第3話 刻印師の工房
行きつけの店とは〈山羊のひげ亭〉らしい。
木造の建物で屋根には草葺きが施されてある。
外壁には木彫りの装飾、広々とした大広間には大きな木製のテーブルとベンチが並べられています。
中央には暖炉があり寒い日には薪が燃え、壁には古代の武器や盾が飾られており戦士たちの誇りが感じられます。また地元のアーティストによる絵画やタペストリーも飾られている。
ヤクモがケイトにメニューを渡す。
・野菜と豆のシチュー
山の新鮮な野菜と豆を煮込んだ栄養満点のシチュー。体を温め元気を取り戻すのに最適です。
・ハーブ入りポテト
新鮮なハーブと一緒に焼かれたポテト。カリカリの外側とホクホクの内側が絶妙なバランスです。
・クリームチーズのディップ
自家製のクリームチーズを使ったディップでパンやクラッカーと一緒に楽しめます。
・ハニーメープルプリン
山の蜂蜜とメープルシロップで作られた滑らかなプリン。甘さ控えめで口当たりが良いです。
・ベリーのタルト
新鮮なベリーをふんだんに使ったタルト。サクサクの生地とジューシーな果実が絶品です。
・精霊のエール
特製のエールで精霊の祝福を受けたと言われる酒。飲むと元気が湧いてくると評判です。
・ハーブティー
山で採れた新鮮なハーブを使ったお茶。リラックス効果があり疲れた体を癒します。
「どれも美味しそう」
「悩むなら全部注文すると良いでしょう。入りきらない分はマジックバックに入れるのが良いでしょうね」
「ありがとうございます」
〈山羊のひげ亭〉の店主はシャイらしく
滅多に顔を客の前に出さないらしい。
「何故です?」
「あがり症なんだよね彼」
少しヤクモが砕けた口癖になりびっくりします。
「店主は忙しくて滅多に顔を出さないが料理を運んでいる時に少しだけ姿を見せることがある」
ヤクモが説明する。
「あ、お金」
奥から獣人族〈山羊族〉の女性が出て来る。
「2600ソーになります」
〈ソー〉とはこの世界の共通の通貨です。
「ありがとうございます」
「ルミエラ、アイツは相変わらずなのかな?」
ルミエラは困ったなと髪を弄ります。
「ええ、夫は見ての通り内気で」
「美味かったと伝えて欲しい」
「とても美味しかったです」
頭を下げる。
〈ルミエラからの好感度が上がりました〉
〈山羊のひげ亭〉から出ると【刻印師の工房】へと案内される。
【刻印師の工房】〈エンブレイズ・サンクタム〉
工房の外壁は山から切り出した石と地元の木材で作られている。
石壁には古代の刻印やシンボルが彫られており木材部分は精霊の加護を象徴する彫刻で装飾。
屋根は緑の苔と草で覆われており自然と調和したデザイン。
屋根の頂点には魔法のルーンが刻まれた石碑が立っている。
扉は重厚な木製のアーチ状の扉がありその表面には複雑なルーン文字が刻まれている。
扉の上には刻印師のシンボルである火の精霊が彫られた看板が掲げられており入り口の両側には魔法のランタンが設置されており夜には柔らかな光で周囲を照らす。
工房の周りにはハーブや魔法植物が植えられた小さな庭園がありメインルームの広々とした作業スペースには大きな作業台がありここで刻印作業が行われる。
作業台にはルーン石や魔法の道具が整然と並べられている。
壁には古代の巻物や図面が飾られており刻印の技術や歴史が一目で分かる。
また精霊を象った彫刻やアート作品も展示。
ルーンの書庫が作業台の背後には書棚がありそこには古代の刻印術に関する書物や巻物が収められている。
これらの書物は刻印師が研究や学習に使用。
書庫には魔法のランプがあり柔らかな光で書物を照らす。
この光は目に優しく集中力を高める効果があります。
「この魔法のランプは古代の技術を使って作られており非常に希少なものです。目に優しい光を放ち集中力を高める効果があります」
ヤクモが説明する。
壁際には刻印師が作成した武器や防具が展示。
これらは特別な魔法効果を持ち工房の技術力を示している。
ガラスケースには特殊なクリスタルやエッセンスが展示されておりこれらは刻印に使われる貴重な素材。
工房の中心には精霊の祭壇がありここで精霊への祈りや儀式が行われる。
祭壇には精霊の象徴である火の石が置かれている。
祭壇の周囲には瞑想用のクッションが置かれており刻印師や訪問者が静かに瞑想するためのスペース。
刻印に必要な道具や材料を保管するための専用の部屋がありここには高価なルーン石や魔法のインク特別なハンマーなどが保管。
保管室は魔法の鍵でロックされており許可された者のみがアクセスできる。
「え、じゃあ私は作業できないんじゃないですか?」
「だから自分が居るんです」
刻印師の方とヤクモが何やら話し込み、
「この保管室は非常に大切な場所です。信頼できる者にしか鍵を渡せません」
刻印師が厳格に言う。
「ケイトは私が保証します」
ヤクモが真剣な表情で言う。
刻印師は少し考え込んだ後「ならばヤクモの言葉を信じます」と鍵を渡す。
ヤクモが鍵を持って来る。
その鍵をケイトに渡す。
「コレでいつでも入れますよ」
「ありがとう存じます」
「でもこの鍵、本当に私が使っていいんでしょうか」
ケイトは緊張しながら尋ねる。
「もちろん、信じていますから」
ヤクモが優しく微笑む。
ケイトはホッとした表情で鍵を受け取り若干プレッシャーの圧を感じながら「ありがとうございます」と深くお辞儀をする。
ケイトは工房の保管室に入ると視界で青白く光る恐らくアイテム表示でしょうね。
ケイトは慎重に素材を選び作業台に並べる。
青白く光るルーン石を手に取り細かい彫刻を始める。
緊張しながらも集中し少しずつ刻印を完成させていく。
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