第3話 ダンジョン農地を作ろう!

「この農園をダンジョン農地にしようと思うんだ。ドラゴンの魔核を使って 」


「え?!誠お兄ちゃん、ドラゴンの魔核使ったらここのほとんどがダンジョン農地になっちゃうんじゃない?」


「うーん、何となくだけど自分で範囲を設定できそうな気がするんだ。

だから、とりあえずここの半分をダンジョン農地にするつもりだ!」


「「半分も?」」


「ああ、

色々能力を試してみたいし、これが成功したらきっと美琴の探索にも役に立つだろ?」


「お兄ちゃん!」




「じゃあ始めるぞ!」

「「うん!」」



俺はドラゴンの魔核のうち半分ほどを持つと、不思議とどうすればいいのかわかった。


「農場マップ」


そう唱えると俺の目の前にウィンドウのようなものが現れ、俺の農場の地図が映し出されている。


「え!お兄ちゃん、なんか出てきたよ?」


そして、そのウィンドウにドラゴンの魔核を取り込ませる。


「魔核が消えた?」


<魔核を取り込みマシタ>


「「え?!なんか聞こえる!」」


<・・・只今魔核を解析中・・・

鑑定の結果、現在所有中の農地の半分をダンジョン農地にすることができマス

ダンジョン農地にする場所を選択してくだサイ>


「えーっと、じゃあここ!」


<・・・確認中・・・

確認しまシタ

選択された土地をダンジョン農地にシマス >



「どうなるんだ?」わくわく



<変更されマシタ>



「「「ん?」」」


「全然変わってないぞ?ほんとになってんのか?」

「誠お兄ちゃん、ここから魔素を感じるよ!」

「私も感じる!」


「そうなのか?」


俺は、荒らされたところが片付けられて、きちんと整備された農地にしてくれるんだと期待していたのだが違ったようだ。

土の質とかが変わったのか?まだひよっこ覚醒者の俺には魔素を感じたり、操る力が足りていないのでよく分からないが、ダンジョン農地になったというのだからそうなのだろう。



「結局、能力を試すためには荒らされてだめになった野菜を片付けて、土を耕さないといけないってことかー」


「そうみたいだね、あたしも手伝うからきっと早く終わるよ!お兄ちゃん!」


「それでもダンジョン農地にしたとこを全部整備するとなると夜までかかるだろうから陽菜乃ちゃんは先に帰った方がいいんじゃないか?」

「そうだね、遅くなったら危ないし」


「うーん、、分かった

また明日の朝来てもいい?」


「おう!」「もちろん!」




━━━━━━━━━━


「よしっ、何とか夜ご飯までに終わらせられたな!」


「もう疲れた~

お腹もぺこぺこだから夜ご飯にしようよー、お兄ちゃん!」


「ああ、俺もぺっこぺこだよ。

でも、せっかくだからいくつか種を植えてから帰ろう!」


「おー!!私もやる!」


「助かるよ、美琴がやってくれると俺が植えたのとの違いも確認できるしな!」


今日植えるのはネギ・ラディッシュ・トマトだ。

そして、俺たちはダンジョン農地にどんな能力があるのかを確かめるためにネギで試すことにした。俺が植えて、俺が水やりをしたもの・俺が植えて、美琴が水やりをしたもの・美琴が植えて、美琴が水やりをしたもの・美琴が植えて、俺が水やりをしたもの の4種類で実験する。

ラディッシュとトマトは俺が植えて俺が水やりをした。これは、スキル【種まき】の効果を調べるためだ。


「お兄ちゃん!終わったよー」


「おう!こっちも終わったぞ!」


「明日どうなってるか楽しみだね!」


「楽しみではあるけど、数時間でそんな成長することは無いだろうから明日は水やりして様子を見るだけになりそうだな」


「えー、残念」


「まあ、明日は覚醒者登録しに行かないとだからな」


覚醒した者は必ず探索者協会に行って登録しなければならない。都会には1都道府県につき2、3ヶ所ある場合もあるのだが、ここは田舎なので1ヶ所しかない。車で1時間半以上かかる場所にあるのだが登録は義務なので仕方ない。



「そうだった!登録のついでにダンジョン潜っちゃう??」


「まぁ、用事が終わって時間があったらな!」


「ヤッター!じゃあ今日は早く寝よ!」


「まずは夜ご飯食べないとな!」


「そうだった、お兄ちゃんとダンジョン行けるかもって思ったら嬉しくて、、」


「俺も嬉しいよ、たまには一緒にダンジョン行こうな!」


「うん!」

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