第四話 「閑暇」
───次の日───
病院生活1日目の朝、人生で初めての点滴を打たれる。昨日も打たれていたのだが、意識がなかったため、実質今日が初めてなのである。
点滴の感想、正直に言おう、めちゃくちゃ痛かった。点滴を打った後、スマホで「点滴 痛み 軽減」などと調べてみる。方法としては、保冷剤で腕を冷やすとか、刺す場所を圧迫するとかが効果的らしい。しかし僕としては看護師さんに僕が痛がっていることを知られたくない、という謎のプライドがあるため、次の点滴もそのまま打つことになるだろう。いや、もし胃の回復が早かったら普通に食事を摂れるのでは?と、どうにか点滴を避ける方法を探している。
あと、点滴を打った後、胃の痛みが少しだけ和らぐ体勢を発見した。横を向くように寝て、下の方の足は伸ばし、上の足は曲げる。これでかなり楽になった。まあその体勢を見つける過程で痛みも伴う訳なのだが、これから痛みが無くなるのならそれぐらいは我慢できる。
昼になった。.........暇だ。何もすることがない。もうスマホを見るのも飽きてしまった。こういう暇な時こそ曲作りを進めたいのだが、あいにくパソコンは家にある。今日風音に持って来させることもできるが、負担になってしまうので今度来るときにでもついでに持ってきてもらおう。
そういえば、今日は何故夢を見なかったのだろうか。もし夢を見れたらこの時間にその夢について考えることもできたのに。うーん...夢を見るのには何らかのトリガーがあるのだろうか。まだ明るいけど昼寝っていうことでちょっと寝てみよう。
......起きた。2時間ほど寝たようだ。夢は見れなかった。まあ、当然か、こんな短い睡眠じゃ。
「静かだなぁ。」
僕は少し儚げに窓に映る青空を眺め、時が過ぎるのを待っているのだった。
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「あ、あの...」
「ん?僕...?」
「その、おはよう!」
「お、おはよう...君は誰?」
「私はあやめっ!君は?」
「僕はゆうり。」
「よろしくねっ!」
「う、うん...よろしく。」
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