第4話 探索者協会に行く前にぃ??
「おにいちゃん、おはよう~」
「おはよう!美琴
朝ごはん、もう出来てるぞ!」
今日の朝ごはんはサラダとトーストの上に目玉焼きがのったものだ。
ご飯を食べ終えて片付けたらダンジョン農地を見に行って探索者協会に行く予定だ。
ピンポーン
「あ!陽菜乃が来たよ!」
ガラガラッ
「陽菜乃おはよー!」
「うわぁ! お、おはよう
もう!急に開けたらびっくりするじゃん!」
「えへへ、ごめん!」
「もう、次からは気をつけてね!」
「うん!」
「陽菜乃ちゃんおはよう!」
「誠お兄ちゃん、おはよう!」
「じゃあ、せっかくだから3人でダンジョン農地を見に行こう!」
「見に行くって、もう何か植えたの??」
「おう!
とりあえず、ネギとラディッシュとトマトを植えたんだ。」
「あたしも手伝ったんだよー!」
「いいなー、私もやりたかったのに、、、」
「次は一緒にやろうな!
夏休み中はこっちにいるんだろ?」
「うん!約束だからね?」
「おう!」
「誠お兄ちゃん、、もしかして昨日植えたのってあそこ?」
「おう!そうだぞ?!」
「「「えーー?!」」」
「昨日お兄ちゃん、明日は様子見るだけだって言ってたよね?」
「あ、ああ」
「めっちゃ育ってるんだけど?!」
昨日植えたばっかりだが、ほとんどがもう収穫しても良さそうなくらいに成長している。
たった数時間でこれほどとは、ダンジョン農地ってすげーな!!
1番成長していないのは美琴が植えて、水やりもしたネギだ。成長してないと言うより、むしろ枯れかけている。やっぱりスキルがあるのとないのとではかなり違うようだ。
「この感じだと、【収穫】のスキルを使えば今収穫しても大丈夫そうだな」
「おー!どんな効果があるのか楽しみ!
早く早く!」
「おう!」
「誠お兄ちゃん、収穫した野菜がめちゃくちゃ美味しそうなんだけど、、、食べちゃだめ?」
「あたしも! さっき朝ごはん食べたばっかりだけどお腹すいてきたかも、、、」
「待て待て!先に鑑定してどんな効果が付いてるのかを確認しないと!」
「「そうだった、、」」
「鑑定が終わったら食べてもいいからな!」
「「うん!」」
鑑定のスキルを持っていなくても、自分が作成したアイテムは簡単な情報だけなら自分で鑑定することができる。
まずは俺が植えて水やりもしたネギを鑑定してみよう。
━━━━━━━━━━━━
(C)ネギ
製作者:一ノ瀬 誠
効果:魔力値が40%上昇する
(効果継続時間:30分)
━━━━━━━━━━━━
「C級?!」
C級というのはアイテムのランクを表している。アイテムのランクは下からF・D・C・B・A・Sの6つに分けられている。Fはほぼ効果のないゴミ同然のアイテムに付けられるもので、普段市場で出回っているアイテムはA級までのものが多い。A級も多いという程は出回っていないのだが、S級は発見すらなかなかされていない。
「初めて作った作物がもうC級なんてすごいよ!お兄ちゃん!!」
「おう、でもなんで初めてなのにC級になったんだ?」
「スキルレベルが5あるからだと思うよ?誠お兄ちゃん」
「そうか!ドラゴン倒したからめっちゃレベルアップしてたんだった!」
「それにしても、30分魔力値40%上昇はやばいよ!お兄ちゃん!」
「そうなのか?」
「「そうだよっ!!」」
「そ、そうか」
俺はダンジョン探索はしていないので分からないが、2人が言うならそうなのだろう。
まあ、次のやつ鑑定するか。
次は俺が植えて、美琴が水やりをしたネギだ。
━━━━━━━━━━━━
(C)ネギ
製作者:一ノ瀬 誠、一ノ瀬 美琴
効果:魔力値が40%上昇する
(効果継続時間:10分)
━━━━━━━━━━━━
「これもC級だ!」
「でも効果継続時間が全然違うなぁ、なんでだ?」
「誠お兄ちゃん、多分だけど与える魔力が少なかったからだと思う。
