第1話 力の使い方(前半戦)

騒がしい喧騒が聞こえる、今いるところはダンジョン協会の新宿支店だ、ここは確認されるだけでも40層はある巨大ダンジョンだ。


40層だけと思う人もいるかもしれないが、40層以降に人がたどり着いたことがないから、そう言う記録になっている。


私がここに向かう理由はキメラの力を試したいのと、これが身体にどのような影響があるか確認したいからだ。


私は駅の改札口の様なところにEランクのライセンスをかざし、開いたのを確認して、進んでいく。


ライセンスとは探索者ライセンスの略で探索者ライセンスはE~Sまである、また、ランクを上げるには試験を受ける必要があって、ランクに応じて協会の対応も変わってくる。


SランクともなるとVIPもVIP、対応も大統領と会うのかってレベルになる。


ただしSランクになるにはかなりの難易度の試験テストをクリアしなければいけない。


そう言う協会の態度が嫌いな人はCランクかBランク程度で納めているらしい。


それはそこそこの対応をしてくれるからと言う理由もある。


私としては素材が集まればどうでもいいので、Eランクのままで良いかの様に思っていたが、ランクに応じて入れるダンジョンが決められており、Cランク以降のランクのダンジョンだとBランク以上のランクを所持してないと入ることができない。


「だから、私の目標はBかな」


とは言え、私はキメラのテストをしに来ているので、雑魚ばっかりなダンジョンだとテストにならない、と言うことでDランクのダンジョンに入った訳だ。


「そろそろかな?」


私は人気のない所にきた、ここはあまり知られてない隠れスポットで、探索者がやってこない絶好の実験スポットとも言える。


「んーと、これは魔法陣と一緒だから、」


私は首に魔力を込めると、首が緑色に光出し、私の身体からはツタが生えてきた、足、胴体、腕とどんどんと絡め取られていく、そして、私の周りからは何も無かった荒地に植物が芽生えていく。


「これは、想像以上だね、これって操れたりするのかな?」


私は植物に命令を下す、『目の前にある石を取って私の手に渡して』


すると、植物たちは絡まり合い、そこにあった石を絡めとり、私の手まで茎を伸ばして渡してくれた。


私はこれで十分かと思い、首に入れた魔力を元に戻した。


次は梟だ、私は背中には魔力を集中させ、キープした。


すると私の背中から純白の花が生えてきて、服を突き破った。そして、私の視界は狭まり、その代わりに視力が気持ち悪いほど良くなった、そしてさっき見ていた石が普通よりも、立体的に認識出来た。


私はそこ感覚にならなくて酔った。


「うっ、これは慣れないと、実践で使うどころか、下手したら実践を行う前に酔いでダウンするね」


酔いが治った頃、私は羽が機能するのかテストした。


バサバサバサバサ、かなりの速さで羽が動く、いつしか足が空に浮いた。


「成功だ!」


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キメラ魔術師が現代で生きる方法 水瀬 若葉 @jacknextplay

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