第11話 魁斗さんと神楽坂へ。

今日は色々とあった・・。

本当に色々とあったなあ・・。

現実逃避するために魁斗さんとラインする。


高校生の僕と大学生の魁斗さん。共通点がカフェ巡りと建築と散歩という

この三つの共通点のおかげかあの時からずっとラインが続いてる。

インスタで見つけたオシャレなカフェとか、お互い好きな建築家の建築の話。

意外と話が尽きることがなくて、魁斗さんとラインするのが清涼剤みたいな感じになってるんだ。


あのう?魁斗さん。今週の土曜日時間ありますか??


ないよ?


ならよかったら神楽坂行きませんか??


いいね!神楽坂行くの久しぶりだよ!!


よかったー。僕神楽坂に好きなブックカフェがあるんですよ!


あ!知ってるかも!?もしかしてあそこかな?

(魁斗がカフェのURLを貼り付ける。)


(春斗貼り付けたURLを確認する)

そうです!ここです!!前の隈研吾の建築も好きなんですよね!


わかる!いいよね!!よし土曜日は神楽坂に行こう!!



そうしてあっという間に土曜日になった。

僕は早起きして、シャワーを浴びる。


そして自分の部屋のクローゼットから服を取り出してあーでもないこーでもないって

鏡に合わせてうんうん唸ってしまった。


・・・・待って!!めっちゃデート意識してるけど、魁斗さんから見たら全然デートじゃないよね!?うわぁ恥ずかしいんだけど!?めっちゃ勘違いしてる・・。

僕は恥ずかしさのあまりに顔を服に埋めてベッドに倒れ込んでしまった。


数分後・・。僕はガバッとベッドから跳ね起きて、改めてクローゼットを見る。

うん。この服とこのバッグとこの靴でいいや。

鏡を見ると、ちょうど狙ったかのように、おしゃれと日常着の真ん中くらいのファッションができた。


うん!満足。これくらいならめっちゃ頑張った感が出てない。


「おはよー。」

「「おはよー。春くん(ちゃん)」」

「どうしたの?春ちゃん。ちょっとおしゃれしてどこか行くの??」

「うん。今から友達と神楽坂に行くの!!」

「「ふーん。友達ねえ・・。」」

パパとママが友達という言葉にニヤニヤしてる。

「と・・友達だよ。」

「「はいはい。」」

んもう。パパとママがニヤニヤしながらご飯用意する。

「ねえ。朱莉さん。今日は暇だから僕たちもデートしようか?」

「え?陽人さんとデート!いいわね!!」

パパが僕にオレンジジュースを注ぎながらママにそんなことをいう。


・・・・なんか嫌な予感がする。

「パパママ神楽坂はこないでね。」

二人はビクッと肩を震わした。やっぱり・・・。

「絶対に絶対にこないでね!!」

パパとママは顔をコクコクしたけどほんとかなぁ??


僕はご飯を食べて歯磨きをして、髪をチェックする。

チェックといっても髪型に興味ないし整髪料が苦手だから寝癖をチェックするくらいなんだけど。

うん!これなら大丈夫!!


「行ってきまーす」

パパとママに挨拶をしてから神楽坂へ向かった。

どうかどうか二人が来ませんように・・。




魁斗さんと待ち合わせまで、30分か。

えっとそうだ東京大神宮へ行こうっと。

なんかここら辺に来るとお祈りしたくなるんだよね。

最初神楽坂と飯田橋ってめっちゃ遠いのかな?って思ったけど

めっちゃ近くて驚いたっけ。


僕は東京大神宮へ向かって、お祈りをする。

広いというわけではない境内だけど、いつも行くと心が落ち着く気がするんだよね。

スピリチュアルとかよくわかないし、興味はないけど、神様にお祈りするのは好きなんだよね。


まだ時間あるけど、待ち合わせ場所に向かおう。



「おーい!春斗くん。」

「魁斗さん!!」

僕は魁斗さんを見つけてつい笑顔になる。

ああかっこいい。

今日は髪を下ろしてるんだ!

ネイビーのTシャツに白いパンツ。黒の革靴にシルバーアクセサリーのブレスレット。片手にはクラッチバッグを持っていておしゃれだ。

見た目はチャラい感じがするけど魁斗さんの目は知的さに溢れていてそのギャップが素敵なんだよなぁ・・。

Tシャツ越しから見える鍛えてる筋肉もタトゥーも本当にかっこいいなぁ。


「ごめん。待ったかな?」

「いいえ・・今来たばかりです。」

「そっか・・。なら行こうか!」

「はい!」

こうして僕と魁斗さんの神楽坂デー・・じゃない!神楽坂散歩が始まった。



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