
〈好感度が上がりました〉
だからそれは良いって。
ーーーー
訓練所は石造りで出来ており屋根は草葺き屋根。
窓はステンドグラスに重厚な木製の扉。
外壁は苔と蔦が絡む石壁。
庭園には武器置き場と訓練器具。
訓練所の近くには戦士の霊廟があり訓練所には展望台も備わっている。
訓練所には訓練用の人形が設定されていた。
「いくら傷つけても構いません。すぐに自動で修復されるので」
腰に下げていた刀を抜く。
剣を構え訓練用の人形に向かって攻撃を開始する。
最初は不器用な斬りつけだったがケイトは徐々に動きを熟練させ正確な攻撃を繰り出すようになっていった。
ケイトは集中し次第に自分の限界を超えていく。
剣術の技術が向上すると同時に身体能力も向上しているのを感じた。
〈レベルが上がりましたLv1からLv2へ〉
それは起こった。
訓練用の人形が、動いた?
「訓練用の人形ですが戦っている相手より少しだけ強いステータスになり戦います! 気をつけて!」
木刀をぎぎぎっと刀で受け止める。
私はジョブは〈刻印師〉ですがサブジョブは〈刀鍛冶〉という生産に特化したジョブスタイル。
戦闘は不得手です。
山羊脚で人形の腹に向かって蹴り飛ばし軽く吹っ飛ぶ人形に(どうやら私たち山羊族は脚力が凄いようで)距離を作る。
「それを! 先に! 言って! 欲しかったっ!」
再び猛突進で向かってくる人形。ケイトは必死に応戦しながら徐々に戦闘技術を磨いていく。
「ヤクモさん! アドバイスをください! この人形! どこが弱点ですか!」
ヤクモは真剣な表情で「関節部分が比較的脆いです。そこを狙って!」
ケイトはヤクモの指示に従い関節部分を狙う攻撃を続ける。
数分後ついに人形を倒すことに成功する。
〈レベルが上がりましたLv2からLv3へ〉
ケイトは汗だくになりながら剣を収める。
ヤクモから水が入ったコップを渡される。
「お疲れ様です」
「労いの言葉感謝致します」
〈親密度がさらに上がりました〉
「お腹空きましたか?」
「え、ええまあ」
「なら良い店知っていますので行きませんか?」
〈ヤクモからのお誘い
断りますか?
YES/NO〉
NOを選択。
「では行きましょうヤクモさん」
私はヤクモさん行きつけの店に行く事にした。
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