無職童貞35歳クズ、メイドとお勉強?



(これがこっちで言う「パパ」「ママ」になるのか? ダメだ、さっぱりわからん)



 俺が転生してから二年の歳月が経過した。

 あれからというもの、自分の置かれている状況をなんとなくだが理解したつもりだ。


 どうやら俺はこの国の王子らしいのだ。それもたぶん第二王子……。


 転生した今の俺には歳が一つ上の兄がいるのだが、おそらくそいつが第一王子ってとこだろう。

 そんな現在3歳であるお兄様は俺のことを何かと可愛がってくれているのだが、俺には鬱陶しい限りで、目の上のたんこぶみたいなもんだと思っている。



(はぁ……またあの人のおっぱい吸いてぇなぁ)



 こうしてあらゆる時間で想いを馳せるのはあの時の事だ。

 あの人――それは転生して初めて俺に授乳してくれた産みの母親のことで、俺が一目惚れした女性なだけに、彼女への想いは日を増すごとに大きくなっている。

 けれどこの世界も俺に残酷な現実を与えるかの如く、俺が彼女に授乳してもらったのはあの一回ぽっきりのみで、その後は乳母なのかはわからないが、ある女メイドに授乳してもらっていた。



「――――、――――」



 それが今俺の目の前にいるメイド、シーラだ。

 此奴は俺に乳を与える係と教育係のどちらも担っているようで、現在はこうして言語のお勉強中というわけだ。


 今もこうして部屋の壁に飾ってある俺の母親と父親の額縁写真を指差しながらシーラはよくわからん単語を呟いている。

 おそらく『ママ』や『パパ』か、偉い身分だし『母様』や『父様』といった言葉なのだろうが全くわからない。


 それでも、教えられた言葉をつたない口調で復唱するとシーラは笑顔で拍手してくれた。

 別に幼児になりきって赤ちゃん風に言っているわけではなく、無意識下で勝手に変換されて幼児のような喋り方になってしまうのだが、シーラにとってはそれが可愛いらしい。



「シーラ♪」



 そして今度は自分を指差し、俺に復唱を求めてきた。

 馬鹿みたいな笑顔を浮かべながら名前を呼んで欲しそうにしているのは実に滑稽な姿だ。誰が呼んでやるかよ。

 俺がプイッと顔を逸らすと、シーラの笑顔はしょんぼりといった顔に変わった。



 そんなことより飯だ飯! 俺は腹が減った。腹ぺこだ!


 そうともあれば早速拙い口調ながらもシーラに飯の催促だ。

 少しずつではあるが、言語をちゃんと覚えていっている俺にとってこれくらい朝飯前だったりするのだが、やけに覚えやすいのは何故だろう。

 おそらく幼児期ってのは脳が覚えやすいようになっているんだろうな。知らんけど。


 俺の催促を受け、シーラは部屋にあった呼び鈴を鳴らした。

 数分もしないうちに執事が食事を届けにきたようで、扉の前でシーラが食事を受け取っていく。

 その後は慣れた手つきで机にお膳を配置し、幼児用の椅子に俺を座らせ、ご飯を俺の口へと運んでいく。所謂いわゆる『あーん』てやつだ。



(あぁ美味え!! やっぱ高級な料理は違ぇなあ。前世で食ってたクソババアの飯なんてこれに比べたら残飯みたいなもんだったな!)



 王子ともあって、子供向けの料理ながら出てくるものは大変美味だ。こんなものをずっと食べていたら舌が肥えてくるんじゃないかと思う。


 暫く俺にあーんしていたシーラだったが、食べさせるのをやめ、手でフォークを持っているように見せて、もぐもぐと食べるジェスチャーをしてきた。通称、自分で食べられるかな?のお時間だ。舐められたもんである。

 フォークやスプーンを使い、黙々と一人で食事をこなしていく姿をシーラは拍手して喜んでくれている。こんなことでどれだけリアクションを取るんだこの女は。


 さぁ、やっぱり最後は食後のデザートの時間だな。


 俺はシーラに駆け寄り、こちらの世界で言う『おっぱい』の単語を何度も連呼する。

 優しい顔でメイド服を脱いでいくシーラ。やっぱり女が自分から脱いでるとこを見ると興奮する。シーラのような可愛い女は特にだ。


 シーラは茶髪の髪をセミロングにしていて、身長が小さい割に胸は中々大きい。さすがに今世の母親ほどではないが、十分に可愛いので俺の女にしてやるつもりだ。

 年齢は20代前半くらいに見えるから、俺が育つころには30代になっているかもしれないが……まぁ問題ないだろう。明らかに前世で見た芸能人やモデルとかより数段可愛いからな。


 転生してからいろんなメイドを見てきたが、前世で見てきた女どもよりもこちらのメイドたちの方が圧倒的に美人で可愛い者揃いときている。これは本当に役得というやつだろう。勿論全員俺の女にする予定だ。


 脱ぎ終わったシーラが優しげな目で此方を見つめてくる。天然の琥珀こはく色の瞳を見ると、やはり此処は地球ではないのだと実感してくる。皆同じような瞳の色なら外国だと思うところだが、それぞれ瞳の色が赤や青、緑や紫など色さまざまとなれば、もう此処は異世界なのだろう。



(まさか俺が異世界に転生するなんてなぁ…)



 そんなことにふけりながら、俺はシーラの小さな乳首に吸い付いた。舌を使って上手く乳首を押しだしミルクを飲んでいく。乳首が小さい故こうしないと少し飲みづらいのだ。

 そして元35歳童貞である俺が、まさか食事だけで終わるわけがない。



「アッ……、ん、あ……♡」



 おっぱいを吸うだけ吸って、ただ寝ていたあの時と比べ、日々成長しているのだよ俺は!! 見よ、この俺のおしゃぶり技術テクニックを!!



れろれろ♡ ちゅぱっ♡ ちゅ〜〜♡

ぢゅるるるるるる♡ れろっ♡ ちゅるちゅる♡



 舌をゆっくりと転がし、幼児がしないであろう口先での愛撫をシーラに捧げる。ゆっくりと乳首のまわりを舌でなぞってから、ピンッと乳首を上に弾く。


「――♡、 ぁ…ん"ん――♡♡♡」


 シーラが可愛い声で喘いだ。この小さい乳首が幼い俺によって開発されてきているのだと思うと、征服感が満たされていく。

 うんうん。やっぱりこれがなくっちゃ、やってられねぇよ。


 愛撫と食事を楽しみ終えた頃にはシーラの顔は女の顔へと変貌しており、目をトロンと蕩けさせ、はぁはぁと肩で息をしていた。

 まあ、ここまでやったのだ。世話もしてもらってるし、たまには褒美を与えてやってもいいだろう。

 俺は優しさの塊のような男だからな、サービス精神も持ち合わせている。



「しぃーあ!」

「〜〜〜〜〜♡♡!!」



 俺はシーラの名前を呼びつつ、ぎゅっとシーラに抱きついた。するとシーラは嬉しさで感極まったのか、俺を抱き上げ包容した。

 今は抱き抱えられてはいるが、いずれは逆転し、俺が包容してやれる日が来るだろう。



(その日を楽しみにしてるんだな)



 心の中で俺はシーラにそう投げかけたが、シーラにそれが聞こえることはない。

 それからしばらくの間、俺はシーラに包容され続けたのだった。

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