誠お兄ちゃんが水やりすると、その作物はダンジョン農地の土に含まれる魔素と水やりの時に水に含まれてる魔素を取り込めたけど、美琴は水属性魔法は使えないから水に魔力は込められない、だから効果継続時間が減ったんじゃない?」
「それだ! 陽菜乃ちゃんは凄いなぁ!」
「えへへー
私、いつもアイテム作る時に素材に魔力を流したりしてるから、もしかしたら水にも込めれるかも!次植える時試してみてもいい?」
「おー!!ぜひ頼む!」
「うん!」
「あたしもやる!」
「次は3人でやろうな!」
「「うん!」」
次は、美琴が植えて俺が水やりをしたネギだ。
━━━━━━━━━━━━
(E)ネギ
製作者:一ノ瀬 誠、一ノ瀬 美琴
ただ魔力を含んでいるだけのネギ
━━━━━━━━━━━━
「えー?なんか説明冷たくない??」
「でも一応魔力を含んでるんだからすごいんじゃないのか?」
「うーん、これは正直私もよく分からないなー
昨日魔物肉を食べたけど、体には何の変化もなかったでしょ?」
「そういえばそうだな」
「解体する時にまず血を抜くんだけど、魔物の魔素はその血に含まれてるの。お肉には魔素は全然含まれてないから、私達が食べてもなんの変化もなかったの。
そういう訳で、ポーション以外に食べ物とかで魔力を含んでいるものは存在してないの! 」
「じゃあこの野菜は世界初のアイテムなのか?!」
「すごいよ、お兄ちゃん!」
「でも!このネギを食べたらどうなるかは分からないでしょ?
魔力量が増えるのか、魔力が回復するのかは食べてみないと!」
「「確かに」」
「今日協会行った時にダンジョン行って試すか?」
「そうしよ!」
「え?!誠お兄ちゃんダンジョンに行くの?」
「あぁ、美琴に今日探索者協会に覚醒者登録しに行くって言ったらダンジョンに行こうって言うもんだから」
「いいな!私も行く!!」
「陽菜乃も一緒に行こー!!!
いいでしょ?お兄ちゃん!」
「お、おう!」
「「やったー!!」」
「じゃあ早く出発しないとだから残りのもさっさと鑑定しよう!」
「「うん!」」
次はラディッシュにしようかな。━━━━━━━━━━━━
(C)ラディッシュ
製作者:一ノ瀬 誠
効果:攻撃力が40%上昇する
(効果継続時間:30分)
━━━━━━━━━━━━
「これも能力すごいね?!」
「これ絶対みんな欲しがるよ?
お兄ちゃんが超人気者になっちゃう!!」
最後はトマトだ。
━━━━━━━━━━━━
(C)トマト
製作者:一ノ瀬 誠
効果:傷や病を回復させる(中級ポーション程度)
━━━━━━━━━━━━
「このトマト1個食べただけでそんなに回復してくれるの?!」
現在、魔物にやられて傷を負ったりした時に回復するためには錬金術師が作った回復ポーションでしか回復出来ない。
ポーションには次の通り、4つの等級がある。
・エリクサー:瀕死状態でも治すことができる。
・上級ポーション:大抵の怪我や病気が治る。
・中級ポーション:少し深い傷や中程度の病が治る。
・下級ポーション:かすり傷や軽い病気を治すことが出来る。
エリクサーは数える程しか存在しておらず、上級ポーションですら1個何十万の価格で取引されている。
このポーションの1番の難点は味にあり、効果が高いものになればなるほど苦かったりして不味いのだ。
「トマトが美味しくないことなんてないと思うが、食べてみないことには分からないからなー」
「美味しくて回復もしたら、きっとすっごく人気が出るよ!」
「食べてみたいところだが怪我もしてない人が食べるのもどうかと思うし、とりあえず保留だな」
「そっかー、残念」
「とにかく、全部鑑定できたから早速探索者協会に行こう!」
「「やったー!」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます