日記「夜の街」
昔のことですが、○曜ロードショーで見た「コクリコ坂から」の中に一箇所ものすごく好きなシーンがあります。
セリフは異なりますが、主人公の海が母に、お父さんが不倫してできた子供がいたらどうするの? と尋ねます。
すると母は「あの人の子供だったら」と考えた後、「会いたいわ」と口にするのです。
私はこれが愛か、と衝撃を受けました。
その後、主人公は母の膝で号泣します。そのセリフ自体は短いのですが、声優さんの演技がまたよくて温かいんです。
ジブリの映画は大人になってから見ると結構歪さを感じます。例えばハウルの動く城は、作中の登場人物の殆どが恋をしていて、ハウルはソフィーのことを物語の冒頭から知っていますし、家族としてですが、マルクルは呪われている姿のソフィーに大好きと言います。
私は子供の頃、夜になり布団に入ると、猛烈な不安に襲われました。明日は大丈夫だろうか、明後日は元気でいられるかな? でも、その次の日はーー?
スマホの中の夜の街だけが、不安を和らげました。それもまた歪な、現代の暮らしの一つだと思っています。
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